数学の基礎


34.測度

 F(S) の元は、その取りうる値が 01 のみであるとき特性写像といいます。特性写像 A は、s = 1, 0 に対する As{ xÎS | A(x) = s } のみによって定まるので、A¹A内成分AºA外成分とよび、A = ( A¹, Aº ) とも書くことにします。
 A , B が特性写像なら、明らかに AB = A Ù BA Ú B も特性写像ですが、{ Cn | n £ k } を特性写像の族とするとき

(34-1a)  A \ B A(1 - B)

(34-1b)  A \ n £ k CnA Õn £ k(1 - Cn )

も特性写像です。また、特性写像の列 { Cn | nÎN } に対し、limk (A \ n £ k Cn )(x) が存在するような x を定義域とし、この極限値を取る写像を A \ n Cn と書きます。これも明らかに特性写像です。
 また、特性写像 A に対し、(定数写像を含む)F(S) の元 jD(A) への制限を jA と書き、A が写像として B の拡張となっているとき B Ì A と書くことにします。
 特性写像 AB に対し、明らかに

(34-2a)  AB Ì 0  Û  A¹ÇB¹ = Æ  Û  A \ B = A(1 - B) = A - AB Ì A  Û  B \ A Ì B

(34-2b)  A \ B Ì 0  Û  A¹ÇBº = Æ  Û  A £ B

が成り立ちます。(34-2a) の条件が成り立つとき、AB互いに素であるといいます。更に、特性写像の族 { Ci | i £ k } は、i ¹ j に対して CiCj が互いに素であるとき互いに素であるといい、このとき åi £ k Ci = Úi £ k Ci が成り立ち、これも特性写像です。

 さて、特性写像からなる F(S) の部分集合 Ω で、

(34-3)  A, BÎΩ  Þ  A \ BÎΩ

を満たすものが与えられたとします。このとき AB = A - A + AB = A{1 - A(1 - B)} = A \ (A \ B)ÎΩ となりますが、

(34-4a)  A, BÎΩ  Þ  m(A) = m(AB) + m(A \ B)

(34-4b)  $AÎΩ : m(A) > 0

(34-4c)  AÎΩ , { An | nÎN }Ì Ω , ån m(An ) < m(A)  Þ  (A \ n An ¹ Æ

を満たす関数 m : Ω ® R+Ω 上の測度といいます。

 さて、(34-3) とその直後に示したことにより

(34-5a)  A, BÎΩ  Þ  ABÎΩ

(34-5b)  AÎΩ  Þ  0A = A \ AÎΩ

(34-5c)  A, BÎΩ  Þ  BA = B \ 0AÎΩ

が成り立ちます。ゆえに (34-4a)BA を代入すれば、AA = AA \ A = 0A により m(A) = m(A) + m(0A ) となるので

(34-6)  AÎΩ  Þ  m(0A ) = 0

が得られます。ゆえに (34-4c)An :º 0A の場合に適用すれば、A \ n An = A なので

(34-7)  m(A) > 0  Þ  A¹ ¹ Æ

が成り立つことがわかります。また、B Ì A ならば、AB = B , A \ B = 0B(34-4a) により m(A) = m(B) + m(0B ) となるので、(34-6) により

(34-8)  A, BÎΩ , B Ì A  Þ  m(A) = m(B)

が得られます。また { Ci | 0 £ i £ l }Ì Ω互いに素なら

(34-9a)  A \ i £ k Ci = A \ åi £ k CiÎΩ

(34-9b)  m(A) = åi £ k m(ACi ) + m(A \ i £ k Ci )

が成り立ちます。
 実際、D-1A 及び DkA \ i £ k Ci ( 0 £ k £ l ) と置くと、Dk = Dk-1 \ Ck ( 0 £ k £ l ) となるので、帰納法により DkÎΩ がわかります。
 また i < k なら互いに素の仮定により CiCk Ì 0 なので、Dk-1 = A \ åi £ k-1 Ci と仮定すると

(34-10)  Dk = Dk-1 \ Ck = A(1 - åi £ k-1 Ci )(1 - Ck ) = A(1 - åi £ k-1 Ci - Ck + åi £ k-1 CiCk ) = A(1 - åi £ kCi ) = A \ åi £ kCi

