Ω を複素数体 C
の開部分集合、X をセミノルムの族 { | · |
l | lÎΛ }C
上の完備な局所凸空間とするとき、Ω でコンパクト一様連続で Ω の各点で微分可能な関数 :
Ω ® X
正則関数 が成り立つことを証明しましょう。
で定義すると、これは明らかに一様連続で、曲線 ですから、C と が成り立ちます。一方、
が成り立ち、また任意の となるように選ぶことができます。従って
となり、 となりますから、 となります。ただし
です。すなわち、複素数体 ですから、 が成り立つので、 が成り立つことを証明しましょう。
一方 となるので、これを さて、複素数 は、 が得られます。
さて次に、 で定義します。このとき ですから、任意の となるので
となって、これは g が D 上でコンパクト一様連続かつ微分可能で、 この さて、 整関数は、有界なら定数です( さて、開集合 ですから、z に となるので、 次に、同心円に囲まれた領域 すなわち
となります。ここで と定義すれば、 となります。一方、
で、これらはいずれも ゆえに、 と書けます。ただし、被積分関数の定義域において となります。この のことを f の U が ですから さて、 が成り立ちます。これを留数定理といいます。
が成り立ちます。更に、 が成り立ちます。これを が成り立ちます。
が得られます。これを j について加え、左辺に :
Ω ® XÎC
z の関数 1/(
z - z) \\ {z}
(
z)/(z - z)z の関数として \\ {z}
ここで aÎΩ :º {
zÎC | | z - a | £ r } ÌÌ Ωa を中心とする円 j(t)
:º a + rei t(
0 £ t £ 2p ) :º j[[
0, 2p]]Cauchy
の積分公式:
(57-1) f(z)
=1
2pi
òC f
(
z)
z - zd
z ( | z - a | < r )
実際、任意に正数 d < r - | z
- a |yd(t)
:º z + dei t(
0 £ t £ 2p )d :º yd [[
0, 2p]] : [
0, 1] ´ [0, 2p] ® X
(57-2) Φ(s, t)
:º z + s(a - z) + {d + (r - d)s}ei t(
0, · )d(
1, · )
(57-3a) | Φ(s, t)
- a |£ | Φ(s, t)
- {z + s(a - z)} | + | {z + s(a - z)} - a |
= |
d + (r - d)s | + | (1 - s)(z - a) |
= rs + (
1 - s)d + (1 - s)| z - a |
£ rs + (
r1 - s)
= r
(57-3b) | Φ(s, t)
- z |³ | Φ(s, t)
- {z + s(a - z)} | - | {z + s(a - z)} - z |
= |
d + (r - d)s | - | s(a - z) |
= rs + (
1 - s)d - s | z - a |
³ ds + (
1 - s)d
= dd \\ {z}
(56-51b)
により
(57-4)
òC f
(
z) d
z =ò
Γd f
(
z) d
z
(57-5)
ò
Γdd
zz
z - =ò2p
0yd'(
t) d
tz
yd(t)
- =ò2p
0i
deit dt
deit= i
ò2p
0dt
= 2pilÎΛe > 0d を
(57-6) | f(
z) - f(z) |l £ e ( zÎΓd )
(57-7)
|
|
|2pi f(z)
-òC f
(
z)
z - zd
z|
|l
=|
|
|2pi f(z)
-ò
Γd f
(
z)
z - zd
z|
|l
=|
|
|ò
Γd f
(z)
- f(z)
z - zd
z|
|l
=ò
Γd| f(z)
- f(yd (t)) |l|
yd'(t) |
| yd(t) - z |d
t
£ eò2p
0| i
deit |
| deit |d
t
= 2pel と e は任意ですから、(57-1)
は証明されました。
さて、任意に正数 r < r(27-7)
により、zÎC|
z - a | = rr :º { z
ÎC | | z - a | £ r }
(57-8)
¥
å
k=0 (z
k- a)k
(z - a)+1=1
z - a1
1 - (z
- a)/(z - a)=1z
z - (57-1)
の右辺に (57-8)
を代入して積分と和の順序を交換すれば、
(57-9) f(z)
=1
2pi
¥
å
