|| · ||
は、
(28-2a) || 0 || = 0 |
(28-2b) || x + y || £ || x || + || y || ( xÎX ) |
(28-2c) || ax || = | a | || x || ( aÎK , xÎX ) |
を満たすとき、X 上のセミノルムといい、セミノルムの族 { || · ||l | lÎΛ }
が与えられた線形空間を局所凸空間といいます。局所凸空間で、
(28-3) dl(x, y) :º || x - y ||l ( lÎΛ ; x, yÎX ) |
と置けば、
(28-4a) dl(x, x) = || x - x ||l = || 0 || l = 0 |
(28-4b) dl(x, y) = || x - y ||l = || (- 1)( y - x) ||l = | - 1 | || y - x ||l = || y - x ||l = dl( y, x) |
(28-4c) dl(x, z) = || x - z ||l = || (x - y) + ( y - z) ||l £ || x - y ||l + || y = z ||l = dl(x, y) + dl( y, z) |
となるので、dl は X 上の距離になります。ゆえに、X を局所凸空間とみなすときは、X の不等号 ¹ を
(28-5) x ¹ y Û $lÎΛ : dl(x, y) > 0 Û $lÎΛ : || x - y || l > 0 |
で定義し、これに伴う同値関係 = を改めて
(28-6) x = y Û "lÎΛ : dl(x, y) = 0 Û "lÎΛ : || x - y || l = 0 |
で定義することにします。また、
(28-7a) dl(x + y, x' + y' ) = || (x + y) - (x' + y' ) ||l = || (x - x' ) + ( y - y' ) ||l £ || x - x' ||l + || y - y' ||l = dl(x, x' ) + dl( y, y' ) |
(28-7b) dl(ax, a'x' ) |
= || ax - a'x' || l |
|
= || (a - a' )x + a'(x - x' ) || l |
|
£ || (a - a' )x ||l + || a'(x - x' ) || l |
|
= | a - a' | || x ||l + | a' | || x - x' || l |
|
= | a - a' | || x ||l + | a' | dl(x, x' ) |
となるので、X の加法 x + y は X ´ X から X への一様連続写像であり、乗法 ax は R
´ X から X への連続写像であり、更にこの乗法は a 又は x を固定したとき、残りの変数に対して一様連続写像であることがわかります。
よって特に X は線形空間を代数系とみなしたときの位相代数系、すなわち位相線形空間になっていることがわかります。
局所凸空間を構成する各セミノルムは一様連続ですから、完備な付値体 K 上の局所凸空間 X の完備化 X
を考えると、これらのセミノルムも X
上の一様連続関数に拡張され、(28-3)
と第26節 (26-21)
直前の注意により、これらのセミノルムが X
の一様構造を定めます。従って特に、局所凸空間の完備化は局所凸空間です。
局所凸空間は、可算個のセミノルムの族 { || · ||n | nÎN }
が与えられ、かつ完備であるとき (F)-
空間といいます。また、唯一つのセミノルム || · ||
が与えらた局所凸空間をノルム空間といい、完備なノルム空間をBanach
空間といいます。これらの空間はすべて距離空間です。よって特に、ノルム空間の完備化はBanach
空間であり、ノルム空間 X がBanach
空間であるためには、任意のコーシー列が収束することが必要十分です。
さて、第26節 (26-21)
以下の議論を適用すると、局所凸空間 X の Λ は有向集合で、l £ l' なら | · |l £ | · |
l' となっていると仮定することができますが、X の完備化は、このような Λ の元を添字に持つBanach
空間族の、一様空間の圏における極限になっていることがわかります。
( S , U )
をプレコンパクト一様空間、X をセミノルムの族 { || · ||l | lÎΛ }
が与えられた K 上の局所凸空間とします。このとき S から X への一様連続写像の全体 C(S, X )
は、f,
gÎC(S, X )
と cÎK に対して
(28-8a) ( f + g)(s) :º f(s) + g(s) |
(28-8b) (cf )(s) :º c f(s) |
