数学の基礎


24.上限と下限

 前節の (23-14),(23-16a),(23-16b) によれば、R 上の二項関係 £R擬順序関係で、= はこの擬順序に伴う同値関係になっています。そこで、R の部分集合 A に対して

(24-1a)  "xÎA : x £ a

(24-1b)  "hÎR : { ( "xÎA : x £ h )  Þ  a £ h }

を満たす実数 a が存在するとき、これを A上限と呼んで sup A と書きます。(23-14) により、上限は存在すれば一意的です。また、(24-1b) のかわりに条件

(24-1b)'  "hÎR : (  h < a  Þ  $xÎA : h < x )

を満たすとき強い上限であるといい、s-sup A と書くことにします。(24-1b)' の対偶を取って (23-13) を用いることにより、強い上限は上限であることがわかり、特に、強い上限も存在すれば一意的です。
 同様に、R の部分集合 A に対して

(24-2a)  "xÎA : a £ x

(24-2b)  "hÎR : { ( "xÎA : h £ x )  Þ  h £ a }

を満たす実数 a が存在するとき、これを A下限と呼んで inf A と書き、(24-2b) のかわりに条件

(24-2b)'  "hÎR : ( a < h  Þ  $xÎA : x < h )

を満たすとき強い下限であるといい、s-inf A と書くことにします。(23-14) により、下限も存在すれば一意的です。(24-2b)' の対偶を取って (23-13) を用いることにより、強い下限は下限であることがわかり、特に、強い下限も存在すれば一意的です。

 一般に、(24-1a) を満たす実数 a のことを A上界といい、(24-2a) を満たす実数 a のことを A下界といいます。上限とは上界の最小値のことに、下限とは下界の最大値のことに他なりません。

 また、A に上界が存在するとき A上に有界であるといいます。同様に、A に下界が存在するとき A下に有界であるといいます。上に有界かつ下に有界なとき、単に有界であるといいます。

 さて、A を、元を持つ R可視的(第20節参照)な部分集合とします。このとき A上に有界なら強い上限が、下に有界なら強い下限が存在することを証明しましょう。
 実際、A Ì R は元を持ち、上に有界であるとし、A の元 a を取り、A の上界の一つに 1 を加えたものを b とします。
 A が可視的であることから、任意の自然数 n > 0 に対し、

(24-3)  "xÎR : ( ] x - 1/n, x + 1/n [ Ç A ¹ Æ   Ú   ] x - e, x + e [ Ç A = Æ )

が成り立つような実数 e > 0 が存在します。一方 (23-31) により、

(24-4)  a + (N - 1)e < b < a + (N + 1)e

となる整数 N が存在しますが、N < 0 すなわち N £ - 1 と仮定すると b < a + (N + 1)e £ a < b となって矛盾するので N ³ 0 です。そこで自然数 i £ N に対して xia + ie と置きます。
 このとき (24-3) により、各 i £ N に対して ] xi - 1/n, xi + 1/n [ Ç A ¹ Æ 又は ] xi - e, xi + e [ Ç A = Æ が成り立ちますから、i £ N に対して

(24-5)  f(i)εk[( ] xi - 1/n, xi + 1/n [ Ç A ¹ Æ  Ù  k = 0 )  Ú  ( ] xi - e, xi + e [ Ç A = Æ  Ù  k = 1 )]

と置けば、ε量化記号の性質により

(24-6a)  f(i) = 0  Þ  ] xi - 1/n, xi + 1/n [ Ç A ¹ Æ

(24-6b)  f(i) = 1  Þ  ] xi - e, xi + e [ Ç A = Æ

が成り立ち、I{ iÎN | i < Nf(i) = 0 } と置けば、I は判定可能な集合((11-38) 参照)です。しかも a Î A Ç ] x0 - e, x0 + e [ ですから (24-6b) の対偶により f(0) = 0 ですから I ¹ Æ がわかります。
 ゆえに I の最大値を l と書けば、] xl - 1/n, xl + 1/n [ Ç A ¹ Æ なので、n に対してその元の一つを対応させる写像を h とします:

(24-7)  hnεx( xÎ] xl - 1/n, xl + 1/n [ Ç A ) Î ] xl - 1/n, xl + 1/n [ Ç A       ( l max I )

 このとき

(24-8)  "zÎA : z £ hn + 1
—–
 n

が成り立つことを証明しましょう。まず、i > l については f(i) = 1 ですから ] xi - e, xi + e [ Ç A = Æ すなわち

(24-9)  ( $i > l : a + (i - 1)e < z < a + (i + 1)e )  Þ  zÏA

が成り立つことに注意します。
 さて、Az > hn + 1/n を満たすと仮定します。(24-7) により hn > xl - 1/n = a + le - 1/n ですから z > a + le となります。一方 (23-31) により

