ε量化記号
第1節で、具体的な論理記号として論理接続詞と命題型量化記号を導入しましたが、本節では他の記号を導入します。
数学では、2つの項が同じものであるということを意味する命題があると便利です。そこで、引数2個の述語記号 º を次の導入規則:
| ( | T |
及び消去規則:
( |
S(S | x)PP |
とともに導入することにします。これらの推論規則は、 º T
述語記号 º と上の2つの推論規則を持つ理論を等号を持つ理論といい、記号 º を等号とよび、 º T= で表わすのが普通ですが、本稿では後で定義する同値関係を表わすのにしばしば記号 = を用いるので、等号には º を使うことにします。
さて、等号についても第2節メタ定理5、メタ定理6と同様な次の性質が成り立ちます:
| メタ定理41 | 特に、 また、(
という条件付きの推論規則の形に書き直すと、( |
実際、 º T º' x º' 導入) により º' S(S | x)
P º 消去) により (T | x)
P º' T
またメタ定理の後半は、S と T が同じ記号列ですから、この置き換えられた推論図は、推論規則 ( 同 一 ) により導出可能です。
また、メタ定理1〜4は、等号を持つ理論においても成立します:
| メタ定理42 | 第1節で与えられた推論規則と等号の推論規則の全部又は一部を持つ理論では、推論規則 ( 同 一 ), ( 代 入 ) は導出可能である。もし更に ( 換 ) を推論規則に持つならば、( 増 ), ( 減 ), ( 切 断 ) も導出可能である。 |
実際、メタ定理1〜4の各証明において、用いた推論規則が ( º 導入) 又は ( º 消去) の場合にも成り立つことを示せばよいのですが、( º 導入) の場合は明らかですから ( º 消去) の場合のみ検証すれば十分です。
まずメタ定理1を検証します。( y | x)
S( y | x)
T( y | x)
P( y | x){S
º T } º T'
また、A が (S | z)
P( y | x)
A(S' | y)
P'
また z が x と異なり y と同じ変数なら、同様に ( y | x)
A(S' | x)
P'
また z が x とも y とも異なる変数なら、同様に ( y | x)
A(S' | z)
P'
ゆえに、用いた推論規則が ( º 消去) の場合にも成り立つことがわかります。
次にメタ定理2を検証します。同証明における Φ が、 ® S º U ® (S | z)
P º 消去) によって得られた ® (U | z)
P
このとき、上記の結果を用いると、 ® S' º U' ® (S' | z')
P' ® (U' | z')
P'
ゆえに、*
*
® S'*
º U'*
一方、*
*
P' ® (T | x)(S' | z')*
P' ® (S'* | y)(T | x)( y | z')*
® (S'* | y)P"**
*
® (U'* | y)P"*
仮定により、*
*
º 消去) を適用して得られる *
メタ定理3とメタ定理4については、何の変更点もなく、用いた推論規則が ( º 消去) の場合にもそのまま通用します。
以上でメタ定理42は証明されました。
さて、2つの変数 x,y に関する関係 = y
(4-1a)x |
(4-1b)x |
(4-1c) ( x |
関係 º y
実際、(4-1a)
は ( º 導入) そのものです。
また命題 º x(4-1a)
により (x | u)
P º y º 消去) により ( y | u)
P º x(4-1b)
に他なりません。
最後に命題 º u º y( y | u)
Q º z º 消去) により (z | u)
Q º z(4-1c)
に他なりません。
なお、等号を用いて、一意存在 $!
xP
(4-2) |
で定義します(ただし :º は左辺を右辺で定義するという意味のメタ記号です)。また、この右辺の º を同値関係 = で置き換えた場合は、これを = に対する一意存在といい、紛れのない限り、やはり $!
