Hamiltonian
本節では、電磁場のHamiltonian
を構成してみましょう。 = R³
(35-18),(35-19)
により、
(36-1) S |
と分けることができます。ただし
(36-2) Sem |
2 |
tdt t |
æ è |
o|E|² |
|B|² |
ö ø |
dV |
(36-3) Scp |
tdt t |
æ è |
A·J |
2 |
² |
ö ø |
dV |
tdt t |
æ è |
·A |
2 |
² |
ö ø |
dV |
で、積分領域の明示がないものは全空間 R³
における積分を意味します。また、jr の積分を2つに分けたのは、後の変形の便宜によるものです。
さて、Lagrangian
からHamiltonian
を作るには、t の関数とその1階微分の汎関数を ]t
0 , t1[Coulomb
ゲージ(第6節参照)を採用することにします。
まず、スカラー・ポテンシャル j として、(6-24)
を満たす解を一つ選んで固定しておきます。このような j のうち、無限遠で 0 となるものは一意的に定まって、
(36-4) |
4pe o |
(t, s') r |
dV' |
で与えられます。ただし、 = |s
- s'|dV'
は変数 s' に関する積分であることを表わします。また、ベクトル・ポテンシャルは制約条件 (6-28)
が付されています。
まず最初に Scp
の方を t の関数とその1階微分の汎関数を ]
0, T [(35-13),(35-15)
と同様で、
(36-5) Scp |
t t |
Lcp(t) dt | æ ç è |
Lcp(t) |
Li,ξ(t)ξ |
ö ÷ ø |
となります。ただし、ri や hi は (33-54)
の形に書けるものと仮定し、
(36-6) Li,ξ(t) |
ì í î |
A(t, si,ξ) · vi(t, si,ξ) |
(t, si,ξ) |
ü ý þ |
²gi ,ξ-1 |
(36-7) |
|
と置きました。次に Sem
を同様な形に変形するために、E を2成分に分けて、
(36-8) E |
(36-9) ET |
¶ |
(36-10) EL |
と置き、ET
を E の横波成分、EL
を E の縦波成分とよびます。
(36-11) |
|EL|²dV |
|grad |
div( |
dV= |
dV (∵ (6-24) ) |
(36-12) |
ET · EL dV |
¶ |
· grad |
div |
æ è |
¶ |
ö ø |
dV |
¶ |
div A dV∵ (6-28) ) |
ですから、(36-8),(36-12),(36-9),(36-11)
により、(36-2)
は
(36-13) Sem |
2 |
tdt t |
æ è |
o|ET|² |
|B|² |
ö ø |
dV |
2 |
tdt t |
æ è |
o |
½ ½ |
¶ |
½² ½ |
|rot A|² |
ö ø |
dV |
となります。さて、ここで A を
(36-14) A(t, s) |
eik · s Ak(t) d |
æ è |
d |
dk¹dk²dk³ |
ö ø |
とFourier
分解すれば、
(36-15) |
¶ |
eik · s |
· Ak d |
æ è |
· Ak |
dAk |
ö ø |
(36-16) rotA |
grad eik · s |
eik · s k |
(36-17) divA |
grad eik · s · Ak d |
eik · s k · Ak d |
が成り立ちますから、div
A = 0(36-17)
をFourier
変換することにより、
(36-18) k · Ak |
がわかり、各 Ak は k に垂直な2個の自由度を持つことがわかります。また (36-18)
から
(36-19) |k |
が導かれるので、(36-15),(36-16)
とParseval
の等式(「偏微分方程式」第1節 (1-37)
参照 )により、
(36-20) |
½ ½ |
¶ |
½² ½ |
dV |
·|Ak|² d |
(36-21) |
|rot A|² dV |
|k |
k²|Ak|² d |
これらを (36-13)
に代入して 1/mo
= c²eo
(36-22) Sem |
t t |
Lem(t) dt |
æ è |
Lem(t) |
Lk(t) d |
ö ø |
ただし
(36-23) Lk(t) |
o 2 |
æ è |
·|Ak|² |
ö ø |
という表示が得られます。さて、Ak は k に直交しますから、これらと直交し、かつ互いに直交する独立な2成分の実部と虚部をそれぞれ k,n,R
