Bochner積分
本節では、可測写像や測度収束の概念を利用して、Banach
空間に値を取る写像の積分を定義します。
I を集合 S 上の写像族 Φ 上の完備な積分、m を I に伴う Ω 上の完備な測度、X をノルム | · |
Banach
空間とします。
ある { ai |
0 £ i £ n }Ì X{ Ai |
0 £ i £ n }Ì Ω
(39-1) |
と書けるような jÎF(S, X )
-
値の階段写像といい、その全体を 0(S, X )
(34-13h),(34-15)
の証明は、各 (39-1)
の j に対し、
(39-2a) |
(39-2b) |
が成り立つことがわかります。よって特に
(39-3) |A |
が得られるので、
(39-4) |
となることがわかります。ゆえに 0(S, X )
(39-5) || |
によりノルム空間とみなすことができます。
さて、明らかに 0(S, X )
Ì M0(S, X )(38-16)
で F を X から X への恒等写像に取り、 º 0ÎL0(S, X )
0(S, X )
(S, X )
また、前節の結果により (S, X )
{
rj | jÎΦ+ }
(39-6) || |
と置けば、
(39-7) || |
が成り立ちますから、埋め込み写像 i M:
L0(S, X )
® (S, X )
ゆえにこれは両者の完備化間の一様連続写像 i : L
0(S, X ) ® M (S, X )i
実際、F と G を共に 0(S, X )
i による像が (S, X )
任意の e > 00(S, X )
(39-8a) |
3 |
(39-8b) |
3 |
が成り立ちます。A も B も元を持つので、j0ÎAy0ÎB
次に、F と G が (S, X )
c :º |
j0 - y0 |ÎΦ+
(39-9) |
3 |
が成り立ちます。ここで、(37-3)
を繰り返し用いることにより、
(39-10) | |
| |
| ( |
|
{ | |
|
| |
|
| |
ゆえに、この両辺の積分を取れば、任意の jÎAÇA'yÎBÇB'
(39-11) || |
3 |
3 |
3 |
となり、ÇA'ÎFÇB'ÎG0(S, X )
i
さて、 : M(S, X)
® M (S, X )i
(S, X )
|
||||
(39-12) |
L(S, X ) |
M(S, X ) |
||
| j |
||||
Pull( |
L(S, X ) |
M(S, X ) |
||
ここで i : L
0(S, X ) ® M (S, X )(7-11)
と (7-12)
の間の議論により、標準写像 k : L(S, X )
® M(S, X )
(39-13) L(S, X ) |
と見なすことができます。そこで (S, X )
-
値のBochner
可積分写像、あるいは単に可積分写像といいます。
ÎL(S, X )
= k( f )
(S, X )
0(S, X )
(
k( f )) = i( j( f ))
さて、2つの階段写像
(39-14a) |
(39-14b) |
に対して
(39-15) |
が成り立つことを証明しましょう。
実際、(
0 £ i £ m :º n + n' + 1 ) :º a'i :º A'i( i
£ n' ) :º - ai-n'-1 :º - Ai-n'-1( i
> n' )(39-2)
により
(39-16a)Ai |
(39-16b) |
が成り立ちます。ここで (39-15)
の仮定のもとでは、åsÎBn bs m(
Bs )
¹ 0
(39-17) |
となり、| b
s | m(Bs ) > 0sÎBnm(
Bs )
³ 0| b
s | > 0m(
Bs )
> 0s ¹ 0
ゆえに (34-5)
により s¹
s(x)
= 1(34-13a)
により、任意の s ¹ tÎD(B
s ) = D(Bt )(34-13d)
により t(x)
= Bs(x)Bt(x) = (Bs Bt )(x) = 0(39-16a)
により j'(x)
- j(x)
= åtÎBn bt Bt(x)
= bs ¹ 0(39-15)
は証明されました。
さて、(39-15)
の対偶を取れば、
(39-18) |
が得られます。このことから、各 jÎL0(S, X )
j を (39-1)
の形に表して、
(39-19) I( |
と定義することができ、I は 0(S, X )
明らかに、j,
yÎL0(S, X)
ÎK
(39-20a) |
(39-20b) c |
かつ
(39-21a) I( |
(39-21b) I(c |
が成り立ち、更に (39-3),(39-5)
により
(39-22) | I( |
が成立します。すなわち : L
0(S, X ) ® X : L
0(S, X ) ® X
そこで、これと (39-12)
の標準写像 : L(S, X )
® L0(S, X )
(39-23) I |
をBochner
積分、あるいは単に積分とよんで、可積分写像 f の積分を
(39-24) I ( j( f )) |
fd |
f(x) |
と書くことにします。
ここで積分の基本的な性質を調べましょう。一般に { fn | n
