提言 130
アマチュアが望む周波数利用計画を
2005−1−2
2005−1−16 追記


アマチュアが望む周波数利用計画を

JARLは周波数の利用区分を見直すことになった。 HFのように世界的な慣習と利用状態によって決まるようなものは日本で独自の使い方に走ることは危険だろうがV/UHFなどについては臨機応変に周波数の見直しをするのは必要だろう。 
アマチュア局を囲む環境は厳しいものがある。 日本における実質のアマチュア人口はすでにピークの1/3に激減している。 免許数では実際のアマチュア人口は計れないが、実際はすでに30万人を割っているのではないだろうか。
JARLはこの数字の減少をインターネットや携帯電話のせいにしているが、もしそうであったらトラックなどの不法無線などもっと減っていいはずなのに、行き交うトラックからアンテナが消えたことはないし、バンドで彼らの声が聞こえなくなったことはない。 携帯電話が理由なら今度の道交法改正で運転中の利用が厳しくなったのだから無線に戻ってくることだって想像はできる。
理由をつけるならいよいよ登場する携帯電話によるトランシーバ機能がさらに追い討ちをかけてくることになる。
さて、周波数の利用区分は運用規則第258条の2に定められる告示によって決められる。 しかし、これは総務省が自らの調査によって決めるものではない。 JARLの要請によって総務省が告示するという具合だ。 即ち、今回JARLが利用区分を見直すということはその結果が告示にされると言ってもいいだろう。
今までの改正を見ているとJARL独自の事情によるものが多い。 今回もそれによって改正されていくのではないかと思われる。 多分D−STARなどのデジタル通信による通信が行えるように周波数を確保することが主たる目的だろう。 V/UHFにおいては99%がメーカー製であり、メーカーの方針によって使い方が決まると言っても過言ではない。 どんどんデジタル無線機が登場することは間違いがない。 しかし、デジタル無線機がアマチュアに受け入れられるかどうかは未知数である。 携帯電話のように全ての機種が同一規格によるものならまだしも既に日本だけでなくアメリカなどでもいろんな方式が使われだした。 そしてそれらが混在するという結果が本当にアマチュアに受け入れられるだろうか。 一方FM機においては今では日本以外の台湾、中国で爆発的に生産量が上がり始めた。 驚くことにいままでこの分野の部品の殆どが日本製であったが急に日本での需要が下がったことなどからその生産を打ち切るところが増えてきているようだ。  外国製の430MHzのモービル機が2万円以下で売られているが残念ながらこれは日本の技適には適合しない。 周波数の利用区分の変更がデジタルを優遇し、これら安価なFM機を法的にも排除するような方向はアマチュアにとって望ましいとは思えない。 技適と告示によってFMを追いやってしまってはせっかく安価な無線機が手に入るというチャンスを奪ってしまうことになる。 これがさらにアマチュア局の減少を招き、一方その安価な無線機を自由に使える? 不法局を増加させてしまうのではないだろうか。
私もデジタル通信に供される周波数の確保には反対はしない。 しかし、それが吉か凶かの見とどけができない今であっては極端な割り当ては危険だろう。 総務省であってもその進捗状況に合わせて告示を替えることはやぶさかではないはず。
そして、144や430MHzを不法局からアマチュアの手に取り戻す周波数利用を考えるべきだろう。
周波数委員会は委員長以下5名だと聞く。 今回パブリックコメントを求めた以上単にセレモニーとして終わらせないようなアマチュア無線が少しでも発展していくような周波数の見直しを行ってほしいものだ。
ある特定の目的、それも一部のJARL指導者の一方的な考えで周波数利用が決まっていくことにでもなればそれはアマチュア無線の衰退をさらに加速させるものとなることだろう。
そして、アマチュアも、アマチュアの意見が告示に反映するように積極的に意見を出すべきだろう。 自らが意思表示もしないのであればその結果には文句を言う筋合いではない。
意見は平成17年1月31日まで周波数委員会(JARL技術課気付)にて受け付けている。 勿論、JARL非会員だろうと意見を出す権利はある。

JARL周波数委員会の公告

なお、この公告に書いてある6月に理事会から諮問されたという記述ですがJARL WEBの理事会報告には一切書かれていない。 理事会報告には委員会の設置と委員長の任命については書かれているがこれだけ大事なことが諮問されているのにそれが理事会報告に記されていないということのほうが異常に見えてくる。  
もしかすると理事会では他にも会員に報告されない事項が多くあるのかも知れない。

(2005−1−16)