順序数 a を固定し、ある順序数 b に対する切片 Ord
b = b
(3-1) T( f ) |
と置いたとき、これにより (2-20)
によって順序類 Ord
b における値を a + ba と b の和とよびます。
まず、任意の順序数 a , b に対し、a + bb に関する超限帰納法で証明しましょう。a + b
(3-2) |
となります。
そこで任意の gÎba + gÎa + bÎagÎb = a + g
a が順序数であることと超限帰納法の仮定により x は順序数ですから、特に x は推移的であることと a + ba + b Ì a + b
まず Îaa が推移的であることと (3-2)
から Ì a Ì a + b
また = a + gb の推移性により qÎgÎbqÎb = a + g = aÈ{
a + q | qÎg }Ì aÈ{
a + q | qÎb } = a + ba + b
よって超限帰納法が完成して、a + b
さて、(3-2)
から特に
(3-3a) |
(3-3b) |
が成り立ちます。そこで 1 :º {
0} = 0 + 10 の次の順序数であり、a + 1a と 1 の和とみなすことができます。また
(3-3c) |
が成り立ちます。実際、任意の bÎa(3-3c)
が成り立つと仮定すると、0 + a = 0È{
0 + b | bÎa } = ÆÈ{ b | bÎa } = aa でも成り立ち、超限帰納法により (3-3c)
が証明されます。(3-3a),(3-3c)
により、0 は加法の単位元であることがわかります。
さて、この加法について結合律:
(3-4) |
が成り立つことを g に対する超限帰納法で証明しましょう。任意の sÎg(3-4)
の g を s に置き換えた式が成り立つと仮定すれば、
(3-5) |
{ |
{ |
|
{ |
|
( |
|
( |
となって g に対しても (3-4)
が成り立ち、超限帰納法によりすべての順序数に対して (3-4)
が成り立つことがわかりました。
ちなみに 1 + w = {
0}È{ 1 + g | gÎw } = w ¹ wÈ{w} = w + 1a + b = b + a
次に、順序数 a を固定し、ある順序数 b に対する切片 Ord
b = b
(3-6) T( f ) |
と置いたとき、これにより (2-20)
によって順序類 Ord
b における値を aba と b の積とよびます。
まず、任意の順序数 a , b に対し、abb に関する超限帰納法で証明しましょう。ab
(3-7) |
となります。
そこで任意の gÎbagÎab = ag + qgÎbqÎa
超限帰納法の仮定により x は順序数ですから、特に x は推移的で、abab Ì ab
ÎxÎagsÎq = ag + s
後者の場合は、a の推移性により sÎa(3-7)
により Îab
前者の場合は、a と g の積の定義により、ある sÎgqÎa = as + qb の推移性により sÎb(3-7)
により Îabab
よって超限帰納法が完成して、ab
さて、(3-7),(3-3c)
から
(3-8a) |
(3-8b) |
(3-8c) |
が成り立ちます。また
(3-8d) |
が成り立ちます。実際、任意の bÎa(3-8d)
が成り立つと仮定すると、1a = {
1g + q | gÎa Ù qÎ1 } = { g + 0 | gÎa } = aa でも成り立ち、超限帰納法により (3-8d)
が証明されます。(3-8b),(3-8d)
により、1 は乗法の単位元であることがわかります。
さて、加法と乗法に関する右分配律:
(3-9) |
が成り立つことを g に対する超限帰納法で証明しましょう。任意の tÎg(3-9)
の g を t に置き換えた式が成り立つと仮定すれば、
(3-10) |
{ |
{ |
|
{ |
|
( |
|
( |
|
( |
|
となって、g についても成り立つので、超限帰納法により (3-9)
は証明されました。
ちなみに 2 :º 1 + 12w = {
2g, 2g + 1 | gÎw } = w ¹ w + w = 1w + 1w(
a + b)g = ag + bgw2 = w(
1 + 1) = w1 + w1 = w + w2w ¹ w2ab = ba
更に乗法についても結合律:
(3-11) |
が成り立つことを g に対する超限帰納法で証明しましょう。任意の tÎg(3-11)
の g を t に置き換えた式が成り立つと仮定すれば、
(3-12) |
{ |
{ |
|
{ ( |
|
{ |
|
{ ( |
|
( |
となって g に対しても (3-11)
が成り立ち、超限帰納法によりすべての順序数に対して (3-11)
が成り立つことがわかりました。
なお、
(3-13a) |
が成り立ち、a ¹ 00Îa
(3-13b) |
ですから、加法も a ¹ 0(3-8c)
により直ちに
(3-14a) |
(3-14b) |
がわかり、特に
(3-15a) |
(3-15b) |
が成り立ちます。また a を順序数、B を順序数からなる集合とし、b = Bsup
B = È
(3-16a) sup { |
{ |
{ |
|
{ |
|
{ |
|
{ |
|
(3-16b) sup { |
{ |
{ { |
|
{ |
|
{ |
|
{ |
|
となるので、(3-3a),(3-8a)
と (3-4),(3-9)
で g = 1(3-16)
により、順序数の加法と乗法について
(3-17a) |
ì ï í ï î | ( | ( |
(3-17b) |
ì ï í ï î | ag + a sup { | ( |
が成り立つことがわかります。これらを用いると、g に関する超限帰納法により
(3-18a) |