ÎN } Ì F(S, X )ån | fn(x) |
ån fn(x)
ån fn
特にすべての 0(S, X )
| fn |
ÎΦån I( | fn | )
< ¥{ fn | n
ÎN }ån fn Ì f1(S, X )
(39-25a) L |
(39-25b) L |
(39-25c) f |
(39-25d) |
d |
(39-25e) f |
½ ½ |
fd |
½ ½ |
| f | d |
(39-25f) { fn | n |
fd |
fnd |
(39-25g) |
(39-25h) |
(39-25i) f, g |
(39-25j) |
(39-25k) |
dm £ |
dm |
(39-25l) f |
(39-25m) f |
A fd |
(39-25n) f |
(39-25o) f |
(39-25p) f |
(39-25q) F |
が成り立つことを証明しましょう。
まず (39-25a)
ですが、左の包含関係は明らかです。次に ÎL1(S, X )
{ fn | n
ÎN }| fn |
ÎΦc :º ån | fn |
ÎΦ
しかも c Ù | f
- åk £ n fk | = c Ù | åk > n fk | £ åk > n | fn |ÎΦ(32-14a)
により
(39-26a) || f |
(39-26b) || |
となり、{
åk £ n fk | nÎN }(S, X )
(S, X )
ÎL(S, X )
次に (39-25b)
ですが、Φ は 0(S, X )
(33-1)
に明らかです。
次に (39-25c)
ですが、f を表現する { fn | n
ÎN }jn :º |
åk £ n fk | - | åk < n fk ||
jn | £ | fn |ån I( |
jn | ) < ¥| f |
É ån jnÎΦ
次に (39-25d)
ですが、ån I( |
jn | ) < ¥ån jn Ì j{
jn | nÎN } Ì L0(S, X )(39-26a)
の証明により、{
åk £ n jk | nÎN }j に (S, R)
(S, R)
(39-25d)
の左辺は ån I(
jn )(32-14a),(32-27)
により (39-25d)
の右辺とも一致します。
次の (39-25e)
は、ÎL(S, X )
| f |
(S, X )
(S, R)
0(S, X )
0(S, R)
0(S, X )
j を |
j || f |
0(S, R)
| f |
ÎL(S, R)
また、2番目の不等式は、f が L0(S, X )
の元のときは (39-22)
から明らかなので、極限を取ることにより一般の場合も証明されます。
次に (39-25f)
ですが、{ fn k | k
ÎN }
(39-27) |
となります。そこで
(39-28a)gn |
(39-28b) gn i |
と置くと、{ gn i | i
ÎN }
(39-29) | gn |
となるので
(39-30) |
ですから
(39-31) |
となるので { gn i | n, i
ÎN }{
ån, i £ m gn i | mÎN }(S, X )
(S, X )
{
åi £ m gn i | mÎN }(S, X )
(S, X )
(39-32) |
fd |
gn id |
fnd |
となります。
次に (39-25g)
ですが、F を (S, X )
0(S, X )
(39-33) |
となる ÎFÎÇi £ k Ai
(39-34a)g |
(39-34b) gk |
と置けば、( | gk | )
= || gk || = || hk - hk-1 || < 2-k+1åk I( | gk | )
< ¥(39-25f)
により :º ån gnÎL1(S, X )
® ¥ = åk £ n gk(S, X )
ゆえに点列 { hn | n
ÎN }fil{ Fk | k
ÎN }(S, X )
(S, X )
(S, X )
(S, X )
(39-25g)
が得られます。
次に (39-25h)
ですが、j - yj と書けば、y = 0Ú は (S, R)
j± º (
±j)
Ú 0(S, R)
j± = 00 です。ところがこの積分は (39-25d)
により (
j± )( |
j | ) = 0(32-28)
により j = 0 a.e.
次に (39-25i)
ですが、j :º | f
- g |y :º 0(39-25c)
により (39-25h)
が適用できて、j = 0 a.e.
= g a.e.
次に (39-25j)
ですが、j £ y a.e.
j Ù y = j a.e.
j Ù y = j in M(S, R)
Ù は (S, R)
j' Ù y' = j' in M(S, R)
(39-25h)
により j' Ù y' = j' a.e.
j' £ y' a.e.
次に (39-25k)
ですが、jL,
yÎ(S, R)
j £ y a.e.
(39-25g),(39-25j)
により j = j',
y = y' in M(S, R)j'Φ,
y'Îj' £ y' a.e.
