本節では、最初に前節 (10-30)
で定義した U を使って、] s, T [
´ Ωb > 0Hölder
連続性:
(11-1) | f(t, x) |
を満たす f に対して
(11-2) u(t, x) |
t dr s |
U(t, x ; r, y) f(r, y) drVy |
と置くとき、u が初期値境界値問題:
(11-3a) Lu |
(11-3b) Bu |
(11-3c) u(s, · )Ω |
の解になっていることを確かめます。まず (10-30)
により
(11-4) u(t, x) |
|
|||||||||||||
|
ただし
(11-5) p(r, y) |
r d s |
K(r, y ;z |
です。(11-1)
により f は有界ですから、(10-24),(10-7a)
により
(11-6) | p(r, y) | |
r d s |
| K(r, y ;z |
r d s |
{ (rz |
r(r s |
また (10-29)
により
(11-7) | p(r, x) |
|
|||||||||
|
||||||||||
|
||||||||||
|
ですから、 º f + pb' º min {
b, 1/2} > 0Hölder
連続で、特に有界です。従って
(11-8a) | q(r, x) | |
(11-8b) |
t dr s |
(ty |
t(t s |
(11-8c) |
t dr s |
(ty |
|
|||||||
|
||||||||||
|
||||||||||
|
||||||||||
が成り立ち、これは (t, x)
(8-20)
と (8-27)
が成り立つことを意味しています。
ゆえに (8-44)
と (9-19)
により、ÎF (s, t ; Ω)
(11-4)
で = s(11-3c)
が、(8-44b)
と (10-3)
により (11-3b)
が得られます。
更に、(10-39)
により * K + K = J
(11-9) Lu(t, x) |
|
|||||||||
|
||||||||||
|
||||||||||
|
||||||||||
|
となって (11-3a)
が成り立ち、(11-2)
の u が初期値境界値問題 (11-3)
の解であることがわかりました。
さて、以上の結果から直ちに基本解の一意性が証明できます。
実際、12(7-3)
の基本解とし、] s, T [
´ ΩHölder
連続性 (11-1)
を満たすので、u を (11-2)
で定義すれば、u は (11-3)
を満たすので、基本解の定義 (7-38)
により
(11-10) |
t dr s |
U(t, x ; r, y) f(r, y) drVy |
t dr s |
U(t, x ; r, y) f(r, y) drVy |
が成り立ちます。f は任意ですから、1(t, x ; r, y)
= U2(t, x ; r, y)
さて、(7-3)
の共役問題 (7-6)
で、- t(7-3)
と異なりますが)通常の初期値境界値問題になるので、今までの議論がこの共役問題についても成立します。
ゆえに (10-40),(10-43),(10-45)
に対応して、0 £ s < t £ T
(11-11a) L*s, yU*(t, x ; s, y) |
(11-11b) B*s, yU*(t, x ; s, y) |
(11-11c) |
U*(t, x ; s, y) v(t, x) dtVx |
を満たす *(t, x ; s, y)
(11-1)~(11-3)
に対応して、(11-1)
のHölder
連続性を満たす任意の g に対して
(11-12) v(s, y) |
t dr s |
U*(r, x ; s, y) g(r, x) drVx |
と置くとき、v は共役問題:
(11-13a) L*v |
(11-13b) B*v |
(11-13c) v(t, · )Ω |
の解になります。このとき
(11-14) U*(t, x ; s, y) |
が成り立ちます。実際、f と g を ] s, t [
´ Ω(11-2)
で、v を (11-12)
で定義すると、,
vÎF (s, t ; Ω)
(11-3)
と (11-13)
の解です。よって (7-13)
により、
(11-15) |
t dr s |
g* u drV |
t dr s |
v* f drV |
が成り立ちます。これに (11-2),(11-12)
を代入して変形すれば
(11-16) |
dr d s < r < t < t |
Ω |
g(y |
となりますが、f と g の任意性により、被積分関数の { }
の中は 0 、すなわち (11-14)
が成り立つことがわかります。
さて、(7-37)
を満たす任意の ÎF (s, t ; Ω)
tÎ] s, t [
(r, y)
º U*(t, x ; r, y)(11-11b)
により *
v = 0(7-11)
が成り立ち、更に (7-37a)
により (7-11)
の右辺各項は 0 となり、したがって (7-9)
の右辺第2項は消えますが、(7-37b)
により (7-9)
の左辺第2項も消えます。更に (11-11a)
により *
v = 0(7-9)
は
(11-17) |
v( |
dr s |
v*Lu drV |
となります。一方、(11-14)
により (
t, y)* = U(t, x ; t, y)(7-37a)
により 1 = 0(11-17)
で t ® t(10-45)
により左辺は (t, x)
t = t(7-38)
が得られ、U は初期値境界値問題 (7-3)
の基本解であることがわかり、これで基本解の存在と一意性が証明されました。
このことから双対的に、*
(7-38)
に対応する式として
(11-18a) B*v |
