数学の基礎


57.複素積分

 Ω を複素数体 C の開部分集合、X をセミノルムの族 { | · |l | Λ } を持つ C 上の完備な局所凸空間とするとき、Ω でコンパクト一様連続で Ω の各点で微分可能な関数 f : Ω ® X正則関数といいます。明らかに、正則関数同士の和、正則関数と複素数値正則関数の積は正則関数です。

 正則関数  f : Ω ® X と任意の zÎC に対し、z の関数 1/(z - z)Ω \\ {z} で正則ですから、f(z)/(z - z)z の関数として Ω \\ {z} で正則です。
 ここで Ω と正数 rD{ C | | z - a | £ r } ÌÌ Ω を満たすとき、a を中心とする円 j(t) :º a + rei t ( 0 £ t £ 2p ) に対して C :º j[[0, 2p]] と書くとき、Cauchyの積分公式

(57-1)   f(z) = 1
—–
2p
i
òC  f(z)
——–
 z - z
dz       (  | z - a | < r  )

が成り立つことを証明しましょう。
 実際、任意に正数 d < r - | z - a | を取り、yd(t) z + dei t ( 0 £ t £ 2p ) 及び Γd :º yd [[0, 2p]] と置き、関数 Φ : [0, 1] ´ [0, 2p] ® X

(57-2)  Φ(s, t) z + s(a - z) + {d + (r - d)s}ei t

で定義すると、これは明らかに一様連続で、曲線 Φ(0, · )Γd を、曲線 Φ(1, · )C を表し、しかも

(57-3a)  | Φ(s, t) - a | £ | Φ(s, t) - {z + s(a - z)} | + | {z + s(a - z)} - a |

= | d + (r - d)s | + | (1 - s)(z - a) |

= rs + (1 - s)d + (1 - s)| z - a |

£ rs + (1 - s)r

= r

(57-3b)  | Φ(s, t) - z | ³ | Φ(s, t) - {z + s(a - z)} | - | {z + s(a - z)} - z |

= | d + (r - d)s | - | s(a - z) |

= rs + (1 - s)d - s | z - a |

³ ds + (1 - s)d

= d

ですから、CΓdΦ により Ω \\ {z} でホモトープになります。ゆえに (56-51b) により

(57-4)  òC  f(z) dz = ò

Γd
 f(z) dz

が成り立ちます。一方、

(57-5)  ò

Γd
dz
——–
 z -
z
= ò 2p

0
yd'(t) dt
————
yd(t) -
z
= ò 2p

0
ideit dt
———
deit
= i ò 2p

0
dt = 2pi

が成り立ち、また任意の Λe > 0 に対して、f のコンパクト一様連続性により、d

(57-6)  |  f(z) - f(z) |l £ e       ( Γd )

となるように選ぶことができます。従って

(57-7)  |
|
|
2pi f(z) - òC  f(z)
——–
 z - z
dz |
|
l
= |
|
|
2pi f(z) - ò

Γd
 f(z)
——–
 z - z
dz |
|
l

= |
|
|
ò

Γd
 f(z) - f(z)
————–
 z - z
dz |
|
l

= ò

Γd
|  f(z) - f(yd (t)) |l | yd'(t) |
————–
| yd(t) - z |
dt

£ e ò 2p

0
| ideit |
———
| deit |
dt

= 2pe

となり、le は任意ですから、(57-1) は証明されました。
 さて、任意に正数 r < r を取ると、(27-7) により、C すなわち | z - a | = r のとき、z について Dr{ zÎC | | z - a | £ r } 上一様に

(57-8)  ¥
å
k=0
 (z - a)k
————
 (z - a)
k+1
= 1
——–
z - a
1
———————–
1 -
(z - a)/(z - a)
= 1
——–
 z -
z

となりますから、(57-1) の右辺に (57-8) を代入して積分と和の順序を交換すれば、

(57-9)   f(z) = 1
—–
2p
i
¥
å
k=0
òC  (z - a)k
————
 (z - a)
k+1
 f(z) dz = ¥
å
k=0
ak(z - a)k       (  | z - a | < r  )

