A を単位的(可換)モノイド環とするとき、集合 :º A ´ A+ , - , ·
を
(15-1a) (a, b) |
(15-1b) |
(15-1c) (a, b)(a', b') |
で定義します。このとき A' は、(
0, 0)(
1, 0)- を *
とみなすことにより (14-50)
が成り立つことがわかります。実際、
(15-2) {(a, b) |
(a |
(a |
|
(a, b) |
|
(a, b) |
(15-3) {(a, b)(a', b')}(a", b") |
(aa' |
(aa'a" |
|
(a, b)(a'a" |
|
(a, b){(a', b')(a", b")} |
により、加法と乗法の結合法則が確かめられました。また、
(15-4) (a, b) |
により加法の交換律が、
(15-5) (a, b) |
により (
0, 0)
(15-6a) (a, b)( |
(15-6b) ( |
により (
1, 0)
(15-7a) {(a', b') |
(a' |
(a'a |
|
(a'a |
|
(a', b')(a, b) |
(15-7b) (a, b){(a', b') |
(a, b)(a' |
(aa' |
|
(aa' |
|
(a, b)(a', b') |
により加法と乗法の分配律が証明されました。また、A の乗法が可換なら、
(15-8) (a, b)(a', b') |
により乗法の交換律が成り立ちます。次に、- が (14-50)
を満たすことを確かめましょう。
(15-9a) |
(15-9b) |
(15-9c) |
(15-9d) |
(15-9d') (ab' |
(15-9d") (ab' |
さて、A' の部分集合 N を、(14-52)
が成り立つように定めてみましょう。
(15-10a) (a, b) |
(15-10b) (c, c) |
ですから、A' の対角集合を D と書けば、条件 (14-52a)
は
(15-11a) |
と書けます。また、条件 (14-52b)
は、
(15-11b) N |
と書けます。ただし、A' の部分集合 B , C に対し、{ x* | x
ÎB }*
、{ x
+ y | xÎB , yÎC } + C(14-52c)
は、(15-10)
により
(15-11c) xx |
となります。また、条件 (14-52d)
は、
(15-11d) A'N,NA' |
となります。
さて、(15-11a),(15-11c)
により、ある ÎD + yÎDÎN
(15-12) N |
と置けば、これは (15-11)
を満たすことがわかります。実際、D + (
0, 0) Ì D(15-11a)
は明らかで、,
yÎN + u,
y + vÎD,
vÎDD*
= DD + D Ì D
(15-13a) (x |
(15-13b) u |
ですから + y*
ÎN(15-11b)
が成り立ちます。また、ÎA'
(15-14)x |
ですから (15-11c)
が成り立ちます。また、
(15-15a) A' |
(15-15b) |
ですから、任意の ÎA'
(15-16a) aN |
(15-16b) Na |
となって (15-11d)
が成り立つことがわかりました。
ゆえに、A' 上に2項関係 » を
(15-17)x * |
すなわち
(15-18) (a, b) |
で定義すれば、これが A' の演算と両立する同値関係となり、同値関係 » を持つ集合 A' は単位的(可換)環になることがわかります。
次に、 :
A ® A'
(15-19) i(x) |
で定義すると、(A', i)
(15-20a) i(a |
(15-20b) i( |
(15-20c) i(ab) |
(15-20d) i( |
ですから i は単位的(可換)モノイド環の準同型です。
次に、 :
A ® B = g ° i :
A' ® B
(15-21) g(a, b) |
が成り立つので、g は存在すれば一意的です。一方存在については、逆に (a, b)
(15-21)
の右辺で定義すれば、
(15-22) (a, b) |
となるので g は関数です。また
(15-23a) g((a, b) |
(15-23b) g( |
(15-23c) g((a, b)(a', b')) |
g(aa' |
f(aa' |
|
f(aa') |