k=0òC (z
k- a)k
(z - a)+1 f
(
z) dz =¥
å
k=0ak
(z
- a)k ( | z - a | < r )
(57-10)
ak =1
2pi
òC f
(
kz)
(z - a)+1d
z ÎXC
の開集合で定義された関数は、正則なら冪級数展開できることがわかります。しかも、任意の lÎΛ
(57-11) | ak |
l £1
2pò2p
0| f(
kz) |l
| j(t) - a |+1|
tj'(t) | d £1
2pM
l
rk+1ò2p
0r
d
t =M
l
rk ( M
l :º sup{ | f(z) |l | zÎC } )(57-9)
の右辺の冪級数は、任意のセミノルムに対して ra の近傍で正則な f に対して
(57-12)
f
(z)
- f(a)
z - a=¥
å
k=1ak
(z
- a)k-1 ( z ¹ a )(57-12)
の左辺は、 = a
この事実を使って、正則な :
Ω ® XÎΩ ÌÌ Ω \\ {z}
Cauchy
の積分公式 (57-1)
を拡張した
(57-13) Wind(C, z) f(z)
=1
2pi
òC f
(
z)
z - zd
z
実際、(57-12)
の z に z を、a に z を代入したものは、z の関数として Ω 上の正則関数 g と z ¹ z
(57-14)
0 =òCg
(
z) dz =òC f
(
z) - f(z)
z - zd
z =òC f
(
z)
z - zd
z - f(z)òCd
zz
z - :º Wind(C, z)
j(t)
:º z + eitj : [
0, 2np] ® CWind(Γ, z)
= n
ゆえに、(49-17)
により C と Γ は C \\ {z}
(56-51b)
により、
(57-15)
òCd
zz
z - =òΓd
zz
z - =ò2np
0j'(t) dt
j(t) - z= i
ò2np
0dt
= 2npi = 2pi Wind(C, z)(57-14)
に代入すれば (57-13)
が得られます。
a と h に対して
(57-16)
1
hì
í
î1k
a-1
(
ka + h)ü
ý
þ-k
(
ka + h)+1=(
ka + h)k+1 - (a + h)ak - khak
hak(a + h)+1= 1
hak(
ka + h)+1k
+1å
i=2æ
èk
+ 1
iö
øak+1-i hi=k
+1å
i=2æ
èk
+ 1
iö
øhi
-1
ai-1(
ka + h)+1 ® 0d に対して |
a | , | a + h | ³ d0 に収束します。
ゆえに a に z - (z
+ h)Cauchy
の積分公式 (57-1)
において、{(
z - (z + h))-k - (z - z)-k }/h ® 0zÎC(
z - z)-k-1(57-1)
の両辺を z について k 回微分すると、極限操作と積分の順序が交換できて、f の高階導関数を f の積分で表す式:
(57-17) f (k)(z)
=1
2pi
òCdk
zk
d f
(
z)
z - zd
z = k
!
2piòC f
(
kz)
(z - z)+1d
zCauchy
の積分定理の逆、すなわち Ω でコンパクト一様連続な f が、任意の三角形に対して (56-51a)
を満たせば f は正則であることを証明しましょう(Morera
の定理)。
実際、任意に aÎΩ :º { z
ÎC | | z - a | < r } ÌÌ Ω > 0ÎD[
a, z] ÌÌ D
(57-18) g(z)
:ºò[
a, z] f
(
z) dz + hÎDD(
a, z, z + h) ÌÌ D(56-51a)
により
(57-19) g(z
+ h) - g(z) =ò[
a, z + h] f
(
z) dz -ò[
a, z] f
(
z) dz =ò[z, z
+ h] f
(
z) dz =ò1
0 f
(z
t + th) (z + th)' d = hò1
0 f
(z
t + th) d ÌÌ DlÎΛe > 0d > 0
(57-20) | f(z
+ th) - f(z) | £ e ( zÎK , | h | < d )
(57-21)
|
|
|g
(z
+ h) - g(z)
h- f(z)
|
|l£ò1
0| f(z
+ th) - f(z) |l dt £ e ( zÎK , | h | < d ) = f