xP
さて、次は項型の量化記号の導入です。
命題 P と変数 x が与えられ、(T | x)
Pε
xP
(4-3) | 命題 P と変数 x と項 T に対し、(T | x)P (εxP | x)P |
一見、P を満たす項を具体的に特定して(例えば考察している公理系のもとで P を満たすことが証明された最初の項)、それを ε
xPε
xP º T
ところが、それだと公理系 Γ のもとで ε
xP,
Rε
xPε
xP Þ 導入) のような、異なる公理系間を跨がるタイプの推論規則を適用することができなくなり、かえって不便です。
さて、ここで ε
xPε
xP(T | x)
Pε
を新規に追加し、更に上記の (4-3)
を推論規則に“翻訳”した次の推論規則:
(ε導入) | (T | x)PP |
を当該理論に新規に追加することにします。こうして導入された論理記号 ε
をε
量化記号といいます。
論理記号 ^ とは逆に、このε
量化記号には消去規則がありません。なぜなら、これ以上推論規則を追加しなくても、第2節メタ定理5に対応する次のメタ定理が成り立つからです:
| メタ定理43 | εについては推論規則を仮定せず、 ε' が εの導入規則と同じ推論規則を持つ項型量化記号ならば、命題 P と変数 x と項 T に対し、 (εxP | x)P (ε' xP | x)P 特に、 ε' が εと同一の推論規則を持つ項型量化記号ならば、 (εxP | x)P (ε' xP | x)P |
実際、( ε
' 導入) において、ε
xP
ε
量化記号を導入することにより、P を満たす x が存在するとき、“そのような x”を項として表わすことができるようになります。そこで、実際の推論においては、P を満たす x の存在が導かれたとき、“そのようなもの(の一つ)を ☆☆☆ と表わす”という表現で、記号列 ε
xP
さて、メタ定理1〜4はε
量化記号を持つ理論においても成立します:
| メタ定理44 | 第1節で与えられた推論規則と等号の推論規則とε量化記号の推論規則の全部又は一部を持つ理論では、推論規則 ( 同 一 ), ( 代 入 ) は導出可能である。もし更に ( 換 ) を推論規則に持つならば、( 増 ), ( 減 ), ( 切 断 ) も導出可能である。 |
実際、メタ定理1〜4の各証明において、用いた推論規則が ( ε
導入) の場合のみを検証すれば十分です。
まずメタ定理1を検証します。( y | x)
S( y | x)
P
まず、A が ε
zP( y | x)
Aε
yP'
また z が x と異なり y と同じ変数なら、同様に ( y | x)
Aε
xP'
また z が x とも y とも異なる変数なら、同様に ( y | x)
Aε
zP'
一方、A が (S | z)
P( y | x)
A(S' | y)
P'
また z が x と異なり y と同じ変数なら、同様に ( y | x)
A(S' | x)
P'
また z が x とも y とも異なる変数なら、同様に ( y | x)
A(S' | z)
P'
ゆえにこれらを組み合わせると、A が (εzP | z)
P( y | x)
A(εyP' | y)
P'
また z が x と異なり y と同じ変数なら、同様に ( y | x)
A(εxP' | x)
P'
また z が x とも y とも異なる変数なら、同様に ( y | x)
A(εzP' | z)
P'
ゆえに、用いた推論規則が ( ε
導入) の場合にも成り立つことがわかります。
次にメタ定理2を検証します。同証明における Φ が、 ® (S | z)
P ε
導入) によって得られた ® (εzP | z)
P
このとき、上記の結果を用いると、 ® (S' | z')
P' ® (εz'P' | z')
P'
ゆえに *
*
® (S'* | y)P"*
一方、*
*
P' ® (T | x)(εz'P' | z')*
P" ® (T | x)(εyP" | y)*
® (εyP"* | y)P"*
仮定により、*
ε
導入) を適用して得られる *
メタ定理3とメタ定理4については、何の変更点もなく、用いた推論規則が ( ε
導入) の場合にもそのまま通用します。
以上でメタ定理44は証明されました。
さて、ε
量化記号を導入すると、量化記号 $ はε
量化記号によって定義することができます。具体的にいうと、直観主義論理から論理記号 $ 及び $ に関する推論規則を捨て、改めて $xP(εxP | x)
P $ 導入) と ( $ 消去) は導出することができます。
実際、( $ 導入) は ( ε
導入) そのものですし、( $ 消去) については、x が仮定 Γ と命題 Q に含まれない変数で、 ® $xP ® (εxP | x)