|
f(a) f(a') |
|
{ f(a) |
|
(a, b)g(a', b') |
となるので、これらと (14-9)
の直後の注意により、g は単位的(可換)環の準同型であることがわかります。
以上で (A', i)
さて、以上の結果を自然数の集合 N
に対して適用してみましょう。
まず N
は明らかに単位的可換モノイド環ですが、それだけでなく、単位的(可換)モノイド環の圏における始対象になっています。実際、jA : N
®
(15-24a) |
(15-24b) |
が成り立たなければなりませんから、帰納的定義による解の一意性により、このような j は存在しても唯一つであることがわかります。
一方、存在証明ですが、関数の帰納的定義により、(15-24)
を満たす j が存在します。この j が準同型であることを帰納法により証明しましょう。まず
(15-25) |
が成り立つことを k に関する帰納法で証明しましょう。まず k が 0 のときは、 + 0 º n(15-24a)
により明らかです。また k で正しいと仮定すると、
(15-26) |
となって、s(k)
(15-27) |
が成り立つことを k に関する帰納法で証明しましょう。まず k が 0 のときは、0 º 0(15-24a)
と (14-44b)
により明らかです。また k で正しいと仮定すると、
(15-28) |
となって、s(k)
(15-24)
により
(15-29) |
となり、j が準同型であることがわかり、N
が始対象であることがわかりました。
そこで、単位的環の圏の始対象のことを Z
と書き、Z
の元を整数とよびます。このとき、第9節の (9-9)
の次の段落の注意により、単位的モノイド環の準同型 : N
® Z(Z, i)
N
の、単位的環の圏における普遍構造になります。
ゆえに先述の結果を適用すると、Z
は N
から (15-1)~(15-18)
の方法で構成した集合で具体的に与えられます。よって特に、Z
は単位的可換環の圏の始対象にもなっています。
さて、今後は整数の相等関係を = で表わすことにします。自然数の性質 (11-2)
により、整数の相等関係 (15-18)
は、
(15-30) (n, m) |
という簡単な形になります。この定義から、(n)
= i(m)(n,
0) = (m, 0) = mN
は Z
の部分集合とみなすことができます。
さて、2つの整数 (n, m)
(n', m')
< を
(15-31) (n, m) |
で定義します。このとき、整数 l , m , n に対して次の性質が成り立ちます:
(15-32a) |
(15-32b) |
(15-32c) ( |
(15-32d) |
(15-32e) ( |
実際、(15-32a)
は (11-5)
から、(15-32b)
は (11-12a)
からそれぞれ明らかです。
また (15-32c)
は、(n, m)
< (n', m')(n', m')
< (n", m") + m' < m + n' + m" < m' + n"(11-9)
を二度用いることにより + m' + m" < m + n' + m" < m + m' + n"(11-9)
により + m" < m + n"(n, m)
< (n", m")
次に (15-32d)
は、(n, m)
< (n', m') + m' < m + n'(11-9)
により + m' + n" + m" < m + n' + n" + m"(n, m)
+ (n", m") < (n', m') + (n", m")
最後に (15-32e)
は、(n, m)
> 0(n', m')
> 0 > m > m',
k' > 0 º m + k º m' + k' + mm' º (m
+ k)(m' + k') + mm' º 2mm' + mk' + m'k + kk' > 2mm' + mk' + m'k º mn' + m'n(n, m)(n', m')
> 0
一般に (15-32)
を満たす2項関係 < が与えられた環のことを順序環とよぶことにします。順序環では m < n Ú m = nm £ n(15-32a)~(15-32c)
により Ø m > n£ は擬順序になり、= はこの擬順序に伴う同値関係(第6節 (6-24c)'
直後の注意参照)になっています。
