さて、前節の (7-17)
と (7-18)
は、
(8-1) |
(t, s) dq |
(8-2) A(t, s) |
Aξ(t, s) dq |
と書けます。ただし、
(8-3) |
4pe |
(8-4)Aξ |
4p |
(8-5)R |
r ·v c |
で、(8-3)
と (8-4)
は、それぞれ時刻 0 において点 ξ にあった単位点電荷の作るスカラー及びベクトル・ポテンシャルにほかなりません。そこで、この点電荷の作る電磁場を求めてみましょう。そのために、まず ¶o
to
grad
to¶o
は t による微分を表し、grad
の変数は s です。
まず (7-10)
と (8-5)
より、
(8-6) h'( |
R r |
一方、to
の定義により、
(8-7) h( |
ゆえに、(8-7)
の両辺を t で微分すれば、
(8-8) |
ただし ¶o*
は、t を to
と独立な変数とみなした場合の t による微分を意味します。(7-9)
により
(8-9) |
なので、これと (8-6)
により、(8-8)
は
(8-10) |
R r |
ot o= 0 |
となり、したがって、
(8-11) |
r R |
が得られます。同様に、(8-7)
の両辺に grad
を施せば、
(8-12) grad(h( |
ただし grad*
は、s を to
と独立な変数とみなした場合の grad
を意味します。(7-9)
により
(8-13) grad*(h( |
grad*r c |
r cr |
なので、これと (8-6)
により、(8-12)
は
(8-14) |
r cr |
R r |
grad |
となり、したがって、
(8-15) grad |
r cR |
が得られます。一方、to
による微分を ¶t と書けば、
o
(8-16) or = - ¶t oξt o= - |
なので、
(8-17) |
r r |
· or = - |
r ·v r |
また (8-5)
により
(8-18) grad*R |
grad*(r · v) c |
r r |
v c |
ですから、(8-15)
と (8-18)
により、
(8-19) gradR |
grad*R |
r r |
v c |
r o cR |
また、(8-11)
により、
(8-20) |
r o R |
·
vº ¶tvo
(8-15)
を使えば、
(8-21) rot v ov = - |
· cR |
また、(8-11)
を使えば、
(8-22) |
r · R |
これらを使って、点 ξ にある単位点電荷の作る電界の強さ Eξ と磁束密度 Bξ を求めてみましょう。
(8-23) Eξ |
|
|||||||||||||||
|
||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
|
(8-24) Bξ |
|
|||||||||||||||
|
||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
|
したがって、Eξ と Bξ の間には、
(8-25)Bξ |
r cr |
という関係があることがわかります。つまり、点電荷の作る電界と磁界は互いに直交していて、さらに磁界については、時刻 to
における粒子の方向(言いかえると、粒子の“見える”方向)にも垂直であることがわかります。
さて、ここで ¶tR を最後まで計算して完全な表示式を求めておきましょう。o
(8-5),(8-17),(8-16)
により、
(8-26) oR or - |
o · v |
r· o c |
r ·v r |
v² c |
r · · c |
したがって、
(8-27) |
r o cR |
|
|||||||||||
|
|||||||||||||
|
|||||||||||||
これを (8-23)
と (8-24)
に代入すれば、
(8-28) Eξ |
r ³ |
ì í î |
æ è |
r r |
v c |
ö ø |
æ è |
v² c ² |
r · · c ² |
ö ø |
R · c ² |
ü ý þ |
(8-29) Bξ |
|
||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
|
という表示式が得られます。
ここで粒子が等速運動( すなわち ·
v = 0(7-27)
で定義した、現時点の荷電粒子の位置から観測点を結ぶベクトル *
(8-28),(8-29)
で ·
v= 0
(8-30) Eξ |
r* |
æ è |
v² c ² |
ö ø |
(8-31) Bξ |
|
||||||||
|
|||||||||
|
|||||||||
|
という式が得られます。
さて一般の場合にもどり、(8-28),(8-29)
の Eξ と Bξ から ® ¥-2rad
,Bξrad
と書けば、
(8-32) Eξrad |
r ³ |
ì í î |
æ è |
r r |
v c |
ö ø |
r · · c ² |
R · c ² |
ü ý þ |
(8-33) Bξrad |
4p ³ |
ì í î |
(r |
r · · c ² |
R r · c |
ü ý þ |
これらはいずれも ·
を含んでおり、荷電粒子が加速運動しているときに初めて現われる項です。言いかえると、荷電粒子が等速運動している場合は、電磁界は無限遠で
v-2
(8-34) Bξrad |
r cr |
rad |
が成り立っていますが、さらに、
(8-35) r · Eξrad |
|
||||||||||||||
|
|||||||||||||||
|
|||||||||||||||
なので、(8-34),(8-35)
により
(8-36) cr r |
すなわち
(8-37) Eξrad |
cr r |
rad |
という関係が成り立っていることもわかり、(8-34)
と (8-37)
は、Eξrad
,Bξrad
、そして粒子の“見える”方向の3方向が、互いに直交していることを示しています。このことから、
(8-38) | Eξrad | |
言いかえるとエネルギー密度の主要部 urad
= uerad + umrademc²
= 1
(8-39) uerad |
| Eξrad |² 2 |
| Bξrad |² |
mrad |
となり、電界の部分と磁界の部分のエネルギー密度も等しく、平面波の場合によく知られているこれらの性質が、点電荷の作る輻射の主要部でも成り立っていることがわかります。ちなみに Poynting vector
の主要部 Sξrad
は次のようになります。
(8-40) Sξrad |
|
||||||||||
|
|||||||||||
|
|||||||||||
|
|||||||||||
|
すなわち、十分遠方では電磁エネルギーの流れの速さは | Sξrad
/urad | = c