数学の基礎


18.閉集合と極限

 位相空間 X の部分集合 A に対し、A を元に持つフィルターの極限となりうる xÎX の全体を A閉包とよんで A と書き、その元を A接触点または集積点とよびます。特に閉包が自分自身と相等な集合を閉集合といいます。
 なお、閉包の定義で“極限”を“集積点”に変えても同じです。なぜなら A を元に持つフィルター Fx に集積すれば、F より細かく x に収束するフィルターが存在し、それは A を元に持つからです。
 xÎA ということは、x のすべての近傍と A を含むフィルターが存在するということですから、これは V (x)fil{A} が共終、すなわち x の任意の近傍が A と交わることと同値です。

 さて、内部に関する (17-12) に対応して、閉包は

(18-1a)  Æ = Æ

(18-1b)  A Ì A

(18-1c)  A Ì B  Þ  A Ì B

(18-1d)  =
A
= A
(18-1e)  _____
AÈB
É AÈB

を満たします。
 実際、(18-1a) は、空集合と交わる集合は存在しないので明らかです。

 また (18-1b) は、xÎA なら A は当然 x の近傍と交わるので明らかです。

 また (18-1c) は、A を元に持つフィルターは B も元に持ちますから明らかです。

 また (18-1d) は、xÎ=
A
なら、x の任意の近傍 U に対し、U°x の近傍なので、AU° は共通元 y を持ちますが、UÎV ( y) なので、A の定義により UA は交わります。U は任意ですから、再び A の定義により xÎA となります。
 また (18-1e) は、(18-1c) により、____
AÈB
É A
かつ ____
AÈB
É B
となるので明らかです(なお、直観主義論理なので逆向きの包含は証明できません)。

 特に、(18-1d) により、任意の集合の閉包は閉集合ですが、更に A Ì F となる任意の閉集合 F に対して A Ì F = F ですから、AA を含む最小の閉集合であることがわかります。

 次に閉集合の持つ性質を調べます。閉集合の全体を C と書くと、

(18-2a)  ( AÎC  Ù  A = B )  Þ  BÎ

(18-2b)  ÆÎC

(18-2c)  C ' Ì C  Þ  ÇC ' ÎC

が成り立ちます。実際、(18-2a) は、A = A と、(18-1c) による A = B により B = B となるので明らかです。
 また、(18-2b)(18-1a) により明らかです。
 また (18-2c) は、AÎC ' なら ÇC ' Ì A なので、A が閉集合であることと (18-1c) により、左辺の閉包は A = A に含まれ、A は任意ですから、ÇC ' は、閉包がそれ自身に含まれるので、閉集合であることがわかります。

 ちなみに開集合 O の補集合 FX \ O は閉集合です。実際、xÎF とすると、x の近傍は必ず F と交わりますが、もし xÎO と仮定すると Ox の近傍なので F = X \ O と交わらなければならず、矛盾します。よって xÏO すなわち xÎF となり、F Ì F がわかるので、F は閉集合です。

 また X のフィルター F の集積点の全体を と書くと、

(18-3)   = { xÎX | "AÎF : "UÎV (x) : UÇA ¹ Æ } = { xÎX | "AÎF : xÎA } = Ç{ A | AÎF }

が成り立ちます。(18-2c) により、特に は閉集合です。

 位相空間 X の部分集合 Y は、Y = X のとき稠密であるといい、特に稠密な可算集合が存在する位相空間は可分であるといいます。
 集合 X 上の可算個の可分な位相の上限位相は可分です。実際、位相 tn で稠密な可算集合 Sn に対し、È{ Sn | nÎN }{ tn | nÎN } の上限位相で稠密な可算部分集合です。
 このことから、元を持つ可分な位相空間の可算個の積 X :º ÕnÎN Xn は可分であることがわかります。
 実際、X から各 Xn への標準写像を pn とし、Xn で稠密な可算部分集合 Sn を取り、cnεx( xÎXn ) と置きます。
 このとき、任意の nÎN に対し、Qn{ xÎX | "m £ n : pm(x)ÎSm , "m > n : pm(x) = cm } と置けば、Qn は明らかに可算集合です。
 一方、 任意の xÎX の任意の近傍 U に対し、有限個の開集合 On (i)Ì Xn (i) ( i £ l ) が存在して xÎÇ pn (i)-(On (i) ) Ì U となります。
 そこで、nmax{ n(i) | i £ l } と置けば、On (i)Sn (i) は交わるので Qn ÇU ¹ Æ となり、従って QÈnÎN QnX で稠密な可算部分集合です。