となります。ただし

(57-10)  ak = 1
—–
2p
i
òC  f(z
————
 (z - a)
k+1
dz ÎX

です。すなわち、複素数体 C の開集合で定義された関数は、正則なら冪級数展開できることがわかります。しかも、任意の Λ に対して

(57-11)  | ak |l £ 1
—–
2p
ò 2p

0
|  f(z) |l
—————–
| j(t) - a |
k+1
| j'(t) | dt £ 1
—–
2p
Ml
——
rk+1
ò 2p

0
r dt = Ml
——
rk
      (  Ml sup{ |  f(z) |l | C }  )

ですから、(57-9) の右辺の冪級数は、任意のセミノルムに対して Dr 上で一様に絶対収束します。従って、第29節の議論により、f無限階微分可能で、その冪級数は項別に微分可能であることがわかります。このことから更に、一般に a の近傍で正則な f に対して

(57-12)   f(z) - f(a)
————–
z - a
= ¥
å
k=1
ak(z - a)k-1       (  z ¹ a  )

が成り立つので、(57-12) の左辺は、z = a の近傍における値を右辺によって定義し直せば、f の定義域全体で正則になることがわかります。
 この事実を使って、正則な  f : Ω ® X と、Ω可縮で長さを持つ任意の閉曲線 C に対し、zÎΩC ÌÌ Ω \\ {z} を満たせば、Cauchyの積分公式 (57-1) を拡張した

(57-13)  Wind(C, z) f(z) = 1
—–
2p
i
òC  f(z)
——–
 z - z
dz

が成り立つことを証明しましょう。
 実際、(57-12)zz を、az を代入したものは、z の関数として Ω 上の正則関数 gz ¹ z において、従って特に C 上で一致します。ゆえに CΩ で可縮であることから

(57-14)  0 = òC g(z) dz = òC  f(z) - f(z)
————–
 z - z
dz = òC  f(z)
——–
 z - z
dz - f(z) òC dz
——–
 z -
z

 一方 nWind(C, z) と置き、j(t) z + eit で定義される関数 j : [0, 2np] ® C の作る閉曲線を Γ とすれば、明らかに Wind(Γ, z) = n です。
 ゆえに、(49-17) により CΓC \\ {z} でホモトープです。従って (56-51b) により、

(57-15)  òC dz
——–
 z -
z
= òΓ dz
——–
 z -
z
= ò 2np

0
j'(t) dt
———–
j(t)
- z
= i ò 2np

0
dt = 2npi = 2pi Wind(C, z)

となるので、これを (57-14) に代入すれば (57-13) が得られます。

 さて、複素数 ah に対して

(57-16)  1
—–
 h
ì
í
î
1
—–
 a
k
- 1
———–
 (a + h)k
ü
ý
þ
- k
————
 (a + h)k+1
= (a + h)k+1 - (a + h)ak - khak
————————————
hak
(a + h)
k+1
=  1 
——————
hak(a + h)k+1
k+1
å
i=2
æ
è
k + 1
 i
ö
ø
ak+1-i hi = k+1
å
i=2
æ
è
k + 1
 i
ö
ø
hi-1
—————–
 ai-1
(a + h)k+1

は、h ® 0 のとき、正数 d に対して | a | , | a + h | ³ d において一様に 0 に収束します。
 ゆえに az - (z + h) を代入すると、Cauchyの積分公式 (57-1) において、{(z - (z + h))-k - (z - z)-k }/hh ® 0 のとき C について一様に k(z - z)-k-1 に収束することがわかるので、(57-1) の両辺を z について k 回微分すると、極限操作と積分の順序が交換できて、f の高階導関数を f の積分で表す式:

(57-17)   f (k)(z) = 1
—–
2p
i
òC dk
—–
d
zk
 f(z)
——–
 z - z
dz =  k!
—–
2pi
òC  f(z
————
 (z - z)
k+1
dz

が得られます。

 さて次に、Cauchyの積分定理の逆、すなわち Ω でコンパクト一様連続な f が、任意の三角形に対して (56-51a) を満たせば f は正則であることを証明しましょう(Moreraの定理)。
 実際、任意に Ω を取り、D{ zÎC | | z - a | < r } ÌÌ Ω となるように r > 0 を取ると、任意の zÎD に対して線分 [a, z] ÌÌ D ですから、D 上の関数 g