さて、順序環では次の性質が成り立ちます:
(15-33a) |
(15-33b) |
(15-33c) |
(15-33d) ( |
(15-33e) ( |
(15-33f) |
(15-33g) |
(15-33h) ( |
(15-33i) ( |
(15-33j) ( |
(15-33k) ( |
(15-33l) |
(15-33m) |
(15-33n) ( |
(15-33o) ( |
(15-33p) |
(15-33q) |
(15-33r) |
実際、(15-33a)
は、m < n Ù n < m(15-32c)
により m < m(15-32b)
に反します。
ゆえに (15-32a),(15-32b),(15-33a)
により、m < nm = nn < m(15-33b)~(15-33d)
は明らかです。
次に (15-33e)
ですが、m' が m のときと n' が n のときに分けて示せば十分です。
m < nn = n'm = n'= が同値関係であることから m = n(15-32b)
に反し、もし m > n'(15-32c)
により n' < n(15-32b)
に反します。よって (15-32a)
により m < n'
次に m < nm = m'm' = n= が同値関係であることから m = n(15-32b)
に反し、もし m' > n(15-32c)
により m < m'(15-32b)
に反します。よって (15-32a)
により m' < n
以上で (15-33e)
は証明されました。これは < が相等関係 = と両立することを意味しています。
次に (15-33f)
ですが、Þ は (15-32d)
により明らかです。逆は、m , n のかわりにそれぞれ m ± ln ± l(15-32d)
から得られます。
また (15-33g)
は、まず両辺から n を引き、次に両辺から更に m を引けば、(15-33f)
により明らかです。
次の (15-33h)
は、仮定から (15-33g)
により - m > 0(15-32e)
により - mn = (
- m)n > 0(15-33g)
を使えば結論が得られます。
次の (15-33i)
は、仮定から (15-33g)
により - n > 0(15-33h)
により - mn = m(
- n) < 0(15-33g)
を使えば結論が得られます。
次の (15-33j)
は、(15-32e),(15-33h),(15-33i)
と (15-32b)
により明らかです。
次の (15-33k)
は、(15-33d),(15-32e),(15-33i)
により明らかです。
次の (15-33l),(15-33m)
は、(15-33g)
と (15-32e),(15-33h)
から明らかです。
次の (15-33n)
は、(15-33l),(15-33m)
と (15-32a),(15-32b),(15-33a)
から従います。
次の (15-33o)
は、1²
= 1(15-33k)
から明らかです。
次の (15-33p)
と (15-33q)
は、nn-1 = 1 > 0(15-33l)
又は (15-33m)
でそれぞれ n を 0 とすれば明らかです。
最後の (15-33r)
は m > nm-1n-1 > 0
0 = 1(15-33j)
と (15-33b)
により、同値関係 = の否定を不等号と定義すれば (14-76)
を満たすので整域になります。従って特に整数環 Z
は整域です。
さて、任意の自然数 (n, m)
(11-5)
の3とおりのいずれか一つが成り立ちます。自然数をラテン文字、整数をギリシャ文字で表わせば、
(15-34a) (n, m) |
(15-34b) (n, m) |
(15-34c) (n, m) |
ゆえに
(15-35) Z |
となります。ただし2番目の = は N
Ì Z
ところで (15-35)
第2辺の集合は、m = n Û m º nN
のときと同様に、今後は Z
の具体的な定義として、その同値関係が º で与えられるものを採用することにし、整数についても m , n のような自然数のときと同じ変数を用いることにします。
また、 > 0 < 0
更に、n が非負すなわち自然数のときは n を、n が負のときは正の整数 - n|n|
さて、第10節 (10-35),(10-47)