k,n,I
( n
= 1, 2 )
(36-24) Ak |
å n=1 ,2 |
Ak,nek,n ( Ak,n |
と書くことができます。これにより (36-23)
は
(36-25) Lk(t) |
o 2 |
å n=1 ,2 |
å x= R,I |
æ è |
·Ak,n,x² |
ö ø |
となります。以上で荷電粒子及び電磁場のLagrangian
を t の関数とその1階微分の汎関数を ]
で積分したものとして表わすことができました。
0, T [
以上の結果をもとにHamiltonian
を求めてみましょう。まず ,
ξi,ξ
ξci(ξ) dV,
ξ,
ξ(36-6)
により、
(36-26) pi,ξ |
,ξ ¶ ,ξ |
(t, si,ξ) |
したがって
(36-27) mi² |
æ è |
|vi,ξ(t)|² |
ö ø |
²c² |
これは、両辺に c²
を乗じて
(36-28a) Ei,ξ |
(36-28b) pi,ξ |
と置けば、
(36-29) Ei,ξ² |
あるいは
(36-30) Ei,ξ |
___________ |
______________________ |
と書くことができます。
次に、,
n,
x( n
= 1, 2 ; x = R,I )k,n,x d
3k,
n,
x(36-25)
により、
(36-31) Πk,n,x |
· ,n ,x |
o |
· Ak ,n ,x ( n |
すなわち ,
n,
x
(36-32) Πk |
· Ak |
以上により、電磁場と荷電粒子全体からなる系のHamiltonian
H は、
(36-33) H |
ただし
(36-34) Hem |
|
|||||||
|
||||||||
|
||||||||
|
(36-35) Hcp |
|
||||||||||
|
|||||||||||
|
|||||||||||
|
|||||||||||
|
|||||||||||
|
となります。ただし
(36-36)U |
|
||||
|
|||||
|
|||||
|
|||||
|
です。なお、
(36-37) Eem |
|
||||||||||
|
|||||||||||
|
|||||||||||
|
は電磁場のエネルギーに他なりません。(36-33),(36-35),(36-37)
により
(36-38)H |
Ei,ξ |
すなわち系全体のHamiltonian
は、荷電粒子と電磁場のエネルギーの和に一致します。
さて、Fourier
分解 (36-14)
における (36-24)
のように成分に分けたときの eik · sAk,nek,nd
3k(36-3),(36-5)
により、A は cp
(36-39) |
A· J dV |
Ak· Jk* d |
å n=1 ,2 |
å x= R,I |
Ak,n ,xJk ,n ,x d |
として含まれていますから、荷電粒子との相互作用がないための必要十分条件は、
(36-40) Jk,n,x |
となります。このような光子については、,
n,
xLagrange
方程式は、(36-25)
により、
(36-41) |
d ,n ,x |
¶ ,n ,x |
dt |
æ ç è |
· ,n ,x |
ö ÷ ø |
o( |
·· Ak ,n ,x ²k ²Ak ,n ,x ) |
となりますが、これは調和振動子の方程式であり、その解は
(36-42) Ak,n |
で与えられます。一方 -k,
n(36-41)
と同じ方程式を満たすので、複号の一方は -k,
n
(36-43) Ak |
が成り立っているものと仮定することができます。さらに計算の便のため、荷電粒子と相互作用のない光子がある範囲の k にわたって分布していると仮定すると、(36-37)
により、その電磁エネルギーは、
(36-44) Eem |
o 2 |
æ è |
·|Ak|² |
ö ø |
d |
k²|Aok|² d |
また電磁運動量は、Parseval
の等式により、
(36-45) pem |
|
||||
|
|||||
|
|||||
|
|||||
|
ここで、o
k'
(36-46) |
となっていると仮定すれば、(36-44),(36-45)
により、特定の k に対する光子のエネルギー及び運動量は
(36-47a) Eem |
(36-47b) pem |
となり、
(36-48) Eem |
という関係が成り立つことがわかります。これは、(36-29)
で形式的に質量 = 0
(36-49) Eem² |
をしており、その意味で、光子の質量はゼロである、ということができます。