時間変化する実関数の場 (t, s)
Fourier
級数展開して
(25-1) f(t, s) |
å n=1 |
fn(t, s) |
(25-2) fn(t, s) |
という形に書けます。ただし wn は n番目の角周波数で、
(25-3) |
T |
で与えられます。さて、ここで複素数値関数 (t, s)
(25-4) Fn(t, s) |
で定義すれば、
(25-5) e |
と書けるので、fn は (25-5)
の実部を考察することと同値です。また、虚部も f を t について単に p/(
2w)(25-5)
の形の関数(複素表示)を作ってこれを考察すると、時間の依存性が単なる e
-iwn t
Maxwell
方程式やLorentz
力の式は実係数なので、複素表示を用いても、あたかも実数値の関数を考察しているかのように処理して問題ありませんが、関数の積が出てくるところでは注意が必要です。
今、(25-1)
とは別に、
(25-6) f'(t, s) |
å n=1 |
f'n(t, s) |
(25-7) f'n(t, s) |
(25-8) F'n(t, s) |
という関数を考え、f と f' の積を考えると、
(25-9) f f' |
|
|||||
|
||||||
|
||||||
|
ただし Â は複素数の実部を表わします。ゆえに、周期 T における時間平均をとると、右辺の分子第2項と第3項で = m
(25-10)f f' |
T |
T |
f(t, s) f'(t, s) dt |
å n=1 |
FnF'n* |
å n=1 |
(FnF'n*) 2 |
å n=1 |
(Fn*F'n ) 2 |
å n=1 |
gn g'n |
となります。すなわち積の時間平均については、各周波数ごとに、複素共役との積をとったものを 1/2 倍して足し合わせればよいという重ね合わせの原理が成り立つことがわかります。特に = f
(25-11) f ² |
å n=1 |
| Fn |² |
å n=1 |
gn² ² |
となります。また、関数がベクトル値の場合も同様で、内積や外積については
(25-12) |
f ·f' |
å n=1 |
(Fn · F'n*) 2 |
å n=1 |
(Fn* · F'n ) 2 |
å n=1 |
gn·g'n ·h'n |
(25-13) |
f |
å n=1 |
(Fn 2 |
å n=1 |
(Fn* 2 |
å n=1 |
gn |
(25-14) |
| f |² |
å n=1 |
| Fn |² |
å n=1 |
| gn |² |
となります。ところで、w ¹ 0
(25-15) |
|
t |
0 |
e |
|
e ±2 iwt |
ですから、(25-10)
により、周期 T に対する時間平均は、[
0,t]t ® ¥[
0,t]t ® ¥
さて、複素表示の応用例として、交流回路について考えてみましょう。回路において、電流が周期的な関数であるとき交流電流と言います。交流の場合は複素表示を使うと便利です。その場合、特定の周波数 w に関する項のみを考えると、(25-5)
により、時間微分が -i
w(12-31)
を考慮した同節 (12-41)
の Kirchhoff
の第2法則は、
(25-16) |
ΔÎa |
( jLΔiΔ |
ΔÎb |
iΔ jCΔ |
ΔÎg |
EΔ |
となります。ただし交流理論では習慣的に虚数単位を j
で表わし、(25-5)
の e
の肩の符号は + にとるので、この習慣に合わせるために j
= - ij
Lw1/( jC
を持つ抵抗であるかのように振舞います。
w)
分岐のない交流回路の両端の(複素)電位差を E 、そこを流れる(複素)電流を i と書くとき、
(25-17)E |
と書けますが、この Z をインピーダンスと呼びます。例えば抵抗、コイル、コンデンサを直列に繋いだ回路では、(25-16)
により
(25-18) Z |
æ è |
L |
Cw |
ö ø |
となります。一般に、インピーダンス Z を実部と虚部に分けて、
(25-19) ZX |
と書いたとき、R をレジスタンス(抵抗)、X をリアクタンスといいます。また Z の逆数 Y をアドミッタンスとよび、Y を実部と虚部に分けて、
(25-20)Y |
Z |
jB |
と書いたとき、G をコンダクタンス、B をサセプタンスといいます。また、交流における電力の時間平均は、(21-17)
と (25-10)
により
(25-21)W |
2 |
