微分多様体


17.被覆のコホモロジー

 M の開被覆 O で、各 OÎO と交わる O の元は有限個しかなく、更に O の元の有限個の交わりがすべて Rn のある凸開集合と微分同型になっているとき、OM標準被覆とよぶことにします。
 O = { Oi | iÎI } を標準被覆、p ³ 0 とします。各 u º (i, j ,¼, k)ÎI p+1 に対して実数 cu º cij¼k を対応させる関数 c

(17-1)  cu = 0       ( Ou º OiÇOjǼÇOk = Æ )

(17-2)  csu = (-)scu       ( Ou ¹ Æ )

を満たすものを標準被覆 O に対するp次のcochainといい、その全体を C p(O) と書きます。ただし su の成分に対する置換で、(-)s はその符号です。明らかに、u の成分に同じものがあれば cu = 0 となります。
 また、O に対するcochainのうち、有限個の uÎI p+1 以外では 0 となるものをp次のchainといい、その全体を Cp(O) と書きます。

 次に、cÎC p(O) に対する余境界 dc を、I p+2 上の実数値関数として次のように定義します:

(17-3)  (dc)u = ì
ï
í
ï
î 
p+1
å
r=0
(-1)rcu[r]       ( Ou¹ Æ )

 0                         ( Ou= Æ )

 ただし uÎI p+2 の左から第 r + 1 番目の成分を落とした I p+1 の元を u[r] と書きました。dc は明らかに (17-1)(17-2) を満たすので、dcÎC p+1(O) となっています。また、

(17-4)  (ddc)u
= p+2
å
s=0
(-1)s(dc)u[s]

= p+2
å
s=0
p+1
å
r=0
(-1)s+rcu[s][r]
=  
å
r<s£ p+2
(-1)s+rcu[s][r] +  
å
s£r£ p+1
(-1)s+rcu[s][r]
=  
å
r<s£ p+2
(-1)s+rcu[r][s-1] +  
å
s£r£ p+1
(-1)s+rcu[s][r]
=  
å
r<s£ p+1
(-1)s+1+rcu[r][s] +  
å
s£r£ p+1
(-1)s+rcu[s][r]

= 0

 すなわち

(17-5)  dd = 0

が成り立ちます。ゆえに次のような図式:

(17-6)  0 ® C 0(O) d
®
C¹(O) d
®
C²(O) d
®
¼

において、矢印を2個繋ぐと零射になることがわかります。そこで、

(17-7a)  Z p(O) = Ker { d : C p(O) ® C p+1(O) }

(17-7b)  B p(O) = Im { d : C p-1(O) ® C p(O) }

と置くと、B p(O) Ì Z p(O) なので、

(17-8)  H p(O) = Z p(O)/B p(O)

という群を考えることができます。H p(O) を、標準被覆 Oコホモロジー群とよびます。また、Z p(O) の元をcocycleB p(O) の元をcoboundaryといいます。

 また、cÎCp+1(O) に対する境界 c を、各 uÎI p に対して

(17-9)  (c)u = ( p+2)  
å
iÎI
ci, u 

で定義します。ただし、添字の i, u は、u の最初の成分の手前に i を並べてできる I p+1 の元です。
 この定義において、
ci, u ¹ 0 となる iÎI は有限個しかないので、右辺の和は有限和です。また ci,u ¹ 0 となる u も有限組しかないので、(c)u ¹ 0 となる u も有限組しかありません。ゆえに cÎCp(O) がわかります。

(17-10)  (¶¶c)u = ( p+1)  
å
 jÎI
(c)j, u = ( p+1)( p+2)  
å
 i, jÎI
ci, j, u 

となりますが、右辺は添字に対する反対称性により 0 となります。すなわち についても

(17-11)  ¶¶ = 0

が成り立つことがわかります。そこで次のような図式:

(17-12)  ¼
® 
C2(O)
® 
C1(O)
® 
C0(O) ® 0

において、矢印を2個繋ぐと零射になることがわかります。そこで、

(17-13a)  Zp(O) = Ker { : Cp(O)®Cp-1(O) }

(17-13b)  Bp(O) = Im { : Cp+1(O)®Cp(O) }

と置くと、Bp(O) Ì Zp(O) なので、

(17-14)  Hp(O) = Zp(O)/Bp(O)

という線形空間を考えることができます。Hp(O) を、標準被覆 Oホモロジー群とよびます。また、Zp(O) の元をcycleBp(O) の元をboundaryといいます。