となるので、帰納法により (34-9a) の等式が得られます。
 また、i < k なら互いに素の仮定と (34-2a) により Ck \ Ci Ì Ck なので、Dk-1Ck = A(Ck \ i < k Ci ) Ì ACk となり、これと Dk-1 \ Ck = Dk(34-4a),(34-8) により、k ³ 1 ならば

(34-11)  m(Dk-1 ) = m(Dk-1Ck ) + m(Dk-1 \ Ck ) = m(ACk ) + m(Dk )

が成り立ち、しかも (34-11)k = 0 でも成り立ちます。よって (34-11) から (34-9b) が順次得られます。

 さて、{ ai | 0 £ i £ n } Ì R{ Ai | 0 £ i £ n } Ì Ω に対して { 0, 1 ,¼, n } から { 0, 1 } への写像のうち恒等的に 0 でないものの全体を Bn と書くことにし、各 Bns = 0, 1 に対して ss{ i £ n | s(i) = s } と置き、

(34-12a)  As ( ÕiÎs¹ Ai ) \ iÎsº Ai

(34-12b)  asåiÎs¹ ai

と置くと、s, Bn のとき

(34-13a)  D(As ) = Çi £ nD(Ai )

(34-13b)  AsÎΩ

(34-13c)  As(x) = 1  Û  "i £ n : Ai(x) = s(i)

(34-13d)  s ¹ t  Þ  As At Ì 0

(34-13e)  [ xÎÇi £ nD(Ai ) , $i £ n : Ai(x) = 1 ]  Û  $sÎBn : As(x) = 1

(34-13f)  "i £ n : Ai(x) = 0  Û  "sÎBn : As(x) = 0

(34-13g)  BÎΩ  Þ  B \ i £ n Ai = B \ Bn As

(34-13h)  åi £ n ai Ai = åBn as As

が成り立ちます。
 実際、まず (34-13a) は定義から明らかです。
 また、(34-13b) は、ss が有限集合であることと (34-5a),(34-3) から明らかです。
 また (34-13c) は、(34-12a) により、As(x) = 1 と、"iÎs¹ : Ai(x) = 1 かつ "iÎsº : Ai(x) = 0 であることが同値であることから明らかです。
 また (34-13d) は、s(i) ¹ t(i) となる i を取り、どちらでも同じなので s(i) = 1 , t(i) = 0 と仮定すると、(34-13c) により、As(x) = 1 なら Ai(x) = 1 であり、At(x) = 1 なら Ai(x) = 0 であることから、AsAt が同時に 1 となることはあり得ないので明らかです。
 また (34-13e) は、左辺を仮定し、各 i £ n に対して s(i) Ai(x) と置くと、s(i) = 1 となる i が存在するので Bn となり、(34-13c) により As(x) = 1 となって右辺が得られます。逆に右辺を仮定すると、(34-13a),(34-13c) と、Bn の定義より s(i) = 1 となる i が存在することから左辺が得られます。
 また (34-13f) は、xÎÇi £ nD(Ai ) を仮定して (34-13e) の対偶を取ると (34-13f) が得られますが、(34-13f) は左辺、右辺のいずれを仮定しても (34-13a) により xÎÇi £ nD(Ai ) が導かれるので、仮定なしで (34-13f) が得られます。
 また (34-13g) は、(34-13a) により両辺の定義域は一致し、いずれも特性写像ですから、両辺の定義域に属す x で左辺が 1 となることと右辺が 1 となることが同値であることを示せば十分です。ところがこれは、B(x) = 1(34-13f) の左辺又は右辺が成り立つことと同値ですから、(34-13f) により明らかです。
 最後に (34-13h) は、まず (34-13a) により両辺の定義域は一致しますが、その定義域に属す x を任意に取ると、(34-13d),(34-2a) により As(x) = 1 となる Bn が唯一つ存在するか、又はすべての Bn に対して As(x) = 0 となります。
 前者の場合、(34-13h)x における両辺の値は、左辺は (34-13c) により、右辺は (34-13d) により、共に as となることがわかります。
 また後者の場合は、(34-13f) により (34-13h)x における値は両辺共に 0 となります。以上により (34-13h) は証明されました。

