X をBanach
空間、I を R
の区間、O を X の開集合、A を ´ OÎIÎO
(44-1a) |
du(t)t |
(t, u(t)) ( t |
(44-1b) u(a) |
を満たす I から X への関数 u を求める問題を考え、これを u に関する1階の常微分方程式といいます。
もっと一般に、 £ n(k)
(44-2a) u(n)(t) |
(44-2b) u(k)(a) |
も考えられますが、これは、新しい変数 (
0 £ k < n ) :º (v
0 , v1 , v2 ,¼, vn-1 )
(44-3a) |
dv(t)t |
(v |
(44-3b) v(a) |
を解くことに帰着されます。
実際、(44-3)
の解が得られれば、 :º v0(44-2)
の解になり、逆に (44-2)
の解 u から :º (u, u', u",
¼, u(n-1) )(44-3)
の解になるからです。
そこで、以下1階の常微分方程式 (44-1)
のみを考えることにします。
X の開集合 O が存在して、A は ´ O ´ CLipschitz
連続、すなわち正数 L が存在して、任意の ÎI,
vÎO
(44-4) || A(t, u) |
が成り立つものとします。
このとき、任意の ÎIÎO Ì I(44-1)
の解が一意的に存在することを証明しましょう。
実際、 :º sup { || A(
t, x) || | tÎI }
(44-5) { z |
å k=1 |
KLk k ! |
} |
を満たす h > 0 :º IÇ[a
- h, a + h]ÎJ
(44-6a) u |
(44-6b) uk |
t a |
A( |
と置くと、各 [J ]
³ 1
(44-7) || uk(t) |
KLk| t |
が成り立つことが証明できます。
実際、まず ÎJ| t
- a | £ h
(44-8) |
å k=1 |
s k k ! |
を考えると、その収束半径は、(28-46)
の値 limk | ak
+1 / ak | = limk k! / (k + 1)! = 0 ³ 0j は連続かつ j(
0)
= 0(44-5)
に出てくる無限和は (K
/L)j(Lh)h > 0(44-5)
を満たすようにできることに注意します。
さて、(44-6b)
で = 0
(44-9) || u |
sup {a, t} |
|| A( |
ですから、まず = 1(44-7)
が成り立つことがわかり、更に (44-5)
により 1O(t)
Î[J ]
次に、[J ]
(44-7)
が k まで成り立つと仮定して、これらが k を + 1
帰納法の仮定により、[J ]
(44-6b)
の右辺の被積分関数は J で一様連続、従って可積分なので意味を持ち、左辺は J において t の一様連続関数になります。
また、(44-6b)
から k を - 1(44-4)
と帰納法の仮定を用いると、
(44-10) || uk |
|
|||||
|
||||||
|
||||||
|
が導かれ、k を + 1(44-7)
は証明されました。ゆえに、
(44-11) || uk |
å i=1 |
|| ui(t) |
i=1 |
KLi| t |
å i=1 |
KLi i ! |
となって、(44-5)
により +1(
t)
ÎO
さて、(44-7)
により、 ³ k
(44-12) || ul(t) |
l i=k+1 |
|| ui(t) |
l i=k+1 |
KLi| t |
K L |
å i=k+1 |
Li i ! |
となりますが、この右辺はすべての hj(L
h) + 1 ® ¥(44-12)
は ÎJ0 に収束します。
ゆえに { uk | k
ÎN }C(J, X )
一方、(44-4)
により、 ® ¥(44-6b)
の右辺の被積分関数は t に関して一様に (
t, u(t))(44-6b)
で ® ¥
(44-13) u(t) |
t a |
A( |
が得られ、右辺は t について微分可能ですから、両辺を t で微分することにより、u は J における (44-1)
の解になっていることがわかります。
次に、J における解の一意性を証明しましょう。
u と v が J における (44-1)
の解なら、これらを a から t まで積分することにより、共に (44-13)
を満たします。
ここで :º sup { || A(
t, u(t)) || | tÎJ } :º sup { || A(
t, v(t)) || | tÎJ }