(24-10)  a + (i - 1)e < z < a + (i + 1)e

となる整数 i が存在します。ここで i < l と仮定すると z < a + le < z となって矛盾するので i ³ l ですが、i = l なら、z > a + le により、(24-10) は実は i = l + 1 に対しても成立します。よっていずれにせよ、ある i > l に対して (24-10) が成り立つので、(24-9) により A となって矛盾します。
 よって (23-13) により z £ hn + 1/n が得られ、A は任意でしたから (24-8) は証明されました。
 さて、hnÎA ですから、(24-8) により、特に

(24-11)  "m, nÎN : hm £ hn + 1
—–
 n

すなわち

(24-12)  "m, nÎN : hm - hn Î é
ë
- 1
—–
 m
, 1
—–
 n
ù
û

が成り立つので、h はコーシー列です。よって R の完備性により、h はある実数 a に収束します。この aA の強い上限になっていることを証明しましょう。
 まず (24-1a) を証明するため、任意に A を取り、z > a と仮定します。e :º (z - a)/2 > 0 と置けば、1/n ® 0 ですから 1/m < e となる自然数 m が存在します。また ha に収束するので hn - a < e となる自然数 n ³ m が存在します。ところがこのとき

(24-13)  hn + 1
—–
 n
< a + e + 1
—–
 m
< a + e + e = z

となって (24-8) に反します。ゆえに (23-13) によりz £ a が得られ、A は任意でしたから (24-1a) が成り立つことがわかります。
 次に (24-1b)' を示すため、任意に z < a を取ります。今度は e :º a - z > 0 と置くと、ha に収束するので a - hn < e となる自然数 n が存在します。このとき z = a - e < hnÎA ですから、これは (24-1b)' が成り立つことを意味しています。

 以上で R の元を持つ可視的で上に有界な集合は強い上限を持つことがわかりました。逆向きの順序を考えることにより、R の元を持つ可視的で下に有界な集合は強い下限を持つこともわかります。

 さて、R のプレコンパクト集合は有界です。
 実際、A Ì R をプレコンパクト集合とすると、R の有限集合 F が存在して A Ì F + ] - 1, 1 [ となります。一方、各 F に対し、x < n となる自然数 n が存在するので、F が有限集合であることから、帰納法により F < m となる自然数 m が存在することがわかります。これは m + 1A の上界になっていることを示していますから、A は上に有界です。不等号の向きを逆にすれば A は下に有界であることもわかります。

 第20節によりプレコンパクトなら可視的ですから、上述の結果により、元を持つ R のプレコンパクト集合は強い上限と強い下限を持ち、特に元を持つ有限集合は強い上限と強い下限を持つことがわかります。

 また、(24-1b)' により、aA の強い上限なら、任意の自然数 n に対し、a - 1/n < xn となる xnÎA が存在し、しかも (24-1a) により xn £ a ですから、aA 上のコーシー列 x の極限になります。ゆえに A が完備なら xA に極限 b を持ち、a = b となるので bA の強い上限になります。
 下限についても同様ですから、元を持つ R のコンパクト部分集合は最大値と最小値を持つことがわかりました(直観主義論理においては、R の有限部分集合は必ずしも完備であるとはいえず、従ってコンパクトであるとはいえないので、最大値や最小値も存在するとはいえないことに注意します)。

 ちなみに R の可視的な有界閉集合はコンパクトです。
 実際、可視的な有界閉集合は、ある実数の組 a < b に対する閉区間 [ a, b ] に含まれるので、第20節により、プレコンパクト集合の可視的部分集合としてプレコンパクトですが、完備空間の閉部分集合なので完備、従ってコンパクトです。

 また、2つの実数の上限と下限については

(24-14a)  ( x < a  Ù  x < b )  Û  x < inf {a, b}

(24-14b)  ( x > a  Ù  x > b )  Û  x > sup {a, b}

が成り立ちます。
 実際、下限の定義 (24-2a) により inf {a, b} £ a かつ inf {a, b} £ b ですから、(24-14a) の右辺から左辺が得られることは明らかです。
 逆に (24-14a) の左辺が成り立てば、(23-30) により x < r < a かつ x < s < b となる有理数 r , s が存在し、min {r, s} £ r < a かつ min {r, s} £ s < b となるので、下限の定義 (24-2b) により min {r, s} £ inf {a, b} となりますが、min {r, s} = r 又は min {r, s} = s ですから x < min {r, s} が成り立つので、これらを合わせれば x < min {r, s} £ inf {a, b} となって (24-14a) の右辺が得られます。
 順序の向きを逆にすれば、同様にして (24-14b) が得られます。