 さて、ある { ai | 0 £ i £ n }Ì R{ Ai | 0 £ i £ n }Ì Ω によって (34-13h) の左辺の形に表される写像のことを、Ω の元による階段写像といい、その全体を ΦΩ と書くことにします。明らかに

(34-14)  Ω Ì ΦΩ

が成り立ちます。さて、

(34-15)  åi £ n ai m(Ai ) = åBn as m(As )

が成り立つことを n に関する帰納法で証明しましょう。
 まず n = 0 のときは明らかです。次に n - 1 まで正しいとすると、帰納法の仮定と (34-4a),(34-9b),(34-13g),(34-12a) により

(34-16)  åi £ n ai m(Ai ) = ås'ÎBn-1as' m(As' ) + an m(An )

= ås'ÎBn-1as' { m(As' An ) + m(As' \ An ) } + an { ås'ÎBn-1 m(An As' ) + m(An \ s'ÎBn-1As' ) }

= ås'ÎBn-1 (as' + an ) m(As' An ) + ås'ÎBn-1as' m(As' \ An ) + an m(An \ i £ n-1 Ai )

= åBn as m(As )

となって帰納法が完成しました。

 さてここで、ΦΩ(32-5) の各条件を満たすことと、m の拡張となっているような ΦΩ 上の積分 Im が唯一つ存在することを証明しましょう。
 まず、ΦΩ(32-5a),(32-5b) を満たすことは ΦΩ の定義から明らかです。
 次に、任意の ΦΩ(34-13h) 右辺の形に表せば、(34-13d) により

(34-17)  j Ù c = åBn (as Ù c) cAs

となり、Bn は有限集合で、(34-17) の右辺は (34-13h) の左辺の形をしており、j Ù cÎΦΩ すなわち (32-5c) が成り立っています。以上で ΦΩ(32-5) の条件をすべて満たすことがわかりました。

 次に、2つの階段写像

(34-18a)  j = åi £ n ai Ai

(34-18b)  j' = åi £ n'  a'i A'i

に対して

(34-19)  åi £ n ai m(Ai ) < åi £ n'  a'i m(A'i )  Þ  $xÎD(j)ÇD(j') : j(x) < j'(x)

が成り立つことを証明しましょう。
 実際、bi , Bi ( 0 £ i £ mn + n' + 1 )bia'i , BiA'i ( i £ n' )bi :º - ai-n'-1 , Bi :º - Ai-n'-1 ( i > n' ) で定義すれば、(34-18),(34-15) により

(34-20a)  j' - j = åi £ n'  a'i A'i + åi £ n (- ai )Ai = åi £ m bi Bi = åBmbs Bs

(34-20b)  åi £ n'  a'i m(A'i) - åi £ n ai m(Ai ) = åi £ m bi m(Bi ) = åBmbs m(Bs )

となります。ここで (34-19) の仮定のもとでは、åBm bs m(Bs ) > 0 が成り立つので、(23-17j) を繰り返し適用することにより、bs m(Bs ) > 0 を満たす Bm が存在します。ところが m(Bs ) ³ 0 ですから、(23-24i) により bs > 0 かつ m(Bs ) > 0 が成り立ちます。
 ゆえに (34-7) により (Bs は元 x を持ち、(34-13a),(34-13d) により Bm , t ¹ s  Þ  xÎ(Bt となるので j'(x) - j(x) = åBmbt Bt(x) = bs > 0 が得られ、(34-19) は証明されました。

 さて、(34-19)jj' を入れ替えて対偶を取れば、

(34-21)  j £ j'  Þ  åi £ n ai m(Ai ) £ åi £ n'  a'i m(A'i )

が得られ、従って、これと j , j' を入れ替えたものにより

(34-22)  j = j'  Þ  åi £ n ai m(Ai ) = åi £ n'  a'i m(A'i )

がわかります。このことから、各 ΦΩ に対して j(34-13h) 左辺の形に表して、ΦΩ から R への関数 Im

(34-23)  Im(j) åi £ n ai m(Ai )

で定義することができます。明らかに

(34-24)  AÎΩ  Þ  Im(A) = m(A)

