.m

提言 64
今時、2000万もD−STARにかける金があるんだ
2003−2−27


今時、2000万もD−STARにかける金があるんだ


2月の理事会で、D−STAR計画の推進が決まった。 13の中継装置に2,000万円もの金をつぎ込むそうだ。
デジタル化を推進することは否定しない。 ただ、依然としてD−STARの全容も見せず、プロトコルも公開せずにICOMなど一部のメーカーと事を進め、そしてその対応無線機をそのメーカーに作らせてやるデジタルって、ただのガッチャンコ無線ではないのか。
ユーザーはデジタルだろうとアナログだろうと音声がつながればいいのであって、こんなことをやっていて、いったいアマチュア無線というものはどこに行ってしまうのだろう。

どうせ、デジタルと言ったところでせいぜい64Kか128K、それもエラーフリーではないから1.2GHzを使った場合、まず音声ならエラーがあろうとも構わないだろうがデータ通信だったらせいぜい10Kくらいなのではないだろうか。
さて、音声としよう。 音声で64Kものものがいるのか? 現行のVoIPだって8Kで十分会話は成立する。音声デジタルをやるメリットはいったい何なんだろうか。

本来デジタル回線を構築するメリットはその高速性、確実性である。  当然、バックボーン回線が必要になる。  これには10GHzが使われる予定という。 別にも書いたが、5GHzで某通信会社が私の山のシャックで実験したところ見通しでもせいぜい4−50km。 それでも本来は10MBPSを狙ったが実際のところ1MBPS程度だった。
前にも書いたが、これに費やす設備、特に固定されたアンテナ設備は相当なものである。
既に、プロでさえ、コストがかかりすぎるので殆どが有線に転換してしまった。 日本では、現実マイクロ回線は自衛隊や一部のバックアップ回線としてしか残っていない。
JARLは逼迫した財政事情にあるのにいったいこれからいくら金がかかるか計算してみたのだろうか。

では、JARLが来年までに13の中継設備を配置したとしよう。 いったい誰が使うのだろうか。
今の1.2GHzの状態を見てもらいたいものだ。  閑古鳥が鳴くどころか閑古鳥さえいない。
そして1.2GHzは430や144に比べても非常に飛びが悪い。

その飛びが悪いのにさらに1.2GHzは1W、430は50Wまでが使える。 これを総合して考えたら多分430MHzの1/100しか電波は飛ばないだろう。 勿論、このあたりの周波数だから移動が主たるものになるのは当然だ。

さらに、ここ数年急激に発達してきたのがインターネット・リンク、この動きはもう止められまい。 こっちのほうが安上がりで世界中どこにでも簡単につながる。  既にノードも500近く存在する。 これに対抗してデジタルノードを13作ったところでどうなるのだろうか。

そのような時代にこのD−STARが目指すものが本当にアマチュアが目指すものなのだろうか。
JARLは、まずJARLが始めて、アマチュアがどんどん入ってきて、そしたら彼らがそれを発展させるともくろんでいるようだが、私はそんな生易しいものではないと思う。
JARLですら1局あたり150万円の予算を計上している。 これと同等の設備をアマチュアが自己負担でやるはずがない。 
メーカーもICOMが力を入れているようだが、これに対応した無線機を売り出してもどれだけ売れるのだろうか。  投資が回収されないのは目に見えている。

私は、現状のD−STARからJARLは撤退すべきだと思う。
そんなことに無駄な金をつぎ込むならもっと先にやることがあるだろうに。
もし、それに気づかないのだったらどうしようもないが。
それより、今まで密室の中でやってきたD−STARの全貌を全てのアマチュアに公開するのが先だろう。 そして、アマチュア自信に判断をゆだねることだろう。 アマチュアがそっぽを向いてしまったらそれまでだが。

もし、これが総務省に対してデジタル通信の拡大を求めるためのものだとしたらそれは手法が違うのではないだろうか。