 ここで標準被覆 O のホモロジーとコホモロジーの双対関係を確かめてみます。cÎCp(O)c'ÎC p(O) に対して
(17-15)  á c', c ñ =  
å  
uÎI p+1
c'u cu

と定義すると、右辺は有限和なので、これは c'c の双線形汎関数を定めます。また、c' = 0 Û "cÎCp(O) á c', c ñ = 0 および c = 0 Û "c'ÎC p(O) á c', c ñ = 0 が成り立ちます。この双線形汎関数によって、C p(O) は、Cp(O)代数的双対、すなわち Cp(O) 上の実線形汎関数全体の集合と同一視することができます。さらに、任意の cÎCp+1(O)c'ÎC p(O) に対して
(17-16)   á c', c ñ = ( p+2)   
å  
uÎI p+1
 
å
iÎI
c'u ci, u = ( p+2)   
å  
vÎI p+2
c'v[0] cv =   
å  
vÎI p+2
p+1
å
r=0
(-1)rc'v[r]cv = á dc', c ñ

が成り立つので、d は、互いに共役作用素の関係にあります。また、Hp(O) の元を代表元 cÎZp(O) の同値類 [c] として表わし、H p(O) の元を代表元 c'ÎZ p(O) の同値類 [c'] として表わせば、それらの双線形汎関数 á [c'], [c] ñ

(17-17)  á [c'], [c] ñ = á c', c ñ

で定義することができます。実際、[c'1] = [c'2] , [c1] = [c2] とすると、c'1 = c'2 + dg' , c1 = c2 + ¶g と書けるので、

(17-18)  á c'1, c1 ñ = á c'2 + dg', c2 + ¶g ñ = á c'2, c2 ñ + á dg', c2 ñ + á c'2, g ñ + á dg', g ñ = á c'2, c2 ñ + á g', c2 ñ + á dc'2, g ñ + á g', ¶¶g ñ = á c'2, c2 ñ

となり、(17-17) の右辺は代表元の取り方に依存せずに定まることがわかります。ゆえに H p(O) の元 [c'] は、Hp(O) の代数的双対 Hp(O)* の元を定めます。
 もし [c']Hp(O)* の零元を定めたとすると、(17-17) により c'ÎZp(O)^ ですが、(17-16) により B p(O)^ = Zp(O) ですから c'ÎB p(O)^ ^ です。そこで、もし C p(O) が有限次元空間ならc'ÎB p(O)^ ^ = B p(O) となるので [c'] = 0 がわかり、この対応は1対1となります。
 さらに、この対応は Hp(O)*上への対応であることを確かめましょう。fHp(O) 上の実線形汎関数とすると、cÎZp(O) に対して、h(c) = f([c]) と置き、h の定義域を Cp(O) 全体に線形に拡張したものを c' と書くことにします。すると、任意の gÎCp+1(O) に対し、gÎBp(O) Ì Zp(O) ですから、

(17-19)  á dc', g ñ = á c', g ñ = h(g) = f([g]) = f(0) = 0

となるので、g の任意性により dc' = 0 すなわち c'ÎZ p(O) がわかります。ゆえに任意の cÎZp(O) に対し、

(17-20)  f([c]) = h(c) = á c', c ñ = á [c'], [c] ñ

すなわち f = [c'] がわかります。以上で、もし C p(O) が有限次元空間なら H p(O)H p(O)* と同一視できることがわかりました:

(17-21)  H p(O) = Hp(O)*

 この“C p(O) が有限次元”という条件は、M に有限個の開集合からなる標準被覆が存在すれば成り立ちますが、以下で確かめるように、パラコンパクト多様体には常に相対コンパクトな開集合からなる標準被覆が存在しますから、特に多様体 Mコンパクトなら条件は満たされます。

 さてここで、任意のパラコンパクト多様体には必ず標準被覆が存在することを証明しましょう。そのための準備として、補題を2つ証明しておきます。

補題1  位相空間 M の、相対コンパクト開集合からなる任意の局所有限開被覆 { Ul | Λ } に対し、同じ添字を持ち Vl ÌÌ Ul であるような M の開被覆 { Vl | Λ } が存在する。
 ただし A ÌÌ B とは、AB° のコンパクト部分集合であることを意味する。

 さてその証明ですが、整列可能定理により、Λ に整列順序を入れ、Vl を超限帰納法によって構成していきましょう。
 { Vn | n < l } が、Vn ÌÌ Un を満たし、かつ任意の m < l に対して