(11-18b) v(t, · )Ω |
を満たす任意の ÎF (s, t ; Ω)
(11-19) |
t dr s |
L*v (r, x) U*(r, x ; s, y) drVx |
が成り立つことがわかります。
次に、初期値境界値問題 (7-3)
の弱解の存在と一意性について考えます。
まず弱解の一意性ですが、] s, T [
´ Ωj , o
(7-3)
の弱解であるとします。
] s, T [
´ Ω(11-12)
で定義すると、v は (11-13b),(11-13c)
を満たすので、弱解の定義により、(7-14)
すなわち
(11-20) |
t d s |
(L*v)* u d |
t dr s |
f v* drV |
uov(s, · )* dsV |
t dr s |
S |
* |
drS |
t dr s |
S |
* drS |
が成り立ちます。ここに (11-12),(11-13a),(11-14)
を代入すれば、
(11-21) |
t d s |
|
|||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||
となり、g は任意ですから、次の主張のうち、弱解 u が存在すればそれが (11-22)
の表示を持つことが、したがって特に解の一意性が得られます:
■ 放物型初期値境界値問題の解 ■
で与えられ、u も p乗可積分である。
|
逆に、任意に与えられた p乗可積分な o
j に対し、(11-22)
の右辺の各積分は存在し、u を (11-22)
で定義すると、これは初期値境界値問題 (7-3)
の弱解になり、( uo , f ,
j )L
p
まず一般論として、測度空間 (X,
m)(Y,
n) ´ Y(x, y)
(11-23) |
| K(x, y) | |
| K(x, y) | |
が成り立てば、ÎLp(Y )
(11-24) Tu(x) |
K(x, y)u( y) |
と置くと、T は Lp(Y )
Lp(X)
(11-25) || Tu ||Lp |
となることに注意します。実際、 = 1
(11-26) || Tu ||L¹ |
| K(x, y) | |
| u( y) | |
また = ¥
(11-27) || Tu ||L |
x |
| K(x, y) | |
Hölderの不等式により
(11-28) | Tu(x) | |
| K(x, y) | |
ì í î |
| K(x, y) |q/q |
ü ý þ |
/q |
ì í î |
| K(x, y) |p/p | u( y) |p |
ü ý þ |
/p |
となりますが、右辺第1因子に (11-23)
を用い、両辺を p乗して x で積分すれば、
(11-29) |
| Tu(x) |p |
(dx) |
| K(x, y) | | u( y) |p |
| u( y) |p |
| K(x, y) | |
pLp | || u || |
pLp |
となるので両辺の p乗根を取れば (11-25)
が得られます。
さて、(10-41a)
と (10-7a)
により、| U(t, x ; r, y) |
(11-22)
右辺の第1項と第2項の積分核は、(t, x)
(r, y)
(11-23)
が成り立ちます。なお、(11-22)
右辺第4項の積分核の (t, x)
また、同じく (10-41a)
と (10-7a)
により、|
¶U(r, x ; s, y)/¶nx |(t, x)
(11-14)
に注意すれば、(11-22)
右辺第3項の積分核の (r, y)
また、(10-30),(9-14a),(10-7a),(10-24)
により
(11-30a) |
t dr s |
S |
| U(r, x ; s, y) | drSx |
t dr s |
S |
| H(r, x ; s, y) | drSx |
t d s |
| K(z |
t dr |
S |
| H(r, x ;x |
も有界で、この結果を共役問題の基本解に適用すれば、(11-14)
により
(11-30b) |
t dr s |
S |
| U(t, x ; r, y) | drSy |
となるので、(11-22)
の右辺第4項の積分核の (r, y)
同様に (10-30),(9-14b),(10-7a),(10-24)
により
(11-31a) |
t dr s |
S |
½ ½ |
(r, x ; s, y) |
½ ½ |
drSx |
t dr s |
S |
½ ½ |
(r, x ; s, y) |
½ ½ |
drSx |
t d s |
| K(z |
t dr |
S |
½ ½ |
(r, x ; |
½ ½ |
drSx |
も有界で、この結果を共役問題の基本解に適用すれば、(11-14)
により
(11-31b) |
t dr s |
S |
½ ½ |
(t, x ; r, y) |
½ ½ |
drSy |
となるので (11-22)
の右辺第3項の積分核の (r, y)
以上で (11-22)
右辺に現れるすべての積分核について (11-23)
が成り立つことがわかり、(11-22)
の右辺の各積分が定義でき、この線形対応が L
p
さて、(11-18)
を満たす任意の ÎF (s, t ; Ω)
º L*
v*
u] s, t [
´ Ω(11-21)
が成り立ち、(11-19)
と (11-14)
を使うと (11-20)
が得られ、これは u が初期値境界値問題 (7-3)
の弱解であることを示しています。以上で (11-22)
の主張はすべて証明されました。
次に (2-25)
に対応する式として、 < r < t
(11-32) U(t, x ; s, y) |
U(t, x ; r, z) U(r, z ; s, y) drVz |