が成り立ち、(34-21)

(34-25)  j £ j'  Þ  Im(j) £ Im(j')

が成り立つことを意味しています。以下、ImΦΩ 上の積分になっている、すなわち (32-6) の各条件を満たすことを確かめましょう。
 まず、(32-6a),(32-6b) については Im の定義により明らかです。また (32-6c) は、(34-4b)A が条件を満たします。
 次に、任意の ΦΩ+(34-13e) 右辺の形に表せば、

(34-26)  j = j Ú 0 = åBn (as Ú 0) cAs

ですから、係数を bsas Ú 0 ³ 0 に置き換えることができます。ゆえに (34-17)

(34-27a)  limn (bs Ù n) = bs

(34-27b)  limn (bs Ù n-1 ) = 0

により、(32-6d),(32-6e) は明らかに成り立ちます。

 最後に、残る (32-6f) を証明するための準備として、Ω の互いに素な1個以上の有限列の和の全体からなる集合を Ω' と書き、Ω' 上の関数 m'

(34-28)  m'( åi £ k Ai ) Im( åi £ k Ai ) = åi £ k Im(Ai ) = åi £ k m(Ai )

で定義すると、m'Ω' 上の測度になることを証明しておきましょう。
 まず、Ω' の元が特性写像であることは明らかです。また { Ai | i £ k }{ Bi | i £ l }Ω の互いに素な有限列とすると、(24-9a) により

(34-29)  ( åi £ k Ai ) \ ( åj £ l Bj ) = ( åi £ k Ai )(1 - åj £ l Bj ) = åi £ k Ai(1 - åj £ l Bj ) = åi £ k (Ai \ åj £ l Bj )

で、(34-9a) により { Ai \ åj £ l Bj  |  j £ k }Ω の互いに素な有限列ですから、(34-29) の右辺、従って左辺は Ω' に属すことがわかり、Ω'(34-3) を満たすことがわかりました。
 次に A'åi £ k Ai , B'åj £ l Bj と置くと、(34-29),(34-28),(34-9) により

(34-30)  m'(A' \ B' ) = åi £ k m(Ai \ åj £ l Bj ) = åi £ k{m(Ai ) - åj £ l m(AiBj )} = Im( åi £ k Ai ) - Im( åi £ k åj £ l AiBj ) = m'(A' ) - m'(A'B' )

となるので m'(34-4a) を満たします。また Ω Ì Ω'Ωm' = m ですから m'(34-4b) を満たします。
 最後に、各自然数 n に対して Ω の互いに素な有限列 { Cn i | i £ kn } が与えられ、C'nåi £ knCn i と置いたとき

(34-31)  ån m'(C'n ) < m'(A' )

を満たすとします。

(34-32)  A'iAi \ j £ k 0Aj

と置くと、(34-1a),(34-5b) により、これは Ω に属し、しかも明らかに

(34-33)  D(A'i ) = D(A' )

ですが、更に (34-6)(34-9b) により

(34-34)  m(Ai ) = åj £ k m(Ai 0Aj ) + m(A'i ) = åj £ k m(0Ai Aj ) + m(A'i ) = m(A'i )

となります。また、{ Cn i | nÎN , i £ kn } を一列に並べ替えたものを { DjjÎN } と書くと、(34-28),(34-34) により、(34-31)

(34-35)  åj m(Dj ) < åi £ k m(A'i )

となりますが、(34-9b) により m(Dj ) ³ åi £ k m(Dj A'i ) となるので

(34-36)  åi £ k {m(A'i ) - åj m(Dj A'i )} > 0

が成り立ち、従ってある i £ k に対して m(A'i ) - åj m(Dj A'i ) > 0 となりますが、m(34-4c) を満たすので、ある xÎ(A'i \ j A'i Dj が存在します。
 ゆえに、まず xÎA'i¹ Ì (A' が、従って任意の j に対して xÎ(A'i Dj が、従って xÎDjº が成り立つことがわかります。これは xÎ(A' かつ任意の n に対して xÎ(C'n すなわち xÎ(A' \ n C'n を意味しますから、m'(34-4c) を満たし、従って Ω' 上の測度になっていることがわかりました。