(57-18)  g(z) ò[a, z]  f(z) dz

で定義します。このとき z + hÎD なら D(a, z, z + h) ÌÌ D なので、(56-51a) により

(57-19)  g(z + h) - g(z) = ò[a, z + h]  f(z) dz - ò[a, z]  f(z) dz = ò[z, z + h]  f(z) dz = ò 1

0
 f(z + th) (z + th)' dt = h ò 1

0
 f(z + th) dt

ですから、任意の K ÌÌ DΛe > 0 に対し、f の一様連続性により、d > 0 が存在して、

(57-20)  |  f(z + th) - f(z) | £ e       ( zÎK , | h | < d )

となるので

(57-21)  |
|
|
g(z + h) - g(z)
——————
h
- f(z) |
|
l
£ ò 1

0
|  f(z + th) - f(z) |l dt £ e       ( zÎK , | h | < d )

となって、これは gD 上でコンパクト一様連続かつ微分可能で、g' = f であることを意味しています。
 ゆえに、既に示したことから gD で無限階微分可能で、従ってその導関数である fD で(無限階)微分可能であることがわかります。a は任意に取れますから、fΩ 上至るところ微分可能で、従って正則です。

 このMoreraの定理を使うと、Ω で正則な関数の列 { fn | zÎN } が、Ω で定義された関数 f に任意のコンパクト集合 K ÌÌ Ω 上で一様に収束すれば、f も正則であることがわかります。
 実際、任意の三角形 D(u, v, w) ÌÌ Ω に対し、Cauchyの積分定理により (56-51a)ffn に置き換えたものが成り立つので、n ® ¥ とすれば、f に対しても (56-51a) が成り立ち、従ってMoreraの定理により f は正則です。

 さて、C 全体で正則な関数を整関数といいます。整関数を冪級数に展開すると、これはすべての値で収束します。
 多項式はもちろん整関数ですが、CBanach環とみなしたときの exp , sin , cos も、多項式のコンパクト集合上一様収束極限と表されるので整関数です。また Γ 関数の逆数 G も、整関数のコンパクト集合上一様収束極限と表されるので整関数です。

 整関数は、有界なら定数です(Liouvilleの定理)。
 実際、a = 0 と置くと、(57-9) は任意の r > 0 に対して、従って任意の zÎC について成り立ち、(57-11) は、Ml{ |  f(z) |l | C } の上界で置き換えれば任意の r > 0 に対して成り立ちます。
 ここで r ® ¥ とすれば、k ³ 1 に対して | ak |l = 0 がわかり、l は任意ですから ak = 0 ( k ³ 0 ) となります。ゆえに (57-9) により f(z) = a0 すなわち f は定数であることがわかります。

 さて、開集合 Ω Ì C は、その任意の2点を両端に持つ折れ線 ÌÌ Ω が存在するとき領域といいます。
 このとき、領域 Ω で定義された正則な関数 fg が、ある Ω に収束する点列 { ai | iÎN } Ì Ω \\ {a} の上で一致すれば Ω 全体で一致することを証明しましょう(一致の定理)。
 実際、f - g を改めて f と書くことにより、g = 0 と仮定することができます。さて、fa のまわりで冪級数 (57-9) に展開できます。ここですべての k に対して ak = 0 であることを証明しましょう。
 まず、f(ai ) = 0aia に収束し、f は連続ですから a0 = f(a) = 0 がわかります。
 次に、すべての k < n に対して ak = 0 であると仮定します。このとき、a の近傍で

(57-22)   f(z) = ¥
å
k=n
ak(z - a)k

ですから、zai ¹ a を代入して両辺を (ai - a)n で割れば、

(57-23)  0 =  f(ai
————
 (ai - a)
n
= ¥
å
k=n
ak(ai - a)k-n

となるので、i ® ¥ とすれば、右辺は an に収束するので an = 0 がわかります。
 ゆえに帰納法により、すべての k に対して ak = 0 であることがわかり、従って (57-9) の右辺は 0 であることがわかりました。
 ところで a 中心の円の内部 DΩ に含まれれば、D(57-9) が成り立つのでしたから、これは Df = 0 であることがわかります。
 さて、Ω の任意の点 z を取ります。Ω は領域なので、az を結ぶ折れ線 Γ が存在しますが、Γ 上の点 bj ( j = 0, 1 ,¼, m ) で、b0 = a , bm = z かつ 各 j < m に対し、bj 中心の円で、その内部 Djbj+1 が入るようなものが存在するようにできます。
 このとき、上に示したことにより、bj に収束する点列で f がその上で 0 となるようなものが存在すれば、Dj 上で f0 となることがわかります。ゆえに j に関する帰納法により、Dm-1 上で f0 となることがわかり、zÎDm-1 ですから、f(z) = 0 が証明されました。