と定義することにより K 上の線形空間になりますが、各 fÎC(S, X )
と lÎΛ に対する集合 { || f(s) ||l | sÎS }
は、プレコンパクト集合の連続像ですから、プレコンパクト、従って
(28-9) || f ||Sl :º sup { || f(s) ||l | sÎS } |
は実数になり、しかもこれは明らかに (28-2)
を満たしますから、C(S, X )
はセミノルムの族 { || · ||Sl | lÎΛ }
を持つ局所凸空間になります。
( S' , U' )
をプレコンパクト一様空間とするとき、(20-16)
の同一視により (20-17)
が一様構造も含めて成り立ちますが、局所凸空間の場合は、更に
(28-10) || f ||S(S'l) = sup { || f (s) ||S'l | sÎS } = sup { || f(s, s' ) ||l | sÎS, s'ÎS' } = || f || S ´ S |
が成り立ちます。
次に局所凸空間から局所凸空間への連続線形写像の特徴付けを行います。なお、付値体 K の絶対値が Q
Ì K の上では実数の絶対値と一致しているものとします。
このとき、セミノルムの族 { || · ||l | lÎΛ }
が与えられた K 上の局所凸空間 X からセミノルムの族 { || · ||m | mÎM }
が与えられた K 上の局所凸空間 Y への線形写像 f が連続であるための必要十分条件は、任意の mÎM に対して、Λ の有限部分集合 Λ' = { l1 ,¼, lk }
と C > 0 が存在して
(28-11) xÎE Þ || f(x) ||m £ C ålÎΛ' || x || l |
となることです。
実際、(28-11)
が成り立てば、任意の e > 0 に対して d :º e/(kC)
と置くと、"lÎΛ' : || x ||
l £ d なら || f(x) ||
m £ Ckd = e となり、f は原点で連続、従って第22節で示したように、至るところ連続です。
逆に f が連続ならば、"lÎΛ' : || x ||
l £ d なら || f(x) ||
m £ 1 となるような Λ' = { l1 ,¼, lk }
Ì Λ と d > 0 が存在するので C :º 2/d と置きます。
まず最初に、任意の x ¹ 0 を取ります。ここで d / 2 £ r £ d かつ q :º r / ålÎΛ' || x ||
l が有理数になるような実数 r を取って z :º qx と置けば、各 lÎΛ' に対して || z ||
l £ d なので || f(z) ||
m £ 1 となり、セミノルムの性質と f の線形性により || f(x) ||m £ 1 / q = ålÎΛ' || x ||l / r £ (2/d) ålÎΛ' || x ||
l となって (28-11)
が得られます。
次に、任意の xÎE を取り
(28-12) || f(x) ||m > C ålÎΛ' || x || l |
と仮定すると、更に x ¹ 0 と仮定すれば (28-11)
が得られて (28-12)
と矛盾するので x = 0 が得られますが、今度はこれが (28-12)
と矛盾します。以上により、仮定 (28-12)
の否定、すなわち (28-11)
が証明されました。
さて、ノルム空間の列 { xn | nÎN }
Ì X は、それの部分和:
(28-13) sk :º ån £ k xn :º |
k å n=1 |
xn |
によって定義される数列 { sn | nÎN }
Ì X の収束性を論じるとき級数といいます。級数 { xn | nÎN }
Ì X は、それの部分和が作る数列がある s に収束するとき s に収束するといい、その極限を
(28-14) ån xn :º |
¥ å n=1 |
xn |
と書いて、級数の和といいます。
今後、(28-13)
や (28-14)
のような略記法は lim
や Ç や È についても用いることとし、例えば n ® ¥ のときの点列 { an | nÎN }
の極限を lim
n an と書き、Ç{ An | nÎN }
と È{ An | nÎN }
のことを、それぞれ Çn An , Èn An と書きます。
級数 { xn | nÎN }
が収束すれば、これを点列とみなしたものは 0 に収束します。なぜなら部分和の作る列 (28-13)
に対して xn = sn - sn-1 が成り立ち、n ® ¥ とすれば、右辺は 0 となるからです。
R
は、絶対値をノルムとみなすことによりBanach
空間と考えることができますが、級数 { xn | nÎN }
Ì X は、そのノルムを取って得られる級数 { || xn || | nÎN }