(17-22)  ( Èn£m Vn ) È ( Èn>mUn ) = M

を満たすように構成できたとします。

(17-23)  K º M  \ {( Èn<lVn ) È ( Èn>lUn )}

と置くと、K は閉集合ですが、KUl に含まれることを証明しましょう。もし含まれないとすれば、

(17-24)  M ¹ ( Èn<lVn ) È ( Èn³lUn )

となるので、右辺に属さない sÎM が存在します。{ Un | Λ }M の局所有限開被覆ですから、sÎUn となる最大の n が存在します。これを m と書くことにします。m ³ l ではあり得ませんから m < l です。さて、sÏÈn>mUn が成り立ちますが、(17-22)m < l により sÎÈn£mVn Ì Èn<lVn でなければなりませんから、これは s(17-24) の右辺に属さないという仮定に反します。
 以上で K Ì Ul がわかりました。K は閉で、かつ相対コンパクト集合 Ul に含まれますからコンパクトです。ゆえに K の各点は、Ul に含まれるコンパクト近傍を持ち、それらの有限個の内部だけで K を覆うことができます。そこで、その内部の合併を Vl と書けば、K Ì Vl ÌÌ Ul は明らかです。ゆえにこれと (17-23) により、m = l に対して (17-22) が成立することがわかり、以上で Vl ( Λ ) が構成でき、(17-22) がすべての Λ について成立することもわかりました。

 補題1を証明するには、{ Vl | Λ }M を覆うことを証明すれば十分です。{ Un | Λ }M の局所有限開被覆ですから、任意の sÎM に対し、sÎUn となる最大の n が存在します。これを m と書くと、sÏÈn>mUn ですから、(17-22) により、sÎÈn£mVn となって、補題1は証明されました。

補題2  U , VRn の開集合、f : U ® V を微分同型とする。このとき、任意の W ÌÌ V に対し、e > 0 をうまく選んで、W と交わる半径 e 以下の球の f による逆像が必ず凸集合になるようにすることができる。

 この補題を証明するために、次の変形を用います。

(17-25)  f(tξ + (1 - t)η) - f(η) = ò 1


0
d
—–
d
s
 f(η + st(ξ - η)) ds =  n
å
r=1
t(xr - hr) ò 1

0
r f(η + st(ξ - η)) ds =  n
å
r=1
t(xr - hr)gr(ξ, η, t)

 ただし、

(17-26)  gr(ξ, η, t) = ò 1

0
r f(η + st(ξ - η)) ds

です。特に (17-25)t = 1 と置けば、

(17-27)  f(ξ) - f(η) =  n
å
r=1
(xr - hr)gr(ξ, η, 1)

 したがって、(17-27) の両辺に t を乗じて (17-25) を辺々差し引けば、

(17-28)  { t f(ξ) + (1 - t) f(η) } - f(tξ + (1 - t)η)
=  n
å
r=1
t(xr - hr){gr(ξ, η, 1) - gr(ξ, η, t)}
=  n
å
r=1
t(xr - hr) ò 1


t
d
—–
d
t
gr(ξ, η, t) dt
=  n
å
r,s=1
t(xr - hr)(xs - hs)hrs(ξ, η, t) dt

 ただし

(17-29)  hrs(ξ, η, t) = ò 1

t
rs f(η + st(ξ - η)) ds

です。一方、d > 0 を十分小さく取れば、f -1(W )2d 近傍の閉包 K2dU のコンパクト集合になるので、ある L < ¥ が存在して

(17-30)  |rs f(ζ )| £ L       ( ζÎK2d )

とできるので、

(17-31)  |hrs(ξ, η, t)| £ L(1 - t)       ( ξ, ηÎKd , 0 £ t £ 1 , |ξ - η| £ d )

 ゆえに (17-28) から、

(17-32)  |{ t f(ξ) + (1 - t) f(η) } - f(tξ + (1 - t)η)| £ n²Lt(1 - t)|ξ - η|²       ( ξ , ηÎKd , 0 £ t £1 , |ξ - η| £ d )

 また、f -1V 上で微分可能かつ各導関数は f(Kd ) 上で有界ですから、ある N < ¥ が存在して

(17-33)  | f -1(u) - f -1(v)| £ N |u - v|       ( u, vÎf(Kd ) )

 さて、ed/(2N ) より小さく、かつ W2e 近傍 W2e の逆像 f -1(W2e )Kd に含まれるようにとります。また aÎV を、その e 閉近傍 Ba,eW と交わるように任意に取り、ξ, ηÎ f -1(Ba,e ) を任意に取ります。
 u = f(ξ) , v = f(η) と置くと、Ba,e ÇW ¹ Æ ですから、u, vÎBa,e Ì W2e Ì f(Kd ) となるので、(17-33) により