 さて、次に Y を位相空間 X の稠密な部分集合、OX の開集合とすると、

(18-4)  _____
YÇO
= O

が成り立ちます。
 実際、YÇO Ì O ですから _____
YÇO
Ì O
は明らかです。
 逆に xÎO とすれば、x の任意の開近傍 U に対して OÇU ¹ Æ となり、この左辺は開集合ですから、その元 a を取ると、OÇUÎV (a) となりますが、Y = X ですから aÎY 、したがって YÇOÇU ¹ Æ となりますが、U は任意ですから、これは xÎ_____
YÇO
を意味し、O Ì _____
YÇO
が得られます。

 位相空間 X の部分集合 A に対し、A の補集合の内部を A外部とよんで Ae と書き、A の閉包と内部の差を A境界とよんで A と書きます:

(18-5a)  Ae (X \ A)°

(18-5b)  A A \ A° = AÇ (X \ A°)

 明らかに Ae は開集合で、A は2つの閉集合の共分として閉集合ですが、更に

(18-6a)  A Ì B  Þ  Be Ì Ae

(18-6b)  (AÈB)e = AeÇBe

(18-6c)  AeÇ A = Æ

(18-6d)  ( A )e = Ae

(18-6e)  (A)° = Æ

(18-6f)  ¶¶A = ¶A

が成り立ちます。
 実際、(18-6a) は、A Ì B なら (5-6g)CX としたものにより X \ B Ì X \ A となるので、これと (17-12c) により明らかです。

 また (18-6b) は、(5-6i)CX としたものにより、X \ (AÈB) = (X \ A)Ç(X \ B) となるので、これと (17-12e) により明らかです。

 また (18-6c) は、AeA と交わらない開集合なので、その補集合 X \ AeA を含む閉集合ですから A を含む、すなわち A Ì X \ Ae となるので明らかです。

 また (18-6d) は、A Ì A(18-6a) により ( A )e Ì Ae が得られ、逆に (18-6c) により Ae Ì X \ A で、左辺は開集合ですから Ae Ì ( X \ A )° = ( A )e となるので明らかです。

 また (18-6e) は、(A)° Ì A で、左辺は開集合ですから (A)° Ì A° となり、一方で (A)°Ç A° = Æ ですから、(A)° = Æ となります。
 また (18-6f) は、A は閉集合であることと (18-6e),(18-5b) により ¶¶A = __
A
\ (A)° = ¶A \ Æ = ¶
A
となって証明されました。

 さて、位相空間 X , Y に対し、写像 f : X ® Y は、x に収束する任意のフィルターの二重逆像(像でも同じ)が f(x)集積するとき x で擬連続であるといい、すべての点で擬連続なとき、単に擬連続であるということにします。なお、“x に収束する”を“x に集積する”に置き換えても意味は同じです。なぜなら Fx に集積すれば、F より細かく x に収束するフィルター G が存在し、f#Gf(x) に集積すれば f#Ff(x) に集積するからです。このことから特に、擬連続写像の合成写像も擬連続であることがわかります。また、明らかに連続写像は擬連続です。

 ここで閉包や閉集合の概念を用いて擬連続性を特徴付けてみましょう。f : X ® Y が擬連続であるための条件は、任意の AÎP (Y ) に対して

(18-7)  _____
 f -(A)
Ì  f -(A)

が成り立つことです。
 実際、f を擬連続と仮定し、左辺の任意の元 x を取ると、f -(A) を元に持ち x に収束するフィルター F が存在します。これは AÎf#F を意味しますが、f#Ff(x) に集積するので f(x)ÎA となり、x(18-7) の右辺に属します。
 逆に、任意の A に対して (18-7) を仮定し、x に収束する任意のフィルター F を取ります。任意に AÎf#F を取ると、f -(A)ÎF なので、x(18-7) の左辺に属します。よって (18-7) により f(x)ÎA すなわち f(x) の任意の近傍は A と交わることがわかります。A は任意ですから f#Ff(x) に集積することがわかり、f の擬連続性が導かれました。

 また、(18-7) は、任意の B Ì X に対し、

(18-8)  f [B] Ì  f [B]

が成り立つこととも同値です。
 実際、(18-7) を仮定し、Af [B] と置けば、B Ì f -(A) ですから、(18-7),(18-1c) により B Ì f -(A) すなわち f [B] Ì A となり、これは (18-8) に他なりません。
 逆に (18-8) を仮定し、Bf -(A) と置けば、f [B] Ì A ですから、(18-8),(18-1c) により f [B] Ì f [B] Ì A すなわち B Ì f -(A) となり、これは (18-7) に他なりません。