 次に、任意の ΦΩ+ を取ります。これを (34-13e) 右辺の形に表わし、Msup { as | Bn } と置けば

(34-37)  0 £ j £ M

が成り立ちます。また、実数 r > 0 がどの as とも異なるならば、任意の Bn に対して as > r 又は as < r のいずれか一方が成り立つので、前者を満たす s の全体を { s(i) | i £ m } と表すことができて

(34-38)  { j > r } ( { xÎD(j) | j(x) > r } , { xÎD(j) | j(x) £ r } ) = ( È{ As¹ | as > r } , Ç{ Asº | as > r } ) = åi £ m As(i)ÎΩ'

となります。明らかに、(34-38) を満たす r > 0 の全体は R+ で稠密です。

 さて、以上の準備のもとで、(32-6f) を示すために、ån Im(jn ) < Im(j) を満たす ΦΩ+{ jn | nÎN }Ì ΦΩ+ を任意に取ります。

(34-39)  cIm(j) - ån Im(jn ) > 0

と置き、j(34-13e) の形に表して

(34-40)  AåBn AsÎΩ'

と置き、e > 0

(34-41)  2em'(A) < c

となるように取ります。更に en > 0 ( nÎN )

(34-42)  ån 2en < e

となるように取り、(34-37) を満たす M を取り、更に dn > 0 ( nÎN )

(34-43)  ån dn < c - 2em'(A)
—————
M

となるように取ります。次に、自然数の列 k0 < k1 < k2 ¼

(34-44)  åi ³ kn Im(ji ) < dn en

となるように選び、

(34-45a)  y :º (j - åi < k0ji )+

(34-45b)  ynåkn £ i < kn+1ji       ( nÎN )

と置きます。このとき

(34-46a)  y, ynÎΦΩ+

(34-46b)  0 £ y £ j £ M

(34-46c)  Im(yn ) < dn en

(34-46d)  c = Im(j) - ån Im(jn ) £ Im(j) - ån < k0 Im(jn ) = Im(j - ån < k0jn ) £ Im(y)

(34-46e)  xÎD(y)ÇD( ån yn ) , y(x) > 0  Þ  y(x) - ån yn(x) = j(x) - ån jn(x)

が成り立ちます。ここで (34-37),(34-38) により、正実数 h

(34-47a)  e < h < 2e

(34-47b)  B { y > h }ÎΩ'

となるように取ると、

(34-48)  y £ hA + M B

が成り立ちます。なぜなら、Aº 上では左辺が 0 であり、A¹ÇBº 上では y £ h かつ右辺は h 以上であり、B¹ 上では右辺は M 以上となるからです。
 ゆえに両辺の Im を取ると、(34-46d),(34-47a),(34-28),(34-25) により

(34-49)  c £ Im(y) £ 2em'(A) + M m'(B)

となるので、これと (34-43) により

(34-50)  ån dn < m'(B)

が得られます。また、(34-37),(34-38) により、正実数 hn

(34-51a)  en < hn < 2en

(34-51b)  Bn { yn > hn }ÎΩ'

となるように取ると、

(34-52)  hn Bn £ yn

が成り立ちます。なぜなら、Bn¹ 上では左辺が hn に等しく、かつ hn < yn が成り立ち、Bnº 上では左辺が 0 となるからです。
 ゆえに両辺の Im を取ると、(34-51a),(34-28),(34-25),(34-46c) により

(34-53)  en m'(Bn ) £ Im(yn ) < en dn

となるので、これと (34-50) により

(34-54)  ån m'(Bn ) £ ån dn < m'(B)

が得られます。ゆえに、m'(34-4c) を満たすことから、ある xÎ(B \ n Bn が存在しますが、これは xÎB¹ 及びすべての n に対して xÎBnº であることを意味するので、(34-47) により y(x) > h > e が、(34-51) により yn(x) £ hn < 2en が得られるので、これらと (34-42) により

(34-55)  ån yn(x) £ ån 2en < e < y(x)

となり、これと (34-46e) により

(34-56)  ån jn(x) < j(x)

が得られ、(32-6f) は証明されました。以上により、Im(32-6) の条件をすべて満たし、ΦΩ 上の積分になっていることがわかりました。

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