(17-34)  |ξ - η| = | f -1(u) - f -1(v)| £ N |u - v| £ 2Ne £ d

 また、ξ, ηÎKd ですから、(17-34),(17-32),(17-33) により

(17-35)  |tu + (1 - t)v - f(tξ + (1 - t)η)| £ n²LN ²t(1 - t)|u - v|²       ( u, vÎBa,e , 0 £ t £ 1 )

が成り立ちます。ここで

(17-36a)  p º u - a

(17-36b)  q º v - a

と置けば、

(17-37)  |u - v| = |( p + a) - (q + a)| = | p - q|

(17-38)  tu + (1 - t)v = t( p + a) + (1 - t)(q + a) = tp + (1 - t)q + a

が成り立ちます。よって (17-35) により

(17-39)  | f(tξ + (1 - t)η) - a| £ |tu + (1 - t)v - a| + |tu + (1 - t)v - f(tξ + (1 - t)η)|

£ |tp + (1 - t)q| + n²LN ²t(1 - t)|u - v

= (|tp + (1 - t)q|²)½ + n²LN ²t(1 - t)| p - q

= {t²| p + (1 - t)²|q + 2t(1 - t)p · q}½ + n²LN ²t(1 - t)(| p + |q - 2p · q)

£ {t²e² + (1 - te² + 2t(1 - t)e²a}½ + n²LN ²t(1 - t)(e² + e² - 2e²a)

= e{1 - 2t(1 - t)(1 - a)}½ + 2n²LN ²t(1 - t)e²(1 - a)

£ e{1 - t(1 - t)(1 - a)} + 2n²LN ²t(1 - t)e²(1 - a)

£ e - et(1 - t)(1 - a)(1 - 2n²LN ²e)

 ただし

(17-40)  a =  p · q
——–
e²

と置き、| p|, |q| £ e , |a| £ 1 を使いました。ゆえに e1/(2n²LN ²) より小さく取っておけば、(17-39) により

(17-41)  | f(tξ + (1 - t)η) - a| £ e

 すなわち

(17-42)  f(tξ + (1 - t)η)ÎBa,e

となり、これは ξ, ηÎ f -1(Ba,e ) Þ tξ + (1 - t)ηÎ f -1(Ba,e ) を意味していますから、これで f -1(Ba,e ) が凸集合であることがわかり、補題2は証明されました。

 さて、以上で証明した2つの補題を使って、任意のパラコンパクト多様体上に標準被覆が存在することを証明します。

 M をパラコンパクト多様体とします。M の各点 s に対し、s の相対コンパクトな近傍 Os を定義域とする局所座標 xs が存在し、{ Os | sÎM }M の開被覆になります。M はパラコンパクトですから、これより細かい局所有限開被覆 { Ul | Λ } が存在します。しかも Ul は相対コンパクトで、これを定義域とする局所座標 xl が存在します。
 補題1を2回用いることにより、Wl ÌÌ Vl ÌÌ Ul となる M の開被覆 { Vl | Λ }{ Wl | Λ } が存在します。そこで、各 Λ に対して Λ(l) = { Λ | UnÇUl¹Æ } と置くと、局所有限性と Ul の相対コンパクト性により、Λ(l) は有限集合です。
 さて、各 Λ(l) に対し、fnl = xn ° xl-1 , Uln = xn(UnÇUl) , Vln = xn(VnÇVl) と置きます。このとき fnl : Unl ® Uln は微分同型で、しかも VnÇVl ÌÌ UnÇUl ですから、Vln ÌÌ Uln となっています。
 ゆえに補題2から、eln > 0 が存在して、Vln と交わる半径 eln 以下の球の fnl による逆像、すなわち fln による順像はすべて凸集合になります。さて、

(17-43)  en = min { eln | Λ(n) }

と置けば、Λ(n) は有限集合ですから en > 0 です。一方、xn(Wn) ÌÌ xn(Vn) ですから、xn(Wn)xn(Vn) に含まれる有限個の半径 en 以下の開球 Bni ( iÎIn ) で覆うことができます。このとき、B º { xn-1(Bni) | Λ , iÎIn }M の標準被覆になっていることが以下のようにして示せます。
 まず、M = ÈΛWlWl Ì ÈiÎIlBli ですから、BM の開被覆です。しかも { Vl | Λ } は局所有限で、かつ xl-1(Bli) Ì Vl であり、各 Il は有限集合ですから、B も局所有限で、各 xl-1(Bli) は相対コンパクトです。