 さて、(18-7)A として特に閉集合 F を取れば、F = F ですから、f -(F) の閉包はそれ自身に含まれ、したがって閉集合です。逆に閉集合の逆像が常に閉集合なら、任意の A Ì Y に対して

(18-9)  _____
 f -(A)
Ì _____
 f -(A)
= f -(A)

となって (18-7) が成り立ちます。すなわち f が擬連続であるための条件は、閉集合の f による逆像が常に閉集合になることであることがわかりました。

 さて、集合 X と位相空間の族 { ( Xi , Vi ) | iÎI } および写像の族 {  fi : X ® Xi | iÎI } が与えられたとき、これらの写像により X に導入された位相を V とすると、X のフィルター FxÎX に収束するための条件は、すべての iÎI に対して fi#Ffi(x) に収束することです。
 実際、必要性は明らかですから十分性を証明します。条件から Vi( fi(x)) Ì f#iF すなわち ( fi#Vi)(x) Ì F が成り立ちますが、第9節の議論により、V{ fi#Vi | iÎI } の上限ですから、(17-33) により V (x) Ì F すなわち Fx に収束します。

 さて、F  と G がそれぞれ集合 X , Y の上の有限交叉的集合ならば F ÏG{ A ´ B | AÎF , BÎG } も明らかに有限交叉的です。
 ゆえに、VV ' がそれぞれ X , Y の位相ならば、X ´ Y における (x, y) の近傍系は、p : X ´ Y ® X , q : X ´ Y ® Y をそれぞれ標準写像とするとき、(17-32),(17-33) により、UÎV (x) , VÎV '( y) に対する p-(U )Çq-(V ) = U ´ V の生成するフィルターですから、fil(V (x)ÏV '( y)) に一致します。
 また、F 'F  より細かい X のフィルター、G'G より細かい Y のフィルターとすれば、F 'ÏG' は明らかに F ÏG より細かく、従って特に F  と G がそれぞれ xÎXyÎY に収束(集積)すれば、F ÏG(x, y) に収束(集積)することがわかります。

 次に、I可識な集合、すなわち "i, I : ( i º k  Ú Ø i º k ) を満たす集合とし、{ Xi | I }I を添字に持つ位相空間の族とし、各 I に対し、Xi の部分集合 Ai が与えられているものとします。このとき
 
(18-10)  
______
ÕI Ai = ÕI Ai

が成り立ちます。
 実際、{ Xi | I } の積を X とし、pi : X ® Xi を標準写像とするとき、pi-(Ai ) は閉集合の連続写像による逆像ですから閉、従って (18-2c) により、それらの共分である (18-10) 右辺も閉集合ですから、(18-10) の左辺は右辺に含まれます。
 逆に (18-10) 右辺の元 x を任意に取ると、x の任意の近傍 U に対し、I の有限部分集合 J{ k(i) | 0 £ i < n } と各 i < n に対する pk (i)(x)ÎXk (i) の近傍 Vi が存在して Ç{ pk (i)-(Vi) | i < n } Ì U となります。
 一方、I に対する条件により、各 I に対して J(i) { i < n | i º k(i) } は有限集合です。ゆえに、各 I に対し、V (i)Ç{ Vi | iÎJ(i) }Xi における pi(x) の近傍になりますが、仮定により pi(x)ÎAi なので、V (i)Ai は共通元 yi を持ちます。
 ゆえに pi( y) º yi となる yÎX を取れば、yÎÇ{ pi-(V (i) ) | I } = Ç{ pk (i)-(Vi) | i < n } Ì U かつ yÎÕI Ai ですから、U の任意性により、x(18-10) の左辺に属します。
 以上で (18-10) は証明されました。特に、I が2個の元からなる集合の場合は

(18-11)  _____
A ´ B
= A ´ B

となります。

 さて、X ´ Y のフィルター F  に対し、その X , Y への射影 p#(F ) , q#(F ) が生成するフィルターの一方が収束、他方が集積するならば、その収束(集積)点をそれぞれ x , y とすれば、F  は (x, y) に集積します。
 実際、どちらでも同じなので p#(F )x に収束、q#(F )y に集積するとします。
 このとき x の任意の近傍 Uy の任意の近傍 V を取ると、U ´ Y = p-(U )ÎF ですから、任意の AÎF に対し、AÇ(U ´ Y )ÎF なので、仮定により、これの q による像は V と交わります。すなわち (x', y')ÎAÇ(U ´ Y ) が存在して y'ÎV となりますが、これは AU ´ V が交わることを意味しています。

