提言 153 周波数委員会と周波数使用区別改正案 2005−10−6 |
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周波数委員会と周波数使用区分改正案 10月にJARL周波数委員会より「周波数使用区別の改正案」なるものが出された。 理事会から委員会への諮問、検討さらには珍しくパブリッココメントという手法を用いて進められてきた。 これを見ているとアマチュア無線家から広範な意見を聞いてその合意点を模索して決められたように見える。 JARLのやり方は殆どがお上、それも総務省がやっている手法に似ている。 まるでJARLは総務省の一部局のようにさえ思えてくる。 まず最初にJARLは「周波数の使用区分の改正案」と表現しているようだが、これはおかしな表現ではないのか。 そもそもアマチュア局の使用する周波数の使用区分は無線局運用規則第258条の2に告示されるものである。 即ち、この「改正案」を作成するのはJARLではなく総務省であるべきなのだが。 勿論、総務省自体にこの「改正案」なるものを作成する能力も、人材も、時間もそして金もないだろうからJARLが要望したものに若干の検討と法律との整合性を勘案して告示するのは周知のことだが。 即ち、JARLいや周波数委員会の「改正案」なるものが強く反映した形でこれから我々が使っていく周波数の使用区分が法的に決まっていくのである。 ということはJARL周波数委員会の責任は重大であり広範な資料、調査そしてより多くのアマチュアからの意見の聴取が求められるべきものである。 さて、JARLの委員会の委員の選任は相変わらず不透明である。 広く公募するわけでもなく裏でコソコソと決まるのが通例。 それも原会長のおめがねに叶うことが条件になる。 現在の委員会の構成は 委員長 JA3OZ 藤原功三 (Googleで検索してもJARLの周波数委員長、レピータ委員長としてのものばかりで アマチュア無線家としての活動は見られない 検索 28件) 委員 JA1VDJ 金平茂夫 (DX、VoIPなども運用 検索 152件) 委員 JF1TPR 熊野谿寛 (マイクロ波、デジタル通信、自作など幅広く活躍中 アマチュア無線家9条の会会員 検索数 1950件) 委員 JF1WKX 勝間 伸雄 (マイクロ波で活躍中 検索数 50件) 委員 JS1CYI 吉沢浩史 (VoIP無線のオーソリティー、 JARLレピータ委員 検索数 1190件) このような諮問委員会であれば当然アクティブに運用され、かつ専門的知識さらにはグローバルな視野を持っていることが要求されるのは当然だ。 アマチュア無線であろうとも法律を改正させようという立場であるのだから委員のバックグラウンドが公表されて、アマチュアからもそれが適任であるとされるべきものではないか。 委員長を除いて委員はたったの4人。 これが多くの委員を抱える委員会であれば特殊な分野でのオーソリティーを抱えていても当然だがたったの4人なのだから委員にはHFからUHFそしてあらゆるモードでの運用経験が求められて当然だろう。 さて、委員会として2度にわたり広くパブリックコメントを求めたのだから委員はこの行為にあっては公平でなければならない。 委員会はアマチュア無線家に対して等しく意見を出せる環境を与えてこそその意見を十分に考慮して調査資料などとともに最終判断を行うことができる。 しかし、ここで重大な問題が生じたのである。 委員の一人が特定の分野の掲示板においてそこの参加者に対して意見を提出するよう求める文章を掲示したのである。 http://www.standard-comm.co.jp/login/bbs/wires.cgi?act=choice&no=1482&vine=482 この瞬間周波数委員会が公平な立場でパブリックコメントを求めたことの関連の意味を失ってしまたのである。 この書き込みが意見の提出をどれだけ左右したかは未知数であるが、その意見の数そして今回の「改正案」を見る限り、それに関する意見が多数に及び、それに関する周波数が多く新設されたという結果にこの行為が何らかの影響を与えたのではないだろうかと考えるのは自然である。 このように、法律(告示)の改正にまで及ぶことが明らかであるものにこのような不自然な行為が関係すると思われることは残念である。 