P,
P ® Qε
xP, (εxP | x)
P ® Q ® Q $ 消去) が導出できることがわかりました。
このことから、$ と ε
をどちらも持つ推論体系では、(εxP | x)
P$¢xP
(4-4) (εxP | x)P |
が成り立つことがわかります。
ところで、ε
xPε
量化記号の追加による理論拡大では新たな項が追加されたことになるわけですが、その結果として、命題の証明可能性に対しても影響が出てきます。
例えば、P が変数 x を含まないとき、前節メタ定理40 (c)
の命題:
(4-5) |
が証明できます。
実際、(4-4)
により、$xR Þ (εxR | x)
R$xR(εxR | x)(
$xR Þ R) $ 導入) により (4-5)
が得られます。
このように、ε
量化記号を導入することによって、直観主義論理のもとでは証明できなかった命題が証明可能になることがあることがわかりました。
なぜこういうことが生じたかというと、ε
量化記号導入前の理論では、命題 $xR Þ (T | x)
Rε
量化記号を追加したとたんに、ε
xR
さて、ε
量化記号は、それが単に新たな項を作る能力を持つというだけでなく、ひとたび形式化して理論内部の記号になってしまうと、形式化する前とは違って、(T | x)
Rε
xR
そのような場合の ε
xRε
量化記号を追加する場合は、それに先立って、当該理論を、“何も表わしていない項”という概念を許すような理論体系に修正する必要があります。
このことを、具体例によって説明してみましょう。
今、ε
量化記号を導入しようとしている理論が、次の性質:
(4-6) |
を満たす項 a , b を持つとします。このとき、特に x に a を代入することにより
(4-7) |
が成り立ちます(ちなみに、等号に対して排中律が成り立つような理論では、逆に (4-7)
から (4-6)
が得られます)。
さて、この理論にε
量化記号を追加し、それだけで何も手当てをしないとどういうことになるかを考察してみましょう。
任意に2つの命題 P と Q を選び、これらに現れない自由変数 x を選んで、命題 R を次のように定義します:
(4-8) R |
さて、ε
量化記号の追加により (4-5)
が成り立つので、( $ 消去) を用いるため
(4-9) |
を仮定します。
このとき、(4-8)
より明らかに
(4-10a) (R |
(4-10b) (R |
が成り立ち、また (4-7),(4-8)
により
(4-11a) (a | x)R |
(4-11b) (b | x)R |
が成り立ち、また (4-6)
から ( " 消去) により
(4-12) ( |
が得られます。
ここで Ø x º a(4-11a)
により (a | x)
R $ 導入) により $xR(4-9)
と (4-10a)
により Q が得られるので、この場合は Þ Q
また Ø x º b(4-11b)
により (b | x)
R $ 導入) により $xR(4-9)
と (4-10b)
により P が得られるので、この場合は Þ P
ゆえに ( Ú 導入) と ( Ú 消去) と ( $ 消去) により
(4-13) (P |
が成り立つことがわかりました。これは、前節で直観主義論理のもとでは証明できないと述べたメタ定理39 (i)
に他なりません。
しかも、この (4-13)
で Q に ØP Þ ØPØP(
ØP) Þ PØØPØP
(4-14) |
が証明できてしまうことがわかりますが、これは
(4-15) |
が一般に証明できることと同値です。
実際、(4-15)
が成り立てば、Q に ØP(4-14)
も成り立ちます。
逆に (4-14)
が成り立てば、メタ定理28により、(4-15)
の左辺から Þ ØQØØP Þ ØQ(4-14)
により (4-15)
の右辺が得られます。また (4-15)
の右辺から左辺はメタ定理30 (d)
により常に成り立つので、これで (4-14)
から (4-15)
が得られることも証明されました。
ちなみに (4-15)
が一般に成り立つような理論では、(4-15)
を P が º a º b"x(4-6)
は "x Ø(x
º a Ù x º b)Ø$x(x
º a Ù x º b)(4-7)
と同値になってしまいます。
さて、上記の証明では (4-5)
を用いましたが、(4-5)
を使う代わりに、(4-9)
以下の議論において、変数 x の所を ε
xR
このように証明を書き換えてみればわかるように、命題 $xRε
xR(4-6)
に ( " 消去) を適用して (4-12)