 このことから、位相空間 X , X' , Y , Y' に対し、写像 f : X ® X' , g : Y ® Y'一方が連続、他方が擬連続なら (x, y)ÎX ´ Y( f(x), f( y))ÎX' ´ Y' を対応させる写像 f ´ g は擬連続であることがわかります。
 実際、FX ´ Y の点 (x, y) に収束する X ´ Y の任意のフィルター、p : X ´ Y ® X , q : X ´ Y ® Y , p' : X' ´ Y' ® X' , q' : X' ´ Y' ® Y' を標準写像とします。このとき、p'#(( f ´ g)#(F )) = f#( p#(F ))q'#(( f ´ g)#(F )) = g#(q#(F )) はそれぞれ xy に、一方は収束、他方は集積するので、上で述べたことにより ( f ´ g)#(F )(x, y) に集積します。

 さて、同値関係を持ち、どんな収束フィルターの収束点もこの同値関係について唯一つであるような位相空間をHausdorff空間といいます。これは V (x)V ( y) が共終なら x = y であるような空間ということに他なりません。
 XHausdorff空間であるための必要十分条件は、X ² の対角集合 DX{(x, y)ÎX ² | x = y }X ² の閉集合であることです。
 実際、DX が閉で、X のフィルター Fxy に収束すれば、fil(F ÏF )DX と交わり、(x, y) に収束するので、(x, y)ÎDX = DX したがって x = y となります。
 逆に XHausdorff空間とし、(x, y)ÎDX なら、DX を元に持ち (x, y) に収束するフィルター F が存在します。すると、p : DX ® X を標準写像とするとき、フィルター F 'fil { p[AÇDX] | AÎF }x にも y にも収束しますから、仮定により x = y すなわち (x, y)ÎDX となります。

 これらの事実を使うと、位相空間 X , YHausdorff空間 Z および写像 f : X ® Z , g : Y ® Z が与えられ、fg の一方が連続、他方が擬連続なら、集合 F = { (x, y)ÎX ´ Y |  f(x) = g(y) }X ´ Y の閉集合であることがわかります。
 実際、ZHausdorff空間なので DZZ² の閉集合であり、f ´ g は擬連続ですから、閉集合の擬連続写像による逆像 F = ( f ´ g)-(DZ ) は閉集合です。
 特に Z º YgY の恒等写像とすれば、位相空間からHausdorff空間への擬連続写像 f : X ® Y のグラフ G( f ) {(x, y)ÎX ´ Y | y = f(x) }X ´ Y の閉集合であることがわかります。

 ところで、位相の圏から集合の圏への関手は極限保存関手でしたから、これと第8節の (8-5) により、位相空間の圏の (D)-図式 D の極限 L

(18-12)  L = Çu,vÎOD(u,v)ÇiÎHD(u,v){ xÎÕvÎODDv | (Di ° pu)(x) = pv(x) }

と表せるので、以上示してきたことにより、これは位相空間 ÕvÎODDv の閉部分空間であることがわかります。

 さて次に、位相の導入構造と閉集合の関係を調べます。位相空間 Y は、位相空間 X から写像 f : Y ® X によって導入された位相を持つものとすれば、任意の A Ì Y に対し、

(18-13)  A = f -( ____
 f [A]
)

が成り立ちます。
 実際、f は連続で、特に擬連続ですから、(18-8) により左辺は右辺に含まれるので、右辺が左辺に含まれることを証明すれば十分です。
 そこで任意に右辺の元 x を取ると、f(x)f [A] の閉包に属すので、xÎf -(O) となる X の任意の開集合 O を取ると、Of(x) の近傍なので f [A] と交わります。これは Af -(O) と交わることを意味し、O の任意性と (17-31) により、これは xÎA であることを意味しています。

 この (18-13) により、AY の閉集合であるためには、AX のある閉集合の f による逆像になることが必要十分であることがわかります。特にこれを位相空間 X の部分空間 Y の場合に適用すれば、Y の閉集合とは、X の閉集合 F の埋め込み写像 i : Y ® X による逆像 i-(F) = YÇF の形の集合のことであることがわかります。

 さて、位相空間から位相空間への写像は、任意の閉集合の像が閉集合になるとき閉写像といいます。f : X ® Y閉写像であるための必要十分条件は

(18-14)  "AÎP (X ) :  f [A] Ì  f [A]