によれば、a が群 G の元なら、自然数 n と m に対して指数法則:
(15-36a)an |
(15-36b) an mm |
が成り立ち、さらに G が可換群なら、(10-46)
により任意の ,
bÎG
(15-36c) (ab)n |
が成り立ちますが、負の整数 - n
(15-37) a |
と定義すれば、(15-36)
がすべての整数 n , m について成り立つことを証明しましょう。まず (15-37)
は、逆元を取ることにより、任意の整数 n に対して成り立つことに注意しておきます。
まず最初に + m ³ 0(15-36a)
が成り立つことを証明します。
もし < 0(15-36a)
の n に - n > 0 + m ³ 0 = a-nan+m(15-36a)
が得られます。
一方 < 0(15-36a)
の n に + m ³ 0- m > 0 = an+ma-m(15-36a)
が得られます。
次に + m < 0- n - m ³ 0-(
n+m)
= a-m-n = a-ma-n(15-36a)
が得られます。以上ですべての場合について (15-36a)
が成り立つことがわかりました。
次に (15-36b)
を証明するために、自然数 m に対して
(15-38) am |
が成り立つことを m に関する帰納法で示します。m が 0 なら明らかで、m で正しいとすると、(15-36a)
により -m-1 = a-ma-1 = (
a-1 )
ma-1 = (
a-1 )
m+1
さて、 < 0 ³ 0- n ³ 0(15-36b)
と (15-37),(15-38)
により -n m = (
a-n )
m = ((
an )
-1)
m = (
an )
-m(15-36b)
が証明されます。これで (15-36b)
は任意の整数 n と任意の自然数 m に対して証明されました。
次に < 0- m ³ 0-n m = (
an )
-m(15-36b)
が証明されます。以上ですべての場合に対して (15-36b)
が成り立つことがわかりました。
最後に (15-36c)
は、 < 0- n(15-36c)
の逆元を取れば明らかです。以上で (15-36)
の証明が完成しました。
さて、可換強環 R に対し、S を
(15-39) S |
で定義するとき、S は元を持つものとします(例えば R が乗法の単位元 で定義し、 さて、R が がいえることに注意します。
で定義すれば、明らかに交換律が成立します。また、結合律についても、
となるので成立します。また、任意に と定義すると、 で定義すると、明らかに交換律が成立します。また、結合律についても、
となるので成立します。また、任意に となるので成立します。
さらに ですから、i は強単射の強写像です。また、
ですから、i は環の準同型、したがって強準同型です。以上で、任意の可換強環 R は、 が成り立ちます。
R が さて、 となっていなければならないので一意性は明らかです。逆に存在を示すため、K 上の2項関係 以上で K は順序環であることがわかりました。順序環であるような体を順序体とよぶことにします。
そこで、整域 最後に まず また、自然数の場合の となる整数 k , r が唯一組存在します。
実際、 次に、任意の有理数 r は、ある正整数 m によって 有理数 1 を持てば 1ÎS です)。明らかに S は乗法に関して閉じています。
そこで、(a, b)
ÎR ´ S¹ を
(15-40) (a, b)
¹ (a', b') :º ab' ¹ a'b ´ Sq[R]
(a, b)
/b(15-40)
から明らかなように、関係 ¹ に関する「二重否定がもとと同値」「排中律が成り立つ」といった性質は R から q[R]
0 ¹ 1(15-39)
で º 1ÎS Þ a ¹ 0{ a
ÎR | a ¹ 0 } = { a
ÎR | a ¹ 0 }(14-76)
が成り立つ、すなわち R が整域であることです。
q[R]
まず、(14-73)
と (15-39)
から
(15-41) ( a
¹ b Ù cÎS ) Þ ( a - b ¹ 0 Ù cÎS ) Þ (a - b)c ¹ 0 Þ ac ¹ bc
まず最初に ¹ が不等号であることを証明しましょう。定義により Ø a/b ¹ a/b/b ¹ a'/b' Þ a'/b' ¹ a/b