を導いていることがわかります。
しかし、そもそも最初に当該理論を定式化した際には、“何も表わしていない項”などというものが存在することは想定しておらず、(4-6)
のような公理は、当然“何かを表わしている項”に対して成立する性質として規定されていたはずです。
ですから、そのような公理を“何も表わしていない項”に適用するのは、その理論の趣旨から考えて“正しい推論”ではなく、そのような推論によって得られた結論 (4-13)~(4-15)
も“根拠がない”ことになります。
従って、ε
量化記号を用いるのであれば、理論を構築する際に、“項というのは、それが必ずしも何かを表わしているとは限らない”ということを前提にして公理や推論規則を与えておく必要があるのです。
具体的には、ある“対象物”に関する理論を構築するにあたり、「項 T が考察しようとしている対象物を表している」ということを t(T )
すなわち、理論を構築する際に、1変項述語記号 t を追加してこれを存在述語記号(existence predicate
)とよび、当該理論の対象物について成り立つ性質を公理や推論規則として与える場合は、必ず“t(T )
その際、t(T )
t 項とよぶことにし、t という存在述語記号が当該理論を特徴付けていることことから、当該理論のことも理論 t とよぶことにします。
さて、この作業を組織的に行うために、
(4-16a) |
(4-16b) |
(4-16c) ε |
と定義し、これらの省略記号 "t$tε
tt に伴う)限定量化記号といいます。これらの記号は次の推論規則を満たします:
| ( |
(x)├ P |
( x¢As ) |
( |
t (T )P |
|
( |
(T | x)P |
|
( |
t (x), P├ Q Q |
|
( ε |
(T | x)PP |
(T | x)P |
実際、( "t 導入) の上段が成り立てば、( Þ 導入) により tP(x)
Þ " 導入) により下段が得られます。
また ( "t 消去) の上段が成り立てば、( " 消去) により t(T )
PÞ (T | x) Þ 消去) により下段が得られます。
また ( $t 導入) の上段が成り立てば、( Ù 導入) により t(T )
PÙ (T | x) $ 導入) により下段が得られます。
また ( $t 消去) の上段が成り立てば、( 増 ) と ( 仮 定 ) と ( Ù 消去) により t(x),
Pt(x) Ù P├ t(x),
Qt(x) Ù P, P├ t(x),
t(x) Ù P├ Q
一方、上段第2式に ( 仮 定 ) と ( Ù 消去) を適用すれば t(x)
Ù P├ t(x)t(x)
QÙ P├ $ 消去) を用いれば下段が得られます。
最後に ( ε
t 導入) の上段が成り立てば、( Ù 導入) により t(T )
PÙ (T | x)(T | x){
t(x) Ù P} ε
導入) により (ε
t xP | x){t(x) Ù P}t(ε
Pt xP) Ù (εt xP | x) Ù 消去) により両図式の下段が得られます。
さて、これらの推論規則は、順にそれぞれ次の性質を形式化したものになっています:
(4-17a) | 命題 P が当該理論の対象物を表す自由変数 x に対して成り立てば、 |
(4-17b) | (T | x)P |
(4-17c) | ある当該理論の対象物 T に対して (T | x)P |
(4-17d) | |
(4-17e) | 命題 P と当該理論の対象物 T に対して (T | x)P ε (εP |
すなわち、限定量化記号は、対応する(本来の)量化記号を“当該理論の対象物”に“限定”する役割を果たしていることがわかります。
さて、当該理論が(定項を含む)関数記号として を与えることにより実現できます。また、当該理論の対象物が満たすべき性質を公理として与えようとしているならば、量化記号を用いるところはすべて存在述語記号に伴う限定量化記号を用いて表現する必要があります。
例えば、先述の例のような、当該理論の対象物がすべて当該理論の対象物である a か b のいずれかと異なる、ということを保証したいのであれば、与えるべき公理は という形の公理を与える必要があります。
以上のような説明に対し、 を証明しておいて、 以上見てきたように、存在述語記号 次に、 さて、これらのメタ定理群の中で、メタ定理45 例えばメタ定理45 すなわち、存在述語記号を導入することにより、当該理論で扱う対象物を表わす“実体を持った項”と、一般的な証明を可能にするための道具に過ぎない変数とか、 しかも、存在述語記号を導入したことによるメリットはこれだけではありません。
1 ,¼,
(4-18)
it(T