が R
の収束級数であるとき絶対収束するといいます。
X がBanach
空間のとき、絶対収束する級数は収束します。
実際、{ xn | nÎN }
Ì X が絶対収束するものとし、その部分和が作る数列を { sn | nÎN }
Ì X と書き、{ || xn || | nÎN } Ì R
の部分和が作る数列を { an | nÎN }
と書けば、k < l のとき
(28-15) sl - sk = åk < n £ l xn :º |
l å n=k+1 |
xn |
ですから
(28-16) || sl - sk || £ åk < n £ l || xn || = al - ak = | al - ak | |
となるので、{ an | nÎN }
が収束列なら { sn | nÎN }
はコーシー列であることがわかり、X は完備ですから収束します。またノルムの連続性により
(28-17) || ån xn || = lim k || ån £ k xn || £ lim k ån £ k || xn || = ån || xn || |
が成り立ちます。
逆に、ノルム空間は任意の絶対収束級数が収束すればBanach
空間です。
実際、{ zn | nÎN }
を X の任意のコーシー列とします。任意の kÎN
に対して
(28-18) "i, j ³ nk : || zi - zj || < 2-k
|
となる nk が存在します。ここで nk+1 > nk と仮定することができるので、x0 º zn0 , xk º znk - znk-1 ( k ³ 1 )
と置けば、
(28-19a) "kÎN : || xk+1 || < 2-k |
(28-19b) ån £ k xn = znk |
が成り立ちます。(28-19a)
により { xn | nÎN }
は絶対収束級数ですから、仮定によりある zÎX に収束します:
ゆえに (28-19b)
と (28-20)
により
(28-21) z - znk = ån xn - ån £ k xn = ån > k xn |
ですから、(28-17)
により
(28-22) || z - znk || £ ån > k || xn || £ ån > k 2-n+1 = 2-k+1 ® 0 ( k ® ¥ ) |
すなわち { znk | nÎN }
は z に収束し、この点列が生成するフィルターより粗いフィルターを生成する点列 { zn | nÎN }
は z に集積しますが、これはコーシー列なので実は z に収束します。以上で X がBanach
空間であることが証明されました。
級数 { xn | nÎN }
Ì X に対し、すべての nÎN
に対して || xn || £ || zn ||
となっている級数 { zn | nÎN }
Ì X を優級数といいます。級数は、絶対収束する優級数を持てば絶対収束します。
実際、{ xn | nÎN }
と { zn | nÎN }
のノルムを取って得られる級数の部分和が作る数列をそれぞれ { an | nÎN }
及び { bn | nÎN }
とすると、k < l のとき
(28-23) | al - ak | = al - ak = åk < n £ l || xn || £ åk < n £ l || zn || = bl - bk = | bl - bk | |
ですから { bn | nÎN }
が収束列なので { an | nÎN }
はコーシー列、従って収束します。
次に、収束する絶対収束級数 { xn | nÎN }
Ì X は、和の順序によらず同じ値を取る、すなわち s : N ® N
を全単射とするとき、{ xs(n) | nÎN }
も絶対収束級数で、もとの級数の和に収束することを証明しましょう。
任意の e > 0 に対し、kÎN
が存在して
(28-24) ån > k || xn || £ e |
そこで、l :º max { iÎN | 0 £ s(i) £ k }
と置けば、n > l Þ s(n)
> k ですから、l < i < j なら
(28-25) åi < n £ j || xs(n) || £ ån > k || xn || £ e |
よって { xs(n) | nÎN }
の絶対値が作る級数は R
のコーシー列になるので収束し、従って { xs(n) | nÎN }
は絶対収束します。また
と置くと、任意の i > l に対して I(i) :º { s(n) | 0 £ n £ i } \ {1, 2 ,¼, k }
と置くと、n > I(i)
Þ n > k ですから
(28-27) s - ån £ i xs(n) = s - ån £ k xn - ånÎI(i) xn = ån > k xn - ånÎI(i) xn |