(32-9)
により明らかです。
次に (39-25l)
ですが、f に測度収束する (S, X )
:º { A
j | jÎF } :º fil{ FA | F
ÎF }(S, X )
次に (39-25m)
ですが、任意の e > 0
(39-35a) |
½ ½ |
fd |
gd |
½ ½ |
| f |
2 |
となるような ÎL0(S, X )
(39-25e)
により
(39-35b) |
½ ½ |
A fd |
Agd |
½ ½ |
A| f |
| f |
2 |
となりますが、g を (39-2)
の形に表して正数 M を sup { | a
s | | sÎBn }d :º e/(
2M)
(39-35c) |
½ ½ |
Agd |
½ ½ |
A| g | d |
2 |
ですから、(39-35b),(39-35c)
により
(39-35d) |
½ ½ |
A fd |
½ ½ |
となって証明されました。
次に (39-25n)
ですが、まず (39-25g),(39-25b)
により、(S, R)
j = yyÎΦ+d > 0(32-6e),(35-4),(39-25m)
により
(39-36a) I( |
(39-36b) A |
(39-36c) |
Bdm < d |
を満たす e º e(
d)
> 0(37-8)
と f が可測であることから
(39-36d) |
を満たす ÎL0(S, X )
º B(
e)ÎΩe
(39-37) gg |
と置くと、| f(x)|
£ j(x)ÎD( f )
ÇD(gd )
(39-38a) x |
(39-38b) x |
(39-38c) x |
ですから
(39-39) | f |
従って、任意の cÎΦ+
(39-40) |
となりますが、右辺は (38-32)
により Φ に属します。このことと、(S, R)
j = y
(39-41) || f |
( |
( |
一方、(39-36b)
により
(39-42) |
ですから
(39-43) || f |
( |
Bdm £ 2d |
が成り立ちます。また 0 < d',
d" £ de' :º e'(
d )
e" :º e"(
d )
:º A(
e' ) :º A(
e" ) :º B(
e' ) :º B(
e" )
(39-44) | g |
ですから (39-25f)
と (S, R)
j = y
(39-45) || g |
|
|||||
|
||||||
|
||||||
|
||||||
|
||||||
が得られます。これは d :º { g
d' | 0 < d' £ d } :º fil{ F
d | d > 0 }(S, X )
ÎL(S, X )
次の (39-25o)
は |
jf | £ M | f |(39-25p)
は |
jf | £ M | j |(38-37d),(39-25e),(39-25n)
により明らかです。
最後に (39-25q)
ですが、(S, R)
j' = jj'ÎΦ+,
hÎF(S, X )
= g = h,
h'ÎL1(S, X )
(39-46) | g |
かつ 2j' Ù | g'
- h' | = 2j' Ù | g - h | in M(S, R)
(39-47) g, h |
となり、F が (S, X )
(S, X )
(39-25q)
は証明されました。これを有界収束定理ということがあります。
さて、(S, X )
0(S, X )
|| · ||
(39-25e)
の右辺に一致します。なぜなら稠密な部分集合 0(S, X )
ここで、ノルム空間 (S, X )
Banach
空間であることに注意します。
実際、(39-25g)
により 1(S, X )
(39-25f)
から明らかです。
次に、T を X からノルム | · |
'Banach
空間 Y への連続な線形写像とします。このとき、任意の ÎL(S, X )
° f ÎL(S, Y )
(39-48) |
T f(x) |
f(x) |
が成り立つことを証明しましょう。
実際、F を f に測度収束する 0(S, X )
ここで F の元の元 g をすべて ° g(38-37h)
及びその証明の直後の注意により、 ° f
また、(28-11)
により、 > 0
(39-49) | Tg(x) |' |
が成り立ちますから、F の元の元 g , h に対して
(39-50) || T' |
| Tg(x) |
| g(x) |
となって、 ° f
また、明らかに (39-48)
の f を 0(S, X )
ÎL(S, X )
(39-48)
が得られます。
さて、(39-25o)
により、f が可積分で A が可測な特性写像なら
(39-51) |
A fd |
fd |
とも書くことにし、f の A 上の積分とよびます。
次に、 :º S1 ´ S2m :º m1Äm2
任意の ÎL(S, X )
(S, X )
= gÎL1(S, X )
{ gk | k
ÎN }
(39-52) |
fd |
が成り立ちます。一方 2( | gk | )
ÎΦ1(36-22)
と同様に
(39-53) |
なので åk I2( | gk | )
ÎΦ1(36-23)~(36-25)
と同様に
(39-54) E |
は、積分 11ÎEÎL1(S
2 , X )
(39-55) |
gxd |
すなわち
(39-56) |
g( · , y) |
がなりたつことがわかります。更に (36-29)
と同様にして | I
2(gk ) | £ I2( | gk | )(36-30)
と同様に、
(39-57) |
ですから、(39-56)
の左辺、従って右辺は 1(S
1 , X )
(39-58) |
(dx) |
g(x, y) |
ì í î |
g(x, y) |
ü ý þ |
(dx) |
fd |
が成り立つので、これと添字を入れ替えたものにより
(39-59) |
fd |
(dx) |
g(x, y) |
(dy) |
g(x, y) |
が得られます。これもFubini
の定理といいます。
この節の最後に局所凸空間 X に対する可測準写像 :º { f
l : S ® Xl | lÎΛ }
f は、各 l(S, X )
可積分な f に対し、llÎXll £ l'pll'(39-48)
を適用することにより、pll'(x
l' ) = xlÎX
"lÎΛ :
pl(x) = xl
(39-60) |
fd |
と書きます。(S, X )
lÎΛ(S, X
l )|| · ||
l(S, X
l )(S, X )
また、各成分 l1(S, X
l )1(S, X )