(44-14a) || u(t) |
sup {a, t} |
|| A( |
(44-14b) || v(t) |
sup {a, t} |
|| A( |
が成り立ち、従って :º K' + K"
(44-15) || u(t) |
が成り立ちます。このことから、任意の整数 > 1
(44-16) || u(t) |
NLk| t |
が成り立つことを k に関する帰納法で証明しましょう。
実際、k について成り立つと仮定し、(44-13)
と、その u を v に置き換えたものを辺々引いてノルムを取り、(44-4)
と帰納法の仮定を用いると、
(44-17) || u(t) |
|
|||||
|
||||||
|
||||||
|
となって帰納法が完成し、(44-16)
は証明されました。
ところが (44-16)
の右辺は、冪級数 (N
/L)j(L | t - a | ) ® ¥0 に収束するので、(t)
= v(t)
ここで、 = R
n(a, x)
Cn-
級である場合を考えてみましょう。
この場合、 £ nCk-
級なら (44-1a)
の右辺、従って左辺も Ck-
級ですから、これは u が Ck
級であることを意味します。よって k に関する帰納法により、u は +1-Cn
級であることがわかります。特に A が +1-C
級なら u も ¥-C
級です。
¥-
なお、A が (a, x)
C¹-
級なら、その近傍は、R
の区間 J と X のプレコンパクトな凸集合 U の積であると仮定できますが、ÎJ,
vÎU
(44-18) A(t, u) |
0 |
ds |
A(t, sus |
n i=1 |
(ui |
0 |
¶ |
(t, sus |
であり、¶A/¶ui ´ ULipscitz
連続性 (44-4)
は導出できることがわかります。
さて、ここで初めに戻り、特に = X(44-5)
を満たす h として任意に大きな正数が取れるので、u は I 全体で定義された一意解を持つことがわかります。
この場合、h はノルムと無関係に取れるので、X はBanach
空間である必要はなく、完備な局所凸空間であれば、上記の議論はすべて成立することに注意します。
さて、例として、 = R
nR
の区間 I で定義された Cº-
級関数 ( i, j
= 1, 2 ,¼, n )
(44-19a) ui'(t) |
n j=1 |
bij(t) uj(t) |
(44-19b) ui(a) |
を考えると、I に含まれる任意の有界閉区間 J と X の任意のプレコンパクト集合 C に対して (44-1a)
の A に相当する関数は ´ C = XÎJÎR
( i
= 1, 2 ,¼, n )(44-19)
の解の組 ( i
= 1, 2 ,¼, n )
ところが、I の任意の2点 a , t を元に持つ有界閉区間 Ì IÎIÎR
( i
= 1, 2 ,¼, n )(44-19)
の解の組 ( i
= 1, 2 ,¼, n )
特に、(44-19)
で
次に、A や初期値 x が変化した場合の解の安定性について調べてみましょう。
任意の e > 0l > 0 ´ O ´ CÎI,
vÎO
(44-20) || B(t, u) |
を満たしているものとします。このとき、初期値 ÎO
(44-21a) |
dv(t)t |
(t, v(t)) ( t |
(44-21b) v(a) |
を考えることができますが、上で行った議論により、 :º sup { || B(
t, y) || | tÎI }
(44-22) { z |
å k=1 |
K'Lk k ! |
} |
を満たす h' > 0 :º IÇ[a
- h', a + h' ]ÎJ'
(44-23a) v |
(44-23b) vk |
t a |
B( |
で定義すると、{ vk | k
ÎN }(44-21)
の一意解になります。
さて、ここで B が A に十分近い、すなわち任意に与えられた正数 e と l に対して
(44-24a) t |
2l |
が成り立ち、y が x に十分近い、すなわち
(44-24b) || x |
2 |
が成り立つならば、J' における (44-21)
の一意解 v は、J における (44-1)
の一意解 u に十分近い、すなわち
(44-25) || u(t) |
が成り立つことを証明しましょう。ただし j は (44-8)
で定義した関数です。
このためには、(44-6),(44-23)
で定義される
(44-26) || uk(t) |