ゆえに
(28-28) || s - ån £ i xs(n) || £ ån > k || xn || + ånÎI(i) || xn || £ 2 ån > k || xn || £ 2e |
となり、これは級数 { xs(n) | nÎN }
も s に収束することを意味しています。
このことから、N
と一対一対応がつく集合 I を添字に持つ族 { xi | iÎI }
Ì X に対し、全単射 j : N
® I に対するノルムの和:
(28-29) |
å iÎI |
|| xi || :º |
¥ å n=1 |
|| xj(n) || |
が収束するという性質と、その和の値は j の取り方によらず定まるので、この和が収束するとき { xi | iÎI }
を絶対収束級数といいます。このとき
(28-30) |
å iÎI |
xi :º |
¥ å n=1 |
xj(n)
|
も j の取り方に依存せず、共通の値に収束するので、これを { xi | iÎI }
の和といいます。
各自然数 n に対し、{ xnk | kÎN }
が絶対収束級数で、
(28-31) an :º åk || xnk || |
と置いたとき { an | nÎN }
が収束級数になっているものとします。このとき { xnk | n, kÎN }
は絶対収束級数で、
(28-32) ån an = ånk || xnk || |
が成り立ち、{ åk xnk | nÎN }
も絶対収束級数で、
(28-33) ån åk xnk = ånk xnk |
が成り立ちます。
実際、任意の e > 0 に対して
(28-34) 0 £ ån an - ån £ N an £ |
e 2 |
となる自然数 N が存在し、各 n £ N に対して
(28-35) 0 £ an - åk £ Kn || xnk || £ |
e 2N |
となる自然数 Kn が存在するので、I :º { (n, k)ÎN² | n £ N , k £ Kn }
と置けば、I は有限集合で、
(28-36) 0 £ ån an - å(n,k)ÎI || xnk || £ e |
となり、任意の全単射 j : N
® N²
に対し、十分大きな n に対して j[{0, 1 ,¼, n}]
É I となるので、(28-32)
が得られます。(28-33)
も同様に証明できます。
さて、以上の結果を (27-7)
の級数:
(28-37a) - 1 < r < 1 Þ |
1 1 - r |
= |
¥ å n = 0 |
rn |
に応用してみましょう。実数の乗法は連続ですから、両辺を2乗すれば
(28-37b) - 1 < r < 1 Þ |
1
(1 - r)² |
= |
¥ å n = 0 |
rn |
¥ å m = 0 |
rm = |
¥ å n, m = 0 |
rn+m = |
¥ å k = 0 |
k
å m = 0 |
rk = |
¥ å k = 0 |
(k + 1) rk = |
¥ å n = 1 |
nrn-1 |
が得られます。
ただし、添字を n から k :º n + m に変え、絶対収束することから二重和の順序が入れ替えられるので、m に関する和を先に取りました。
さて、X を付値体 K 上のBanach
空間とするとき、{ an | nÎN }
Ì X と zÎK に対する級数の和:
を z の冪級数とよび、ån ||
an ||
rn が収束するような実数 r ³ 0 の全体を R と置いて、
で定義される拡張実数を冪級数 (28-38)
の収束半径といいます。
zÎK が | z |
< r を満たせば | z |
ÎR ですから (28-38)
の右辺は絶対収束します。
逆に zÎK で (28-38)
が収束すれば | z |
£ r です。
実際、点列 { an zn | nÎN }
は 0 に収束するので
(28-40) $kÎN : "n ³ k : || an || | z |n = || an zn || £ 1 |
が成り立ちます。ところで一般に
(28-41) [ ( $kÎN : "n ³ k : || an || R n £ 1 ) Ù 0 £ r < R ] Þ rÎR |
が成り立ちます。実際、n ³ k なら || an || rn £ (r/R)
n で、
(28-42) ån < k || an || rn + ån ³ k (r/R)n = ån < k || an || rn + (r/R)k ån (r/R)n = ån < k || an || rn + |
(r/R)k
1 - (r/R) |
ですから、級数 { || an || rn | nÎN }