 次に、同心円に囲まれた領域 DR, r{ zÎC | r < | z - a | < R } ÌÌ Ω のとき、正則な関数  f : Ω ® XzÎDR, r における値を DR, r の境界における積分で表してみましょう。
 [0, 2p] 上の関数 j(t) z + Rei t で定義される閉曲線を C と書き、[0, 2p] 上の関数 y(t) z + rei t で定義される閉曲線を Γ と書けば、ΩC » Γ ですから、Ω で正則な z の関数 { f(z) - f(z)}/(z - z) に対して (56-51b) を適用すれば、

(57-24)  òC  f(z) - f(z)
————–
 z - z
dz = òΓ  f(z) - f(z)
————–
 z - z
dz

すなわち

(57-25)   f(z) ì
í
î
òC dz
——–
 z -
z
- òΓ dz
——–
 z -
z
ü
ý
þ
= òC  f(z)
——–
 z - z
dz - òΓ  f(z)
——–
 z - z
dz

となります。ここで [0, 1] ´ [0, 2p] 上で

(57-26a)  Φ(s, t) z + s(a - z) + Rei t

(57-26b)  Ψ(s, t) :º a + srei t

と定義すれば、| Φ(s, t) - z | ³ R - s | z - a | ³ R - | z - a | > 0 で、Φ(0, · )z 中心の円、Φ(1, · ) = j ですから Wind(j, z) = Wind(Φ(0, · ), z) = 1 であり、| Ψ(s, t) - z | ³ | z - a | - r > 0 で、Ψ(0, z) は一点、Ψ(1, z) = y ですから Wind(y, z) = Wind(Ψ(0, · ), z) = 0 となります。従って (57-15) により

(57-27a)  òC dz
——–
 z -
z
= 2pi

(57-27b)  òΓ dz
——–
 z -
z
= 0

となります。一方、

(57-28a)  ¥
å
k=0
 (z - a)k
————
 (z - a)
k+1
= 1
——–
z - a
1
———————–
1 -
(z - a)/(z - a)
= 1
——–
 z -
z
      (  | z - a | = R  )

(57-28b)  ¥
å
k=0
 (z - a)k
————
 (z - a)
k+1
= 1
——–
z - a
1
———————–
1 -
(z - a)/(z - a)
= - 1
——–
 z -
z
      (  | z - a | = r  )

で、これらはいずれも z について一様に収束しますから、積分と和の順序を入れ替えることができて、

(57-29a)  òC  f(z)
——–
 z - z
dz = ¥
å
k=0
òC  (z - a)k
————
 (z - a)
k+1
 f(z) dz

(57-29b)  - òΓ  f(z)
——–
 z - z
dz = ¥
å
k=0
òΓ  (z - a)k
————
 (z - a)
k+1
 f(z) dz

 ゆえに、(57-25),(57-27),(57-29) により

(57-30)   f(z) = 1
—–
2p
i
¥
å
k=0
òC  (z - a)k
————
 (z - a)
k+1
 f(z) dz + 1
—–
2p
i
¥
å
k=0
òΓ  (z - a)k
————
 (z - a)
k+1
 f(z) dz = ¥
å
k=-¥
ak(z - a)k       (  r <| z - a | < R  )

と書けます。ただし、被積分関数の定義域において C » Γ ですから、(56-51b) により Γ 上の積分は C 上の積分と一致し、従って

(57-31)  ak = 1
—–
2p
i
òC  f(z
————
 (z - a)
k+1
dz       ( kÎZ )

となります。この (57-30)fDR, r におけるLaurent展開といいます。CΩ \\ {a} においてホモトープな任意の閉曲線に置き換えることが可能です。
 特に f が一点 a を除いて正則、すなわち a の近傍 U が存在して U \\ {a} で正則なとき、C ÌÌ U となるような a 中心の円、あるいはそれにホモトープな閉曲線 C に対する