また、/b ¹ a'/b'/b"Îq[
R]
¹ a'bÎS(15-41)
により ¹ a'bb"(8-33c)
により ¹ ab'b" ¹ a'bb"(14-65)
により ¹ ab" ¹ a'b"/b" ¹ a/b/b" ¹ a'/b'
次に、q[R]
(15-42) a
/b + c/d :º (ad + bc)/(bd)
(15-43) (a
/b + c/d) + e/f = (ad + bc)/(bd) + e/f = {(ad + bc)f + bde}/(bdf ) = {adf + b(cf + de)}/(bdf ) = a/b + (cf + de)/(df ) = a/b + (c/d + e/f )ÎS(a
/b + 0/s) = (as + b0)/(bs) = (as)/(bs) = bsa(as)
/(bs) = a/b0/s
次に、
(15-44)
- (a/b) :º (- a)/b(a
/b) + {- (a/b)} = (a/b) + (- a)/b = (ab - ba)/b² = 0/b² = 0(15-44)
は q[R]
/b
次に、q[R]
(15-45) (a
/b)(c/d) :º (ac)/(bd)
(15-46) {(a
/b)(c/d)}(e/f ) = {(ac)/(bd)}(e/f ) = (ace)/(bdf ) = (a/b){(ce)/(df )} = (a/b){(c/d)(e/f )}ÎS(a
/b)(s/s) = (as)/(bs) = a/b/s
最後に分配律についても、
(15-47) (a
/b + c/d)(e/f ) = {(ad + bc)/(bd)}(e/f ) = {(ad + bc)e}/(bdf ) = {(ad + bc)ef }/(bdff ) = {(ae)/(bf )} + {(ce)/(df )} = (a/b)(e/f ) + (c/d)(e/f )
あとは q[R]
¹ が (14-73)
と (14-74)
を満たすことを確かめれば十分です。
まず /b ¹ c/d ¹ bc(14-73)
が成り立つことから - bc ¹ 0(15-39)
を2度用いることにより (ad
bd - bc) ¹ 0/b - c/d = (ad
- bc)/(bd) ¹ 0/(bd) = 0
逆に /b - c/d ¹ 0(ad
bd - bc) ¹ 0(14-74)
により - bc ¹ 0(14-73)
により ¹ bc/b ¹ c/dq[R]
(14-73)
を満たすことがわかりました。
また、(a
/b)(c/d) = (ac)/(bd) ¹ 0 = 0/s なら ¹ 0(14-74)
により ¹ 0 ¹ 0/b ¹ 0/s = 0/d ¹ 0/s = 0q[R]
(14-74)
を満たすことを意味します。
以上で q[R]
q[R]
ÎS/b/a
また、ÎS :
R ® q[R]
(x)
º (xs)/s(14-73),(14-74)
と ²
ÎS
(15-48) (sx)
/s ¹ (sy)/s Û xs² ¹ ys² Û (x - y)s² ¹ 0 Û x - y ¹ 0 Û x ¹ y
(15-49a) i(a)
+ i(b) = (sa)/s + (sb)/s = (as² + bs²)/s² = {s(a + b)}/s = i(a + b)(15-49b) i(a)i(b)
= {(sa)/s}{(sb)/s} = (abs²)/s² = (sab)/s = i(ab)(15-39)
で定義される S の元がすべて乗法の逆元を持つような単位的可換強環 q[R]
/bÎq[R]
ÎR
(15-50) (a
/b)b = (a/b){(sb)/s} = (sab)/(sb) = a0 ¹ 10/1 ¹ 1/1,
bÎR ¹ 0/b ¹ 0 Û a/b ¹ 0/s Û sa ¹ 0 Û a ¹ 0 Û aÎS/b ¹ 0/a/bq[R]
q[R]
Ø 0 = 1(15-33b)
により = に対して排中律が成り立つので、不等号 ¹ を = の否定で定義することができます。また (15-33j)
の対偶を取ることにより R は整域であることがわかります。
ここで、0 ¹ 1 º q[R]
Ì K(15-32)
を満たす2項関係が唯一つ存在することを証明しましょう。
まず一意性ですが、/b ,
c/d ÎK(15-33k),(15-33l),(15-50)