さて、 前にも書いたが、このような重大な責務を負う委員会であればそれなりの調査ならびに資料の収集があってそれを判断の根拠とすべきことは世の中の常識である。 私はJARLの委員会というものが如何に形式的なものに過ぎないかは承知しているが、ARRLなどの例を見ると莫大な資料が準備されそれに基づいて合理的な結論が導き出されている。 周波数委員会にあってはいったいどれだけの資料の収集と実態調査を行ったのだろうか。 委員会の委員という仕事は本職ではないが自らが委員となった以上はそれなりの時間とエネルギーが使われて当然である。 半年以上もの時間を要した仕事ではあるが委員、委員長が実質どれだけの時間を割いていたかを尋ねてみたいものだ。 多くの時間は事務局における事務手続きに費やされ、委員が自ら積極的に調査なり資料収集したなどということは少ないのではないだろうか。 もし、そのようなものがあるのならぜひ公開していただきたいものだ。 中間結果から最終結果に至る間で大きく変わったところがある(具体的には言うこともないが)。 これに至る経緯にJARLの原会長の意向が強く働いたという噂のだから驚いてしまう。 いずれにしろ調査、資料の収集が行われず、委員の個人的な考え、そして誘導されたパブリックコメントによってもたらされた結論は如何様にでも方向転換はできるものだ。 このような形で我々の運用にとって重要なことがこのようにして理事会に答申されそれが反映して総務省がアマチュア局の周波数の利用区分の告示を行うのである。 今更個々の事項についてコメントしたところで意味もないが、私は5年以上も前からVoIP専用周波数を要望してきたがもはやVoIP無線は一時のブームを過ぎ、これからは次第に消えていく方向に向かう分野である。 これはパケットにも見られるものでJARLが動いて周波数を確保したときにはもうブームは去っていた。 今回VoIP無線の周波数を多く確保する答申をするところから委員会が如何に現状認識が甘く先見性が無いかを示している。 もはやブームは去ったのである。 やるべき人は殆どが首を突っ込み、ある程度楽しんだら去っていってしまった。 JARLは総務省に対して周波数の有効利用について以下のような公式な回答をしている。 http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/denpa/pdf/1015-e.pdf しかし1200、2400MHz帯においてはJARLが主張したこととは大違いで東京圏などの都会でさえ殆ど利用されていない。 ましてや地方においては全くと言ってよいくらい使われていない。 そのような1200MHz以上の周波数にあってはわざわざ周波数の利用区分など設ける必要など無いのではないか。 それこそ本来のアマチュアらしくなんでも自由にやらせればいい。 1200MHz以上の利用区分だけを見るとあたかもアクティブに利用されているように見えるがそんなポーズなど不要ではないか。 区分を増やすということは夫々の中間周波数付近はいずれの区分でも使えないことになり、さらに多くの周波数が無駄になる。 以前、東海総合通信局のホームページに境界周波数はそれより下の区分に属するという合理的な使用法が示されたがこれは告示の趣旨とは違うと本省の判断でその記述が削除された。 アマチュアバンドと他の周波数との境界線ならともかくアマチュアバンド内のことなのだから効率的に利用できるようにすべきなのだから東海の判断のようにするのが当たり前だと思うのだが今回の「改正案」にもそれがない。 JARL自らがこのような認識では困ったものだ。 今回の結果を見る限り、JARLに将来に向けての展望も見られない。 彼らはこれから日本のアマチュア無線がどのようになっていくのかを認識しているだろうか。 私はこのままだったらあと10年でその存在価値すら失われ、法的な保護さえ受けられなくなってくると思う。 この際、周波数を温存するよりも積極的に使えるものなら使わせてあげればいいのにと思っている。 総務省もただJARLからの要望だけでアマチュア局の周波数の利用区分を決めるのではなく、将来日本のアマチュアが少しでも生き残れるようなそして青少年が自由に飛び込んで運用できるようなドラスティックな改正をしてくれることを望むものだ。 |