(57-32)  Res( f , a)a-1 1
—–
2p
i
òC  f(z) dz

のことを fa における留数といいます。また、ak ¹ 0 となる k < 0 が存在するとき af特異点といい、更にそのような k が無限個存在するとき真性特異点といいます。また、ある n > 0 に対して a-n ¹ 0 かつ k > n に対して a-k = 0 であるとき afn位の極であるといい、ある n > 0 に対して an ¹ 0 かつ k < n に対して ak = 0 であるとき afn位の零点であるといいます。

 UC の近傍、fU \\ {a} で定義された正則関数で、各 Λ に対して a のある近傍で |  f(z) |l が有界ならば、fU 全体に正則に拡張できます(このような a除去可能な特異点とよばれることがあります)。
 実際、Laurent展開 (57-30) の係数 (57-31)a 中心の半径 e の円 Ce について考えると、k > 0 のとき

(57-33)  | a-k |l = 1
—–
2p
|
|
|
ò

C
e
(z - a)k-1 f(z) dz |
|
l
£ 1
—–
2p
ò 2p

0
ek-1 |  f(a + eei t ) ie ei t |l dt £ ek sup{ |  f(z) |l | Ce } ® 0       ( e ¯ 0 )

ですから a-k = 0 ( k > 0 ) がわかり、(57-30) の右辺は a の近傍で正則であることがわかります。

 さて、C の開集合 Ω からその相異なる有限個の元 ai ( i = 1, 2 ,¼, k ) を除いて得られる開集合 Ω'Ω \\ { a1 , a2 ,¼, ak }f が正則なら、Ω で可縮な長さを持つ閉曲線 C ÌÌ Ω' に対して

(57-34)  1
—–
2p
i
òC  f(z) dz =  k
å
i=1
Wind(C, ai ) Res( f , ai )

が成り立ちます。これを留数定理といいます。
 その証明ですが、前節 (56-41) の証明で用いた記号をそのまま使うことにします。ただし CΩ で可縮ですから Γ は一点であると仮定することができます。
 そこで、Δ(« p, q », « p, q+1», « p+1, q ») 及び Δ(« p+1, q », « p, q+1 », « p+1, q+1 ») の全体を一列に並べなおして Dj :º D(rj , sj , tj ) ( j = 1 ,¼, l ) と書き、対応する三角形を ¶Dj[rj , sj , tj , rj ] と書くことにします。このとき、Ω'

(57-35)  C » C0 » ¶D1 + ¼ + ¶Dl

が成り立ちます。更に、p ¹ 0 に対する頂点 « p, q » ( 1 £ p £ m , 1 £ q £ n ) の“位置”を、まず p について、次いで q について順に少し“ずらす”ことによって、すべての ¶Djai の距離を正にしておくことができます。このとき (57-35),(56-51b) により、Ω' で正則な任意の g に対して

(57-36)  1
—–
2p
i
òC g(z) dz =  l
å
 j=1
1
—–
2p
i
ò

¶Dj
g(z) dz

が成り立ちます。これを g(z) :º 1/(z - ai ) に対して適用すれば、(57-15) により

(57-37)  Wind(C, ai ) =  l
å
 j=1
Wind(¶Dj , ai )

が成り立ちます。
 一方、各 j に対し、ai から見た ¶Dj の頂点から隣の頂点までの連続な偏角の差は、絶対値がいずれも p 未満ですから、このような3とおりの差を加えたものを 2p で除して得られる整数 Wind(¶Dj , ai )0 , ± 1 のいずれかであり、しかも ± 1 のときは、(49-17) により ± ¶D(57-32)CC \\ {ai} でホモトープです。
 また、分割の幅 d を十分小さく取っておけば、各 j に対して高々一個を除くすべての i に対して aiÏDj 従って Wind(¶Dj , ai ) = 0 となるので、

(57-38)  1
—–
2p
i
ò

¶Dj
 f(z) dz =  k
å
i=1
1
—–
2p
i
Wind(¶Dj , ai ) Res( f , ai)

が得られます。これを j について加え、左辺に (57-36)gf を代入したものを用い、右辺に (57-37) を用いれば (57-34) が得られます。

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