により
(15-51) a
/b < c/d Û (a/b)b²d² < (c/d)b²d² Û abd² < cdb²/b < c/d²
< cdb²(15-32)
を満たすことを確かめていきましょう。
まず (15-32a)
ですが、R の大小関係が (15-32a)
を満たすことから、²
< cdb²
²
= cdb²
²
> cdb²
(15-33n)
により、2番目の式は = cb/b < c/d/b = c/d/b > c/d(15-32a)
が成り立っていることがわかります。
次に (15-32b)
ですが、/b < c/d/b = c/d²
< cdb²
= cb²
= cdb²
(15-32b)
に反します。
次に (15-32c)
ですが、/b < c/d/d < e/f²
< cdb²
²
< efd²
(15-33k),(15-33l)
により、前者の両辺に ²
²
²
f ²
< cdb²
f ²
²
b²
< efd²
b²
(15-32c)
を満たすことから ²
f ²
< efd²
b²
(15-33k),(15-33l)
を満たすことから ²
< efb²
/b < e/f
次に (15-32d)
ですが、/b < c/d²
< cdb²
/fÎK/b + e/f = (af
+ be)/(bf )/d + e/f = (cf
+ de)/(df )(af
+ be)bf(df )² = abd²f 4 + b²d²ef ³ < cdb²f 4 + b²d²ef ³ = (cf + de)df(bf )²(af
+ be)/(bf ) < (cf + de)/(df )
最後に (15-32e)
ですが、/b > 0/d > 00 を 0/1 > 0 > 0(15-32e)
により > 0(a
/b)(c/d) = (ac)/(bd) > 0Z
の商体を Q
と書いて有理数体とよび、Q
の元を有理数といいます。Q
は順序体です。また有理数を整数 ¹ 0/mZ
と Q
固有の性質について調べてみましょう。
Z
と Q
は可算集合です。
実際、任意の ÎN
= 2k + l( k, l
ÎN ; 0 £ l < 2 ) = 0 = 1- kN
から Z
への写像は N
から Z
の上への関数ですから、これは Z
が可算集合であることを示しています。
次に、任意の正の自然数 n に対し、集合 (n)
:º { k/n | kÎZ Ù |k| £ n² }2n²
+ 1 :º È{ Q(n) | n
ÎN , n > 0 }Q
の元が Q の元のどれかと同値であることを証明すれば、Q
が可算集合であることが証明されます。
任意の有理数 /p( p, q
ÎZ ; p ¹ 0 ) > 0|q|
= lp + r(
0 £ r < p ) :º (l
p+ 1)|q|
£ n/p = (qn)
/( pn)|qn|
= |q|n £ n² £ (np)²/p(np)
(12-1)
と同様に、n と ¹ 0
(15-52) n
= mk + r ( 0 £ r < | m | )(12-1)
により |n|
p= |m| + q(
0 £ q < |m| ) = mi + j(
- |m| < j < |m| ) ³ 0 :º i :º j < 0 :º j|m|
+ > 0 :º i - 1 < 0 :º i + 1(15-52)
が成り立ちます。
更に、m' と k' も (15-52)
を満たすとすれば、 + r = mk' + r'(k'
- k) = r - r' ¹ k'|m|
|m|
= k' = r' = n/m ¹ 0- 1 > 0
また、m と |n|
= ik = jk/m = (ik)
/( jk) = i/j
すなわち、分母が正の既約分数の全体 Q'
は Q
と同型で、しかも a = ba º b
ゆえに、今後は有理数体として、その同値関係が º であるものを採用することにします。このように約束しておくと、Q
から同値関係(不等号)を持つ集合への写像はすべて(強)関数となり、便利です。
a ¹ 0a の乗法の逆元を a の逆数といいます。有理数 a と、0 と異なる有理数 b の逆数の積を a/b
任意の有理数の組 a < bg :º (
a + b)/22g = a + b < b + b = 2b2 > 0g < b2g = a + b > a + a = 2ag > a