 また、上限と下限の定義 (24-1b),(24-2b) により

(24-15a)  ( x £ a  Ù  x £ b )  Û  x £ inf {a, b}

(24-15b)  ( x ³ a  Ù  x ³ b )  Û  x ³ sup {a, b}

が成り立ちます。
 更に、有限集合はプレコンパクトですから強い上限と強い下限を持つので、特に2つの実数 ab の上限と下限はそれぞれ実は強い上限と強い下限に一致します。ゆえに強い上限と強い下限の定義 (24-1b)',(24-2b)' により

(24-16a)  ( x > a  Ú  x > b )  Û  x > inf {a, b}

(24-16b)  ( x < a  Ú  x < b )  Û  x < sup {a, b}

が成り立ちます。
 次に、R の部分集合 A , B に対し、次の各等式の右辺に出てくる各上限・下限が存在すれば、左辺も存在して

(24-17a)  x > 0  Þ  sup (xA) = x sup A

(24-17b)  x > 0  Þ  inf (xA) = x inf A

(24-17c)  x < 0  Þ  sup (xA) = x inf A

(24-17d)  x < 0  Þ  inf (xA) = x sup A

(24-17e)  sup ( - A ) = - inf A

(24-17f)  inf ( - A ) = - sup A

(24-17g)  sup ( A + B ) = sup A + sup B

(24-17h)  inf ( A + B ) = inf A + inf B

(24-17i)  sup ( A - B ) = sup A - inf B

(24-17j)  inf ( A - B ) = inf A - sup B

(24-17k)  sup ( A + {a} ) = sup A + a

(24-17l)  inf ( A + {a} ) = inf A + a

(24-17m)  sup {a, b} + inf {a, b} = a + b

(24-17n)  sup ( A È B ) = sup {sup A , sup B}

(24-17o)  inf ( A È B ) = inf {inf A , inf B}

が成り立ちます。
 実際、(24-17a) については、a :º sup A と置くと、任意の xÎA に対し、(24-1a) により x £ a ですから、(23-24e) により xx £ xa となります。
 一方、(23-24a) により x-1 > 0 ですから、任意の xÎA に対して xx £ h なら (23-24e) により x £ h/x となるので、(24-1a) により a £ h/x となり、再度 (23-24e) により xa £ h が得られます。これは xaxA の上限であることを意味しています。

 また (24-17b) については、a :º inf A と置くと、任意の xÎA に対し、(24-2a) により x ³ a ですから、(23-24e) により xx ³ xa となります。
 一方、(23-24a) により x-1 > 0 ですから、任意の xÎA に対して xx ³ h なら (23-24e) により x ³ h/x となるので、(24-2a) により a ³ h/x となり、再度 (23-24e) により xa ³ h が得られます。これは xaxA の下限であることを意味しています。

 また、(24-17c) については、a :º inf A と置くと、任意の xÎA に対し、(24-2a) により x ³ a ですから、(23-24f) により xx £ xa となります。
 一方、(23-24b) により x-1 < 0 ですから、任意の xÎA に対して xx £ h なら (23-24f) により x ³ h/x となるので、(24-2a) により a ³ h/x となり、再度 (23-24f) により xa £ h が得られます。これは xax A の上限であることを意味しています。

 また、(24-17d) については、a :º sup A と置くと、任意の xÎA に対し、(24-1a) により x £ a ですから、(23-24f) により xx ³ xa となります。
 一方、(23-24b) により x-1 < 0 ですから、任意の xÎA に対して xx ³ h なら (23-24f) により x £ h/x となるので、(24-1a) により a £ h/x となり、再度 (23-24f) により xa ³ h が得られます。これは xax A の下限であることを意味しています。

 次に、(24-17e)(24-17f) は、それぞれ (24-17c)(24-17d)a = - 1 と置けば得られます。

 次に (24-17g) ですが、a :º sup A , b :º sup B と置くと、任意の xÎA , yÎB に対して (24-1a) により x £ a かつ y £ b となりますから、(23-17b) により x + y £ a + b が成り立ちます。
 一方、任意の xÎA , yÎB に対して x + y £ x となる任意の実数 x に対し、任意の yÎB に対して A + y £ x すなわち A £ x - y ですから、(24-1a) により a = sup A £ x - y すなわち y £ x - a となり、yÎB は任意ですから (24-1a) により b = sup B £ x - a すなわち a + b £ x となります。
 以上で a + bA + B の上限になっていることがわかりました。