ゆえに、既に示したことから g は D で無限階微分可能で、従ってその導関数である f も D で(無限階)微分可能であることがわかります。a は任意に取れますから、f は Ω 上至るところ微分可能で、従って正則です。
Morera
の定理を使うと、Ω で正則な関数の列 { fn | z
ÎN } ÌÌ Ω
実際、任意の三角形 D(u, v, w)
ÌÌ ΩCauchy
の積分定理により (56-51a)
の f を ® ¥(56-51a)
が成り立ち、従ってMorera
の定理により f は正則です。
C
全体で正則な関数を整関数といいます。整関数を冪級数に展開すると、これはすべての値で収束します。
多項式はもちろん整関数ですが、C
をBanach
環とみなしたときの exp
, sin
, cos
も、多項式のコンパクト集合上一様収束極限と表されるので整関数です。また Γ
関数の逆数 G
も、整関数のコンパクト集合上一様収束極限と表されるので整関数です。
Liouville
の定理)。
実際、a = 0(57-9)
は任意の > 0ÎC
(57-11)
は、l{ | f(
z) |l | zÎC } > 0
ここで ® ¥ ³ 1| ak |
l = 0l は任意ですから = 0( k
³ 0 )(57-9)
により (z)
= a0 Ì C
ÌÌ Ω
このとき、領域 Ω で定義された正則な関数 f と g が、ある aÎΩ{
ai | iÎN } Ì Ω \\ {a}
実際、 - g = 0a のまわりで冪級数 (57-9)
に展開できます。ここですべての k に対して = 0
まず、(
ai ) = 0aia に収束し、f は連続ですから 0 = f(
a) = 0
次に、すべての < n = 0a の近傍で
(57-22) f(z)
=¥
å
k=nak
(z
k- a)ai ¹ a(
nai - a)
(57-23)
0 = f
(
nai )
(ai - a)=¥
å
k=nak
(
kai - a)-n ® ¥ = 0
ゆえに帰納法により、すべての k に対して = 0(57-9)
の右辺は 0 であることがわかりました。
ところで a 中心の円の内部 D が Ω に含まれれば、D で (57-9)
が成り立つのでしたから、これは D 上 = 0
さて、Ω の任意の点 z を取ります。Ω は領域なので、a と z を結ぶ折れ線 Γ が存在しますが、Γ 上の点 bj( j
= 0, 1 ,¼, m )b0 = abm = z < mbjbj+1
このとき、上に示したことにより、bj0 となるようなものが存在すれば、0 となることがわかります。ゆえに j に関する帰納法により、-10 となることがわかり、ÎDm-1(z)
= 0,
r :º { z
ÎC | r < | z - a | < R } ÌÌ Ω :
Ω ® XÎDR,
r,
r
[
0, 2p]j(t)
:º z + Rei t[
0, 2p]y(t)
:º z + rei t » Γz の関数 { f(
z) - f(z)}/(z - z)(56-51b)
を適用すれば、
(57-24)
òC f
(
z) - f(z)
z - zd
z =òΓ f
(
z) - f(z)
z - zd
z
(57-25) f(z)
ì
í
îòCd
zz
z - -òΓd
zz
z - ü
ý
þ=òC f
(
z)
z - zd
z -òΓ f
(
z)
z - zd
z[
0, 1] ´ [0, 2p]
(57-26a) Φ(s, t)
:º z + s(a - z) + Rei t(57-26b) Ψ(s, t)
:º a + srei t| Φ(s, t)
- z | ³ R - s | z - a | ³ R - | z - a | > 0(
0, · )(
1, · ) = jWind(
j, z) = Wind(Φ(0, · ), z) = 1| Ψ(s, t)
- z | ³ | z - a | - r > 0(
0, z)(
1, z) = yWind(
y, z) = Wind(Ψ(0, · ), z) = 0(57-15)
により
(57-27a)
òCd
zz
z - = 2pi
(57-27b)
òΓd
zz
z - = 0
(57-28a)
¥
å
k=0 (z
k- a)k
(z - a)+1=1
z - a1
1 - (z
- a)/(z - a)=1z
z - ( |
z - a | = R )
(57-28b)
¥
å
k=0 (
kz - a)k
(z - a)+1=1
z - a1
1 - (
z - a)/(z - a)= -1z
z - ( |
z - a | = r )z について一様に収束しますから、積分と和の順序を入れ替えることができて、