1 )¼(Tk )
t
t( fi(T1 ,¼, Tk ))(4-6)
ではなく、まず t(a)
t(b)
(4-19)
"t x ( (Ø x º a) Ú (Ø x º b) )
この形で理論を定式化しておくと、(4-13)~(4-15)
を導く証明において、(4-6)
ではなく、(4-19)
に ( "t 消去) を適用して (4-12)
を得なければなりませんが、今度は t(x)
"t 消去) を適用することができません。
この結果、(4-12)
から先の議論が展開できず、(4-13)~(4-15)
の結果は得られなくなります。
(4-5)
のかわりに、そこに現れる量化記号をすべて限定量化記号に置き換えて得られる命題:
(4-20)
$t x($t xR Þ R)(4-5)
を使うかわりに (4-20)
を用いればよいではないか、と思われるかもしれません。
つまり、(4-20)
を用いれば、( $ 消去) を用いるために (4-9)
を仮定する代わりに、( $t 消去) を用いるために t(x)
$t xR Þ R
ところが、この (4-20)
の成立自体が実は保証されないのです。
実際、$t xR $t 消去) を用いるために t(x)
ε
t 導入) により (ε
Rt xR | x) Þ 導入) により $t xR Þ (ε
Rt xR | x)(ε
t xR | x)($t xR Þ R)
ところが t(ε
t xR)$t x(
$t xR Þ R)t を導入し、それに伴う限定量化記号によって当該理論を定式化しておけば、ε
量化記号を導入する前には (4-5), (4-13)~(4-15)
の各命題が直観主義論理では証明できなかった状況が正しく維持できていることがわかります。
s , t を共に1変項述語記号とするとき、それらに伴う限定量化記号に対しても、メタ定理35〜40と類似のメタ定理が成り立つことを確かめておきましょう。
メタ定理45
(a)
$x t(x)
"t xP Þ $t xP
(b)
$s x$t yP$t y$s xP
(c)
"s x"t yP"t y"s xP
(d)
$s x"t yP Þ "t y$s xP
(e)
(
$t xP) Ú ($t xQ)$t x(P
Ú Q)
(f)
(
"t xP) Ù ("t xQ)"t x(P
Ù Q)(a)
$x t(x)
$ 消去) を用いるために t(x)
"t xP"x(
t(x) Þ P) " 消去) と ( Þ 消去) により P が得られ、( Ù 導入) と ( $ 導入) により $x(
t(x) Ù P)$t xP Þ 導入) により明らか。
(b)
x と y は異なる変数と仮定してよい(以下でも同様)。メタ定理36 (c)
により、$x(
s(x) Ù $y(t(y) Ù P))$x$y(
s(x) Ù (t(y) Ù P))(b)
、23 (a)
、22 (a)
により $y$x(
t(y) Ù (s(x) Ù P))(c)
により、$y(
t(y) Ù $x(s(x) Ù P))(c)
メタ定理36 (a)
により、"x(
s(x) Þ "y(t(y) Þ P))"x"y(
s(x) Þ (t(y) Þ P))(c)
、26により "y"x(
t(y) Þ (s(x) Þ P))(a)
により、"y(
t(y) Þ "x(s(x) Þ P))(d)
メタ定理36 (e)
により、$x(
s(x) Ù "y(t(y) Þ P))$x"y(
s(x) Ù (t(y) Þ P))(d)
により "y$x(
s(x) Ù (t(y) Þ P))$x(
s(x) Ù (t(y) Þ P))t(y)
Þ $x(s(x) Ù P)s(x)
t(y)
Þ Pt(y)
$x(
s(x) Ù P)"y(
t(y) Þ $x(s(x) Ù P))(e)
メタ定理35 (e)
により、$x(
t(x) Ù P) Ú $x(t(x) Ù Q)$x((
t(x) Ù P) Ú (t(x) Ù Q))(b)
により $x(
t(x) Ù (P Ú Q))(f)
メタ定理35 (f)
により、"x(
t(x) Þ P) Ù "x(t(x) Þ Q)"x((
t(x) Þ P) Ù (t(x) Þ Q))(a)
により "x(
t(x) Þ (P Ù Q))メタ定理46
x を Q に現れない自由変数とする。このとき
(a)
Þ (
"t xP)"t x(Q
Þ P)
(b)
(
$t xP) Þ Q"t x(P
Þ Q)
(c)
(
$t xP) Ù Q$t x(P
Ù Q)
(d)
$t x(P
Ú Q) Þ ($t xP) Ú Q$x t(x)
(
$t xP) Ú Q Þ $t x(P Ú Q)
(e)
(