( V |
と書けます。
次に電磁場の複素表示を考えてみましょう。電荷・電流密度や電磁界が因子 e
-iwt
(25-22a) E |
(25-22b) H |
(25-22c) |
(25-22d) J |
と表わされ、定数 e , m に対して = eE = mHMaxwell
方程式は
(25-23a) rot Ho |
(25-23b) |
(25-23c) rot Eo |
(25-23d) div Ho |
となります。もしさらにOhm
の法則 = sE(25-23a),(25-23c)
は
(25-24a) rot Ho |
(25-24b) rot Eo |
という形になります。(25-24)
の div
をとれば、
(25-25a) div Eo |
(25-25b) div Ho |
が得られ、(25-25a)
と (25-23b)
を比較すると、
(25-26) |
が成り立っていなければならないことがわかり、これは前節冒頭で定義したところの電磁波であることを意味します。この条件のもとで、(25-24)
の解は (25-23b),(25-23d)
を自動的に満たします。(25-24)
それぞれの rot
をとると、
(25-27a) rot rot Ho |
(25-27b) rot rot Eo |
これをさらに rot rot
= grad div - D(25-25)
を使って変形すると、
(25-28a) |
(25-28b) |
が得られます。これらの方程式の平面波解、すなわちある単位ベクトル e により f º e ·
so
o
f のみの関数である場合の解を求めてみましょう。ここで
(25-29)e |
du( |
) |
du( |
·e |
d |
du( |
d²u( |
ですから、方程式
(25-30)u |
は、平面波では
(25-31) |
d²u |
(u |
となるので、その一般解は、
(25-32) u |
で与えられます。ゆえに、(25-28)
の平面波解は、 º ± keoo
,Hoo
によって
(25-33a) Ho |
(25-33b) Eo |
と書ける場合のみを考察すれば十分です。このとき (25-24)
は
(25-34a) k |
(25-34b) k |
となり、(25-28)
に (25-33)
を代入すれば、k の満たすべき方程式:
(25-35) k · k |
が得られます。特に s = 0(25-34)
の両辺と k の内積をとることにより
(25-36a) k · Eoo |
(25-36b) k · Hoo |
が得られ、電場も磁場も k に垂直な成分のみ存在する横波であることがわかります。この場合は、さらに (25-34b)
を実部と虚部に分けて
(25-37a) k |
(25-37b) k |
とし、それぞれ Â(Eoo)
Á(Eoo)
(25-38) |
となって、電場と磁場は互いに直交することがわかります。
本節の最後に電磁場の相反性を導いてみましょう。 = 1,
2
(25-39a) Ei |
(25-39b) Hi |
が、電荷 ri = rioe
-iwt = Jioe
-iwt(25-23a),(25-23c)
がそれぞれの場に対して成り立つので、
(25-40) div(Eio |
が成り立ちます。これの i と j を入れ替えた式を辺々引けば、
(25-41) div(Eio |
一方、第8節 (8-35),(8-36)
により、遠方で 1/riorad
jorad
(25-42) Hjorad |
rj c |
Ejorad |
ri c |
Ejorad |
(25-43) ri · Eiorad |
が成り立ちます。ただし ri は系 i の荷電粒子の位置を原点とした観測点の位置ベクトルです。ゆえに
(25-44) Eiorad |
æ è |
ri c |
rj c |
ö ø |
( Eiorad · Ejorad ) |
ですから、結局
(25-45) Eio |
がわかり、(25-41)
の左辺を全空間で積分したものは、r -3 のオーダーの項の無限遠の面積分になるので消えます。よって、(25-41)
を全空間で積分することにより、相反性:
(25-46) |
Ejo · Jio dV |
Eio · Jjo dV |
が得られます。ただし (25-46)
の被積分関数は、一方が複素共役になっていないので、その実部を (25-10)
のように変形することができず、したがって通常の仕事率とは解釈できないことに注意が必要です。