 次に (24-17h) は、inf ( A + B ) = - sup ( - A - B ) = - { sup ( - A ) + sup ( - B ) } = - sup ( - A ) - sup ( - B ) = inf A + inf B となって証明されました。

 また (24-17i) は、sup ( A - B ) = sup A + sup ( - B ) = sup A - inf B となって証明されました。

 また (24-17j) は、inf ( A - B ) = inf A + inf ( - B ) = inf A - sup B となって証明されました。

 また (24-17k)(24-17l) は、それぞれ (24-17g)(24-17h)B{a} と置けば得られます。

 また (24-17m) は、(24-17e),(24-17l) により a + b - inf {a, b} = a + b + sup {- a, - b} = sup ({a + b - a, a + b - b}) = sup {a, b} ですから証明されました。

 次に (24-17n) ですが、a :º sup A , b :º sup B と置くと、(24-1a) により "xÎA : x £ a £ sup {a, b} かつ "xÎB : x £ b £ sup {a, b} となります。また、"xÎAÈB : x £ y なら "xÎA : x £ y かつ "xÎB : x £ y ですから a = sup A £ y かつ b = sup B £ y により sup {a, b} £ y が成り立つので証明されました。

 次の (24-17o) も同様です。

 また、A, B Ì R が共に強い上限を持てば、

(24-18a)  s-sup { inf {a, b} | A , B } = inf { s-sup A , s-sup B }

が成り立ちます。
 実際、任意の A , B に対し、inf {a, b} £ a £ s-sup A で、同様に inf {a, b} £ s-sup B ですから inf {a, b} £ inf { s-sup A , s-sup B } となります。
 ゆえにあとは、g < inf { s-sup A , s-sup B } ならば、g < inf {a, b} となる A , B が存在することを証明すれば十分です。
 まず (24-14a) により、g < s-sup A かつ g < s-sup B となるので、g < a かつ g < b となる AB が存在し、再び (24-14a) により g < inf {a, b} となります。

 同様に、A, B Ì R が共に強い下限を持てば、

(24-18b)  s-inf { sup {a, b} | A , B } = sup { s-inf A , s-inf B }

が成り立ちます。特にこれらを A{a} , B{b, g} の場合に適用すれば、

(24-19a)  sup { inf {a, b} , inf {a, g}} = inf {a, sup {b, g}}

(24-19b)  inf { sup {a, b} , sup {a, g}} = sup {a, inf {b, g}}

が得られます。

 さて、ここで実数 a絶対値 | a |

(24-20)  | a | sup {- a, a}

で定義します。このとき

(24-21a)  | a | ³ 0

(24-21b)  a ¹ 0  Û  | a | > 0

(24-21c)  a = 0  Û  | a | = 0  Û  | a | £ 0

(24-21d)  a < 0  Û  | a | ¹ a

(24-21e)  a > 0  Û  | a | ¹ - a

(24-21f)  a ³ 0  Û  | a | = a

(24-21g)  a £ 0  Û  | a | = - a

(24-21h)  | a | < b  Û  - b < a < b

(24-21i)  | a | £ b  Û  - b £ a £ b

(24-21j)  | a ± b | £ | a | + | b |

(24-21k)  | ab | = | a | | b |

(24-21l)  a ¹ 0  Þ  | a-1 | = | a |-1

(24-21m)  | a1 | + ¼ + | an | = 0  Û  a1 = ¼ = an = 0

が成り立ちます。
 実際、(24-21a) については、| a | = sup {- a, a} < 0 と仮定すると、(24-14b) により - a < 0 かつ a < 0 となり、この前者と (23-17f) から a > 0 が得られ、(23-15a) により矛盾しますから、(23-13) により | a | ³ 0 が得られます。

 次に (24-21b) ですが、(24-16b) により | a | = sup {- a, a} > 00 < - a  Ú  0 < a と同値ですが、(23-17f) により、これは 0 > a  Ú  0 < a とも同値であり、更にこれは (23-12) により a ¹ 0 と同値です。

 次に (24-21c) ですが、(24-21b) の対偶を取れば a = 0| a | £ 0 の同値性が得られ、更に (24-21a) により | a | £ 0| a | = 0 の同値性が得られます。