k i |
Li| t |
を満たすことを証明すれば十分です。そこでこれを k に関する帰納法で証明しましょう。
= 0(44-6a),(44-23a),(44-24b)
により明らかなので、k まで正しいと仮定して + 1(44-6b)
から (44-23b)
を辺々差し引けば、
(44-27) || uk |
|
||||||||||
|
|||||||||||
|
|||||||||||
|
|||||||||||
|
|||||||||||
|
となって、帰納法が完成しました。
最後に = R
na を持ち、かつ (
a, t, u)(
a)C¹-
級の関数になっている場合を考えます。このとき (44-6)
と同様に、この場合の解 (
a, t)
(44-28a) u |
(44-28b) uk |
t a |
A( |
を構成すると、k に関する帰納法により (
a, t)a と t について C¹-
級であることがわかりますが、
(44-29a) vk( |
(a , t) ¶a |
(44-29b) y( |
(a ) ¶a |
(44-29c) B( |
( |
n i=1 |
( ¶ |
ηi |
と置くと、B は全変数について一様連続で、特に η についてLipschitz
連続ですから、すべての変数がプレコンパクトな範囲にある限り、正数 R が存在し、更に任意の e > 0d > 0|| ξ
1 - ξ2 || £ d
(44-30) || B( |
が成り立ちます。
さて、(44-28)
の両辺を a で微分すると、
(44-31a) v |
(44-31b) vk |
t a |
B( |
が得られます。
ここでまず { || vk(
a, t) || | kÎN , aÎJ , tÎJ }
実際、{ || uk(
a, t) || | kÎN , aÎJ , tÎJ }(44-29c)
と (44-31)
により、ある正定数 p , q , r が存在して
(44-32a) || v |
(44-32b) || vk |
sup {a, t} |
{ q |
が成り立ちます。このとき
(44-33) || vk( |
k i |
r i| t |
q r |
(r |
が成り立つことを示せば有界性は明らかです。2番目の不等号は明らかなので、最初の不等号を帰納法で証明しましょう。
実際、帰納法の仮定と (44-32b)
により
(44-34) || vk |
|
|||||||||
|
||||||||||
|
||||||||||
|
となって、証明されました。
次に、(44-33)
の右辺を Q と書くとき、任意の e > 0,
m ³ N
(44-35) || vl |
k i |
R i| t |
Rk| t |
が成り立つことを証明しましょう。
実際、まず = 0(44-33)
と Q の定義により、
(44-36a) || vl( |
となり、(44-35)
は成り立っています。
次に、(44-30)
で e のかわりに e/hd > 0{ uk | k
ÎN },
m ³ N Þ || ul(
a, t) - um(a, t) || £ de を e/h(44-30)
と帰納法の仮定により、
(44-36b) || vl |
|
|||||||||||
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
となって帰納法が完成し、(44-35)
は証明されました。
ところで (44-35)
の右辺第1項は e{
j(Rh) + 1} ® ¥0 に収束するので { vk(
a, t) | kÎN }(
a, t){ vk(
a, t) | kÎN }
ゆえに (43-36)
の議論により、解 u は a について微分可能で、その a に関する偏導関数は v に等しいことがわかります。
更に (44-31b)
で ® ¥
(44-37) v( |
t a |
B( |
が成り立ちます。ゆえに両辺を t で微分すれば、(44-1)
の両辺を形式的に a で微分した式:
(44-38a) |
( ¶ |
( |
(44-38b) v( |
が得られ、u を所与の関数とみなせば、(44-29c)
により、これは v に関する1階連立線形常微分方程式になっていることがわかります。
従って、v に対する微分方程式 (44-38)
から上記の議論を繰り返せば、(
a, t, ξ )Cn-
級なら、(44-1)
の解 (
a, t)a と t について Cn-
級であることがわかります。