(57-29a)
òC f
(
z)
z - zd
z =¥
å
k=0òC (z
k- a)k
(z - a)+1 f
(
z) dz
(57-29b)
-òΓ f
(
z)
z - zd
z =¥
å
k=0òΓ (
kz - a)k
(z - a)+1 f
(
z) dz(57-25),(57-27),(57-29)
により
(57-30) f(z)
=1
2pi
¥
å
k=0òC (z
k- a)k
(z - a)+1 f
(
z) dz +1
2pi
¥
å
k=0òΓ (
kz - a)k
(z - a)+1 f
(
z) dz =¥
å
k=-¥ak
(z
- a)k ( r <| z - a | < R ) » Γ(56-51b)
により Γ 上の積分は C 上の積分と一致し、従って
(57-31)
ak =1
2pi
òC f
(
kz)
(z - a)+1d
z ( kÎZ )(57-30)
を f の ,
rLaurent
展開といいます。C は \\ {
a}
特に f が一点 a を除いて正則、すなわち a の近傍 U が存在して \\ {
a} ÌÌ Ua 中心の円、あるいはそれにホモトープな閉曲線 C に対する
(57-32) Res( f ,
a) :º a-1 :º1
2pi
òC f
(
z) dza における留数といいます。また、 ¹ 0 < 0a を f の特異点といい、更にそのような k が無限個存在するとき真性特異点といいます。また、ある > 0-n ¹ 0 > n-k = 0a は f のn位の極であるといい、ある > 0 ¹ 0 < n = 0a は f のn位の零点であるといいます。
aÎC
\\ {
a}lÎΛa のある近傍で | f(z) |
la は除去可能な特異点とよばれることがあります)。
実際、Laurent
展開 (57-30)
の係数 (57-31)
を a 中心の半径 e の円 e について考えると、 > 0
(57-33) | a
-k |l =1
2p|
|
|ò
Ce(
z - a)k-1 f(z) dz|
|l£1
2pò2p
0ek-1 | f(
ta + eei t ) ie ei t |l d£ ek sup{ | f(
z) |l | zÎCe } ® 0 ( e ¯ 0 )-k = 0( k
> 0 )(57-30)
の右辺は a の近傍で正則であることがわかります。
C
の開集合 Ω からその相異なる有限個の元 ai( i
= 1, 2 ,¼, k ) :º Ω \\ {
a1 , a2 ,¼, ak } ÌÌ Ω'
(57-34)
1
2pi
òC f
(
z) dz = k
å
i=1Wind(C,
ai ) Res( f , ai )
その証明ですが、前節 (56-41)
の証明で用いた記号をそのまま使うことにします。ただし C は Ω で可縮ですから Γ は一点であると仮定することができます。
そこで、Δ(« p, q », « p, q
+1», « p+1, q »)Δ(« p
+1, q », « p, q+1 », « p+1, q+1 »)Dj :º D(
rj , sj , tj )( j
= 1 ,¼, l )¶Dj :º [
rj , sj , tj , rj ]
(57-35)
C » C0 » ¶D1 + ¼ + ¶Dl ¹ 0« p, q »
(
1 £ p £ m , 1 £ q £ n )¶Djai(57-35),(56-51b)
により、
(57-36)
1
2pi
òCg
(
z) dz = l
å
j=11
2pi
ò
¶Djg
(
z) dz(
z) :º 1/(z - ai )(57-15)
により
(57-37) Wind(C,
ai ) = l
å
j=1Wind(
¶Dj , ai )
一方、各 j に対し、ai¶Djp 未満ですから、このような3とおりの差を加えたものを 2pWind(
¶Dj , ai )0 , ± 1± 1(49-17)
により ± ¶D(57-32)
の C と C \\ {
ai}
また、分割の幅 d を十分小さく取っておけば、各 j に対して高々一個を除くすべての i に対して aiÏDjWind(
¶Dj , ai ) = 0
(57-38)
1
2pi
ò
¶Dj f
(
z) dz = k
å
i=11
2pi
Wind(
¶Dj , ai ) Res( f , ai)(57-36)
の g に f を代入したものを用い、右辺に (57-37)
を用いれば (57-34)
が得られます。