 次に (24-21d) ですが、まず (24-1a) により a £ sup {- a, a} が成り立つので、(23-16g) により a ¹ | a | = sup {- a, a}a < sup {- a, a} と同値です。ところがこれは (24-16b) により a < - a  Ú  a < a と同値で、この後者はありえず、前者すなわち 2a = a + a < 0 すなわち a < 0 と同値です。

 次に (24-21e) ですが、まず (24-1a) により - a £ sup {- a, a} が成り立つので、(23-16g) により - a ¹ | a | = sup {- a, a}- a < sup {- a, a} と同値です。ところがこれは (24-16b) により - a < - a  Ú  - a < a と同値で、この前者はありえず、後者すなわち 2a = a + a > 0 すなわち a > 0 と同値です。

 また、(24-21f)(24-21g) は、それぞれ (24-21d)(24-21e) の対偶から得られます。

 次に (24-21h) は、(24-14b) により sup {- a, a} = | a | < b  Û  ( - a < b  Ù  a < b )  Û  ( - b < a  Ù  a < b ) となるので明らかです。

 次に (24-21i) は、(24-15b) により sup {- a, a} = | a | £ b  Û  ( - a £ b  Ù  a £ b )  Û  ( - b £ a  Ù  a £ b ) となるので明らかです。

 次に (24-21j) は、(24-17g) により | a ± b | = sup {a ± b, - a ± b} £ sup {a + b, a - b, - a + b, - a - b} = sup {- a, a} + sup {- b, b} = | a | + | b | となって証明されました。

 次に (24-21k) を証明するために、| ab | ¹ | a | | b | と仮定し、更に a ¹ 0 と仮定し、更に b ¹ 0 と仮定します。このとき (23-12) により a > 0 又は a < 0 となり、b > 0 又は b < 0 となります。
 ここで a, b > 0 なら (23-24i) により ab > 0 なので (23-16g),(24-21f) により | ab | = ab = | a | | b | となります。
 また、a, b < 0 なら (23-24i) により ab > 0 なので (24-21f),(14-48),(23-16g),(24-21g) により | ab | = ab = (- a)(- b) = | a | | b | となります。
 また、a < 0 < b なら (23-24j) により ab < 0 なので (24-21g),(14-47a),(23-16g),(24-21f) により | ab | = - ab = (- a)b = | a | | b | となります。
 また、b < 0 < a の場合でも同様で、いずれにせよ仮定に反します。よって b = 0 が得られますが、| ab | = 0 = | a | | b | となり、再び仮定に反するので a = 0 が得られ、再度 | ab | = 0 = | a | | b | となり、仮定に反します。よって仮定 | ab | ¹ | a | | b | の否定が得られ、(24-21k) が得られます。

 また (24-21l) は、(24-21k)b :º a-1 と置き、| 1 | = 1 に注意すれば明らかです。

 最後に (24-21m) は、(24-21a)(23-17i)(24-21c)n に関する帰納法により明かです。

 さて、片開片閉区間を

(24-22a)  [ a, b [  :º  { R | a £ x < b }

(24-22b)  ] a, b ]  :º  { R | a < x £ b }

で定義すると、一般の区間の閉包について

(24-23a)  _______
] a, b [
 =  _______
[ a, b [
 =  _______
] a, b ]
 =  [ a, b ]       ( a < b )
(24-23b)  _______
] ¬, b [
 =  ] ¬, b ]
(24-23c)  _______
] a, ® [
 =  [ a, ® [

が成り立ちます。
 実際、閉区間は閉集合で、閉包を取る前の各区間を含みますから、閉区間が閉包を取った各区間を含むことは明らかです。
 逆に、[ a, b ] すなわち a £ x £ b と仮定すると、a - e < a £ x すなわち a < x + e で、しかも a < b ですから、(24-14a) により a < inf {x + e, b} となります。同様に、x £ b < b + e すなわち x - e < b で、しかも x - e < x + e ですから、(24-14a) により x - e < inf {x + e, b} となります。従って今度は (24-14b) により sup {a, x - e} < inf{x + e, b} となります。
 ゆえにこの両辺を加えて 2 で割った値を h と書けば、sup {a, x - e} < h < inf{x + e, b} となり、再び (24-14) により a < h < b かつ x - e < h < x + e すなわち h Î ] a, b [ Ç ] x - e, x + e [ ¹ Æ が成り立ちます。e は任意ですから、これは x は閉包を取る前の区間の閉包に属すことを意味していますから、(24-23a) は証明されました。
 残る (24-23b)(24-23c) は、上記の証明でそれぞれ sup {a, x - e}x - e に、あるいは inf {x + e, b}x + e に置き換えれば、これらの場合の証明になります。

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