は、収束する優級数 { || a0 || , || a1 || r , || a2 || r² , ¼ , || ak-1 || rk-1 , (r/R)k , (r/R)k+1 , ¼ }
を持つので絶対収束し、これは rÎR を意味するので、(28-41)
は証明されました。
ゆえに、(28-40),(28-41)
により、任意の r < | z |
に対して rÎR となることがわかり、これは | z | £ sup
R = r を意味します。
次に冪級数 (28-38)
の収束半径と係数 an の関係を調べるため、拡張実数 g を
(28-43) g :º limsupn || an ||1/n |
で定義します。このとき、r と g は互いに“逆数”の関係にある、正確に言えば
(28-44) "rÎQ++ : [ rÎr - Û r-1Îg + ] |
が成り立ちます。実際、
(28-45) r -1Îg + |
Û r-1 > g = infk supn ³ k || an ||1/n |
|
Û $kÎN : r-1 > supn ³ k || an ||1/n |
|
Û $kÎN : $R > r : R -1 ³ supn ³ k || an ||1/n |
|
Û $kÎN : $R > r : "n ³ k : R -1 ³ || an ||1/n |
|
Û $kÎN : $R > r : "n ³ k : || an || R n £ 1 |
となりますが、この最後の条件が成り立てば、r < r' < R となるような実数 r' を取ると、(28-41)
により r'ÎR すなわち r' £ sup
R = r すなわち r < r となるので rÎr - がわかります。
逆に rÎr - なら、RÎr - となる実数 R > r が存在し、R < r = sup
R となるので RÎR となり、点列 { || an || R n | nÎN }
は 0 に収束するので (28-45)
の最下段の条件は明らかに成り立ちます。以上で (28-44)
は証明されました。
さて、もし極限:
(28-46) g :º lim n |
|| an+1 || || an || |
ÎR |
が存在するときは g = g が成り立つことを証明しましょう。
実際、任意の e > 0 に対して kÎN
が存在して、任意の n ³ k に対して
(28-47) sup { g - e , 0 } £ |
|| an+1 || || an || |
£ g + e |
が成り立つので、順次辺々掛けていけば
(28-48) ( sup { g - e , 0 } ) n-k £ |
|| an || || ak || |
£ (g + e) n-k |
ここで g > e か g < 2e かで場合分けをします。
前者の場合は、両辺に || ak ||
を掛けてn乗根を取れば、ある正実数 A , B によって
(28-49a) A1/n (g - e) £ || an ||1/n £ B1/n (g + e) |
となり、後者の場合は、ある正実数 B により
(28-49b) g - 2e < 0 £ || an ||1/n £ B1/n (g + e) |
となります。ところで (27-11b)
で a に A /
n を代入してn乗根を取れば、
また、この式で A を A-1 に置き換えてから逆数を取れば、
(28-50b) A1/ n ³ |
æ è |
1 + |
A-1 n |
ö ø |
-1
|
が得られ、これは limn A1/n
= 1 が成り立つことを示しています。B についても同様ですから、(28-49)
により、十分大きな任意の n に対して
(28-51) g - 2e £ || an || 1/ n £ g + 2e |
が成り立ちます。e > 0 は任意ですから、これは
(28-52) limn || an || 1/ n = g |
が成り立つ、すなわち g = g となることを意味しています。
ところで一般に p+ = ( p- )e
が成り立つ拡張実数 p を下半拡張実数とよべば、上半拡張実数の場合と同様に(第25節参照)、実数は下半拡張実数であり、かつ下半拡張実数は上限を取る操作について閉じていますから、r は下半拡張実数です。
一方、g がある実数 g に等しい場合は、g + = { qÎQ | q > g }
ですから、更に g > 0 なら r - = { qÎQ | q < g-1 }
となり、r + = (r - )e = { qÎQ | q > g-1 }
となって r = g-1 が成り立つ、言い換えると収束半径は実数で、(28-43)
の逆数であることがわかります。
また、g = 0 の場合は、r - は全ての正有理数を含み、従って r = ¥ であることがわかります。