"t xP) Ù Q Þ "t x(P Ù Q)$x t(x)
"t x(P
Ù Q) Þ ("t xP) Ù Q
(f)
(
"t xP) Ú Q Þ "t x(P Ú Q)"t x(P
Ú Q) Þ ("t xP) Ú Q
(g)
"t x(
ØP)Ø$t xP
(h)
$t x(
ØP) Þ Ø"t xP
(i)
"t xP Þ Ø$t x(
ØP)
(j)
$t xP Þ Ø"t x(
ØP)
(k)
"t x(
ØØP)Ø$t x(
ØP)ØØP"t xPØ$t x(
ØP)(a)
メタ定理36 (a)
により Þ (
"x(t(x) Þ P))"x(Q
Þ (t(x) Þ P))"x(
t(x) Þ (Q Þ P))(b)
メタ定理36 (b)
により (
$x(t(x) Ù P)) Þ Q"x((
t(x) Ù P) Þ Q)"x(
t(x) Þ (P Þ Q))(c)
メタ定理36 (c)
により (
$x(t(x) Ù P)) Ù Q$x((
t(x) Ù P) Ù Q)(a)
により $x(
t(x) Ù (P Ù Q))(d)
メタ定理22と24 (b)
により $x(
t(x) Ù (P Ú Q))$x((
t(x) Ù P) Ú (t(x) Ù Q))$x((
t(x) Ù P) Ú Q)(d)
により (
$x(t(x) Ù P)) Ú Q
更に $x t(x)
$x((
t(x) Ù P) Ú Q)$x((
t(x) Ù P) Ú (t(x) Ù Q))(e)
メタ定理36 (e)
により (
"x(t(x) Þ P)) Ù Q"x((
t(x) Þ P) Ù Q)"x((
t(x) Þ P) Ù (t(x) Þ Q))(a)
により "x(
t(x) Þ (P Ù Q))
一方、"x((
t(x) Þ P) Ù (t(x) Þ Q))"x(
t(x) Þ P)"x(
t(x) Þ Q)$x t(x)
(f)
メタ定理36 (f)
により (
"x(t(x) Þ P)) Ú Q"x((
t(x) Þ P) Ú Q)(c)
によりそこから "x(
t(x) Þ (P Ú Q))
一方、 Ú ØQ(c)
により "x(
t(x) Þ (P Ú Q))"x((
t(x) Þ P) Ú Q)(f)
によりこれから (
"x(t(x) Þ P)) Ú Q(g)
(b)
で Q を ^ とすればよい。
(h)
t(x)
"t 消去) と ( Þ 導入) により "t xP Þ P(
ØP) Þ (Ø"t xP) "t 導入) により "t x((
ØP) Þ (Ø"t xP))(b)
で P に ØPØ"t xP(b)
の左の命題により明らか。
(i)
"t xP$t x(
ØP)(h)
と ( Þ 消去) により Ø"t xPØ$t x(
ØP) Þ 導入) により明らか。
(j)
$t xP"t x(
ØP)(g)
により Ø$t xPØ"t x(
ØP) Þ 導入) により明らか。
(k)
(g)
で P を ØPメタ定理47
*
古典論理では、
(a)
Ø"t xP$t x(
ØP)
(b)
$t xPØ"t x(
ØP)
(c)
$x t(x)
$t x(
$t xP Þ P)(a)
メタ定理46 (k)
の否定を取ればよい。
(b)
(a)
で P を ØP(c)
これはメタ定理39 (f)
により $t x{(
Ø$t xP) Ú P}(d)
により (
Ø$t xP) Ú $t xP(a)
、メタ定理46 (d) , (e)
、メタ定理47* (c)
だけは、対応するメタ定理35 (a)
、メタ定理36 (d) , (e)
、メタ定理40* (c)
と比べると、“$x t(x)
(a)
の命題 "t xP Þ $t xP
今、"t xP$x t(x)
t 項が存在しないので、( "t 消去) を用いたくても、(T | x)
Pt 項 T が存在しないので、これ以上先に進めません。
ところがこれに対し、メタ定理35 (a)
の命題 "xP Þ $xP"xPt 項が存在していようがいまいが、変数 x という項が存在しているため、推論規則 ( " 消去) を使って、P の x に変数 x という項それ自身を代入することにより、命題 P が証明され、更にこの命題は P の x に変数 x という項それ自身を代入したものなので、( $ 消去) により $xP(T | x)
Rε
xR
次節以降で解説するように、“集合”や“写像”のような新しい種類の“対象物”を表わす項を理論に追加しようとするとき、当該理論本来の存在述語記号に加え、項がその“新しい種類の対象物”であることを意味する新たな存在述語記号を追加導入することによって、パラドクスを生じることなく当該理論にこれらの新概念を追加することが可能になります。