が成り立つことを証明しましょう。そのために Ω にコンパクトな台を持つなめらかな任意の関数 o
< r < t
(11-33a) v(t, x) |
U(t, x ; s, y) uo( y) dsVy |
(11-33b) w(t, x) |
U(t, x ; r, z) v(r, z) drVz |
と置くと、解の表示公式 (11-22)
により、v , w は共に
(11-34a) Lu |
(11-34b) Bu |
(11-34c) u(r, · )Ω |
の解になりますから、解の一意性により、 ³ r(t, · )
= w(t, · )
(11-35) |
uo( y) dsVy |
U(t, x ; r, z) U(r, z ; s, y) drVz |
U(t, x ; r, z) v(r, z) drVz |
U(t, x ; s, y) uo( y) dsVy |
となり、o
(11-32)
が得られます。
さて、共役問題の基本解に対しても (10-41)
の評価式が成り立つので、(11-14)
により、2l + | β |
£ 2
(11-36) |
½ ½ ½ |
(t, x ; s, y) ¶sl¶ |
½ ½ ½ |
{ (t |
また (11-32)
で º (s
+ t)/2 - r = r - s = (t
- s)/2(10-41),(11-36),(11-32),(10-7)
により、| α |
+ 2k £ 2| β |
+ 2l £ 2
(11-37) |
½ ½ |
(t, x ; s, y) ¶tk¶sl¶xα¶ |
½ ½ |
| |||||||
|
|||||||||||
|
|||||||||||
という評価が成り立ち、(11-37)
の左辺の絶対値の中は、全変数について境界まで含めて連続です。
この節の最後に、初期値境界値問題 (7-3)
の弱解 (11-22)
の滑らかさについて考察します。
まず (11-22)
の右辺第1項 1(10-6)
により、任意の e > 0 - s ³ el(t, x ; s, y)
(10-41)
の被積分関数は有界、したがって境界も含めて t に関する1階以下の微分又は x に関する2階以下の微分は連続です。ゆえに (10-45)
により、Ω で連続かつ 10 となる o
1ÎF(s, t ; Ω)
次に (11-22)
の右辺第2項 2Hölder
連続なら 2ÎF(s, t ; Ω)
しかも更に f が滑らかなら、] s, T [
´ Ω2o
j を 0 と置いた (7-14)
を満たす、すなわち
(11-38) |
T ' dt s |
(L*v)* u |
T ' dt s |
v* f dtV |
が成り立つので、これは超関数の微分の意味で (7-3a)
が成り立つことを意味し、第6節の結果により、2] s, T [
´ Ω
次に (11-22)
の右辺第3項 3(11-36)
により、ÎΩ \
S1
そこで 1[s, T ]
´ S11 、[s, T ]
´ S20 となる滑らかな v' を取り、(11-22)
で f に - Lv'o
- v'(s, · )
j に 0 をそれぞれ代入したときの u を v" と書くと、今までの議論により ÎF(s, t ; Ω)
º v' + v"ÎF(s, t ; Ω)
o
0 と置き、j を v' と置いた (7-3)
の弱解になり、(11-22)
により殆ど至るところ
(11-39) v(t, x) |
t d s |
S |
(t, x ; |
d |
が成り立ちます。1R
n+ º (x¹ ,
¼, xn ) º (x¹ ,
¼, xn-1)o
ÎS1(11-39)
に j(t, x' )
3
(11-40) u |
|
|||||||||||||
|
ゆえに j が連続なら、任意の e > 0(11-31b)
の積分の有界性により、V を十分小さくとれば、(11-40)
の右辺第2項は e で押さえらます。
また、更に閉包が V に含まれる o
ÎW(10-43)
により U は ÎS10 なので、それを y で微分しても 0 、よって、これらの積分は ÎS10 です。
一方、(t, xo)
= 1(11-40)
により、31j(xo)
(7-3b)
を満たすことがわかります。
最後に (11-22)
の右辺第4項 4ÎΩ \
S2
そこで 2[s, T ]
´ S11 、[s, T ]
´ S20 と置いた関数 j から (11-24),(11-25)
によって定義される 2(11-22)
で f に - Lw'o
- w'(s, · )
j に 0 をそれぞれ代入したときの u を w" と書くと、
今までの議論により ÎF(s, t ; Ω)
º w' + w"ÎF(s, t ; Ω)
o
0 と置き、j を 10 、21 と置いたときの (7-3)
の弱解になり、(11-22)
により殆ど至るところ
(11-41) w(t, x) |
t dr s |
S |
U(t, x ; r, y) drSy |
が成り立ちます。(11-41)
に j(t, x' )
4
(11-42a) u |
t dr s |
S |
U(t, x ; r, y) {y |
また (11-41)
を j(t, x' )
4
(11-42b) |
(t, x) |
(t, x' ) |
(t, x) |
t dr s |
S |
(t, x ; r, y) |
{y |
が得られますから、j がある g > 0Hölder
連続性:
(11-43) | |
を満たせば、(10-41a)
により、被積分関数は、0 < m' < m
(11-44) |
½ ½ ½ |
(t, x ; r, y) |
½ ½ ½ |
| |
と評価でき、その y に関する積分は (t
- r)g/2-1 + 1
ゆえに 4(10-43)
により境界条件 (7-3b)
を満たすことがわかります。