 次に、B の元の1個以上有限個の空でない交わり O º xl-1(Bli )Ç xm-1(Bmj )Ç¼Ç xn-1(Bnk ) ¹ Æ を考えます。
 このとき、O Ì xl-1(Bli )Ç xm-1(Bmj ) Ì VlÇVm = xm-1(Vlm) ですから、Bmj ÇVlm É xm(O) ¹ Æ であり、Bmj の半径は elm 以下ですから、elm の定め方により、flm(Bmj ) は凸集合です。同様にして、fln(Bnk ) まですべて凸集合であることがわかります。
 ゆえに、xl(O) = Bli Ç flm(Bmj )Ç¼Ç fln(Bnk ) は、凸集合の有限個の交わりですから凸集合です。これは、ORn の凸開集合と微分同型であることを示しており、以上で BM の標準被覆であることが証明されました。

 この節の最後に、具体的な被覆のコホモロジーを計算してみましょう。ei ( i = 1 ,¼, p )Rp の一時独立なベクトルとし、

(17-44)  e0 = -  p
å
i=1
ei 

と置き、開集合 Oi

(17-45)  Oi = { xÎRn |  x(p) · ei > 0 }

で定義し、I º { 0, 1 ,¼, p }O = { Oi | iÎI } と置きます。ただし x(p)x の最初の p 成分からなる p 次元ベクトルです。各 Oi は半空間ですから、O は、明らかに多様体 Rnp º { xÎRn | x(p) ¹ 0 } の標準被覆です。各 cÎCq(O) に対して

(17-46)  (lc)u = 1
——
 p+1
 p
å
i=0
ci,u 

と置くと、明らかに l : Cq(O) ® Cq-1(O) です。また q £ p - 1 のときは、成分の中に重複がない uÎI q+1 に対して常に Ou ¹ Æ ですから、

(17-47)  cu - (dlc)u = cu -  q
å
r=0
(-1)r(lc)u[r] = cu - 1
——
 p+1
 p
å
i=0
 q
å
r=0
(-1)rci,u[r] = 1
——
 p+1
 p
å
i=0
cu + 1
——
 p+1
 p
å
i=0
 q
å
r=0
(-1)r+1c(i,u)[r+1] = 1
——
 p+1
 p
å
i=0
q+1
å
r=0
(-1)rc(i,u)[r]

 ここで、更に q < p - 1 のときは、Oi,u ¹ Æ ですから、

(17-48)  cu - (dlc)u = 1
——
 p+1
 p
å
i=0
(dc)i,u  = (ldc)u

 すなわち

(17-49)  ld + dl = id

が成り立つので、dc = 0 なら c = dlcÎBq(O) となり、Zq(O) = Bq(O) が得られます。一方、q ³ p なら Cq(O)= 0 ですから、結局

(17-50)  Hq(O) = 0       ( q ¹ p - 1 )

となります。
 最後に q = p - 1 の場合を考えます。成分の中に重複がない任意の uÎI q+1 に対し、u のどの成分とも異なる iÎI が唯一つ存在します。そのような i に対する置換 (0, 1 ,¼, p ) ® (i, u) の符号を su と書き、成分に重複のある u に対しては su = 0 と置くと、s º (su)uÎIq+1ÎCq(O) が成り立ち、(17-46)s の定義により

(17-51)  ls = 0

が成り立ちます。これより直ちに Bq(O) がわかります。なぜなら、もし s = dt ( Cq-1(O) ) と書けたとすると、t(17-49) を施して (17-51) を用いれば、dlt = t となり、これに d を施せば (17-4) により 0 = s となって矛盾するからです。さて、(17-47) により

(17-52)  cu - (dlc)u = 1
——
 p+1
q+1
å
r=0
(-1)rc(i,u)[r] = su
——
 p+1
q+1
å
r=0
(-1)rc(0, 1 ,¼, q)[r]

 すなわち

(17-53)  c - dlc = as

ただし

(17-54)  a = 1
——
 p+1
q+1
å
r=0
(-1)rc(0, 1 ,¼, q)[r]

です。C p(O) = 0 ですから Zq(O) = Cq(O) ですが、(17-52) は、この線形空間が、Bq(O) と、s の張る1次元空間の直和に分解されることを示しています。すなわち

(17-55)  H p-1(O) = R

となっていることがわかります。

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