が成り立つことです。
 実際、f が閉写像なら、右辺は f [A] を含む閉集合ですから f [A] の閉包を含みます。逆に (18-14) が成り立てば、特に A として閉集合を取れば、右辺は f [A] となり、これは自分自身の閉包を含み、従って一致するので閉集合となります。

 さて、位相空間 ( X, V ) に値を持つ族 (xi)iÎII 上のフィルター F が与えられたとき、{ { xi | iÎJ } | JÎF } は明らかに X のフィルター基底ですが、これが x に収束(集積)するとき、(xi)iÎIxÎX に収束(集積)するといい、特に収束の場合、xi ® x あるいは x = limiÎI xi などと書くことがあります。

 例えば不等号 ¹ を持つ位相空間 Z が、aÎZ のすべての近傍 V に対して V a{ xÎV | x ¹ a } ¹ Æ であるとき、IZaF{ V a | VÎV (a) } と置けば、これらは上記の条件を満たしますが、この場合、Z から位相空間 X への写像 f に対し、族 ( f(z))zÎIx に収束するとき x = limz®a f(z) と書きます。

 また、I有向集合、すなわち擬順序集合であって、任意の2元が共終:

(18-15)  "a, I : $gÎI : ( a £ g  Ù  b £ g )

であるとき、

(18-16)  F { { I | b ³ a } | I }

と置けば、F は明らかに I のフィルター基底になります。この F が生成するフィルターに対する (xa)aÎIx に収束するとき x = limaュ xa あるいは誤解のない場合は x = lim¥xa あるいは xa ® x ( a ® ¥ ) と書くことがあります。
 特に I が自然数の集合 N である場合、これを点列といいます。またこのときの (18-16) で定義された F(xa)aÎI による像が生成するフィルターを、この点列に伴うフィルターといいます。
 点列 f : N ® X に対して N から自分自身への単調増加な一対一写像 i (すなわち m < n  Þ  i(m) < i(n) )を合成した f ° i を、もとの点列の部分列といいます。明らかに、部分列に伴う点列フィルターは、もとの点列に伴う点列フィルターより細かいフィルターです。
 従って、収束する点列の部分列は収束し、集積する部分列を持つ点列は集積します。
 また X の各点の近傍系が可算基底を持てば、集積点 a を持つ点列は a に収束する部分列を持ちます。実際、点列 f : N ® Xa に集積したとします。V (a) = fil { Uk | kÎN } と書けますから、任意の k, nÎN に対して f(m)ÎÇ{ Ul | l £ k } となる m > n が存在します。ゆえに帰納法により、N からそれ自身への単調増加な一対一写像 i で、任意の kÎN に対して f(i(k))ÎÇ{ Ul | l £ k } となるものが存在します。これは、f の部分列 f ° ia に収束することを意味しています。

 さて、位相空間 X の部分集合 F は、F に含まれる収束点列の極限がすべて F に属すとき列的に閉であるといいます。
 明らかに閉集合は列的に閉ですが、X の各点の近傍系が可算基底を持てば、逆に列的に閉な F は閉集合です。
 なぜなら、F を元に持つフィルター FaÎF に収束すれば、V (a) の可算基底 { Un | nÎN }F に含まれるので、その有限個の交わりは F と交わります。ゆえに各 nÎN に対して anÎFÇÇ{ Ui | i £ n } を選べば、点列 { an | nÎN }a に収束し、F は列的に閉なので aÎF です。これは F が閉集合であることを示しています。

 また、位相空間 X から Y への写像 f は、aÎX に収束する任意の点列 { xn | nÎN } に対して点列 { f(xn ) | nÎN }f(a) に収束するとき、a列的に連続であるといい、すべての aÎX で列的に連続なとき、単に列的に連続であるといいます。もちろん( a で)連続なら( a で)列的に連続です。

 X , Y を位相空間とするとき、F Ì Y が列的に閉で、f : X ® Y が列的に連続なら f -(F ) は列的に閉です。実際、xnÎf -(F )a に収束すれば、f の列的連続性により、f(xn )ÎFf(a) に収束し、F は列的に閉なので f(a)ÎF すなわち aÎf -(F ) ですから f -(F ) は列的に閉です。
 このことから、X の各点の近傍系が可算基底を持てば、X から位相空間 Y への列的に連続な写像は擬連続であることがわかります。なぜなら任意に閉集合 F Ì Y を取ると、F は列的に閉ですから、その列的連続写像 f による逆像は列的に閉で、X の各点の近傍系が可算基底を持つのでこれは閉集合だからです。

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