(3-18b) |
がわかります。
実際、任意の qÎg(3-18a)
の g を q に置き換えた式が成り立つと仮定すると、まず g = 0
また g = q + 1a + q £ b + q £ (
b + q) + 1a + q(
a + q) + 1 £ (b + q) + 1
また g が極限順序数のときは、仮定により qÎga + q £ b + q(3-18a)
が成り立ちます。
以上で超限帰納法により (3-18a)
は証明されました。
次に、任意の qÎg(3-18b)
の g を q に置き換えた式が成り立つと仮定すると、まず g = 0
また g = q + 1aq £ bq(3-14a),(3-18a)
により aq + a £ bq + b(3-18b)
は成り立ちます。
また g が極限順序数のときは、仮定により qÎgaq £ bq(3-18b)
が成り立ちます。
以上で超限帰納法により (3-18b)
は証明されました。
特に
(3-19a) |
(3-19b) |
が成り立ちます。
また (3-15a)
により a ¹ 0a + b ³ a > 0a + b ¹ 0(3-19a)
により b ¹ 0a + b ³ b > 0a + b ¹ 0
(3-20) |
がわかります。また、a ¹ 0b ¹ 0(3-15b)
により ab ³ a > 0ab ¹ 0
(3-21) |
が得られます。
さて、(3-17)
に倣い、順序数 a を固定し、ある順序数 b に対する切片 Ord
b = b
(3-22) T( f ) |
ì ï í ï î | f ( | ( |
と置いたとき、これにより (2-20)
によって順序類 Ord
b における値を abab
(3-23) |
ì ï í ï î | aga sup { | ( |
となりますが、任意の順序数 a , b に対して abb に関する超限帰納法で明らかです。また明らかに
(3-24a) |
(3-24b) |
(3-24c) |
が成り立ちますが、(3-8)
と超限帰納法により
(3-25d) |
(3-25e) |
が成り立つこともわかります。また、
(3-26) |
が成り立つことを b に関する超限帰納法で証明するため、gÎb Þ ag ¹ 0
b = 0(3-24a)
により明らかです。
また b = g + 1gÎbag ¹ 0a ¹ 0(3-21)
により ab = aga ¹ 0
また b が 0 でない極限数の場合は、元 gÎbag > 0ab = sup {
aq | qÎb } ³ ag > 0
以上により、超限帰納法が成り立って、(3-26)
が証明されました。
次に、a > 1
(3-27) |
が成り立つことを g に関する超限帰納法で証明するため、qÎg(3-27)
の g を q に置き換えたものが成り立つと仮定します。
g = 0g = q + 1g が 0 でない極限順序数である場合を考えれば十分です。
まず g = q + 1b > qg は q より大きい最小の順序数なので g £ bb < qb = qab £ aq(3-26)
により aq > 0(3-13a),(3-14b)
と 2 £ aab £ aq + 0 < aq + aq = aq2 £ aqa = ag(3-27)
が成立します。
また g が 0 でない超限順序数のときは、b < gb の“次の順序数”の定義により b + 1 £ gg が極限順序数であることに反するので b + 1Îg(3-26)
による ab > 0(3-13a)
により、ab = ab + 0 < ab + ab = ab2 £ aba = ab+1 £ sup {
aq | qÎg } = ag(3-27)
が成立します。
以上により超限帰納法が成立して (3-27)
は証明されました。よって (3-27)
と (3-25a)
により
(3-28) ( |
が成り立ちます。次に
(3-29) |
が成り立つことを g に関する超限帰納法で証明するため、qÎg(3-29)
の g を q に置き換えたものが成り立つと仮定します。
まず g = 0(3-24a)
により両辺とも 1 ですから明らかです。
次に g = q + 1qÎgaq < bq(3-14b),(3-18b)
により ag = aqa £ bqb = bg
また g が 0 でない超限順序数のときは、仮定によりqÎgaq £ bg(3-29)
が得られます。
以上で超限帰納法が成立し、(3-29)
は証明されました。
次に、順序数 a ¹ 0 ¹ Æb = sup
B(3-16)
と同様に
(3-30) sup { |
が成り立つことを証明します。bÎB(3-28)
により明らかですから bÏBb に関する超限帰納法で証明します。
まず b = 0 = {
0}
次に b = q + 1 と書けるときは、仮定 bÏBg はすべて g £ qsup B
£ q < b
また b が極限数の場合は、sup B
= b = sup bqÎBq < bq < ggÎbsup
b £ q < b(3-28)
から sup {
aq | qÎB } £ sup { ag | gÎb } = ab
逆に任意に gÎbg < bg < qqÎBab = sup {
as | sÎb } £ sup { ag | gÎB }(3-30)
が成立します。
以上で超限帰納法が成立し、(3-30)
は証明されました。
さて、最後に指数法則:
(3-31a) |
(3-31b) ( |
が成り立つことを証明しましょう。まず最初に a ¹ 0g に対する超限帰納法で証明します。
最初に任意の qÎg(3-31a)
の g を q に置き換えた式が成り立つと仮定します。
まず g = 0(3-3a),(3-24a),(3-8b)
により (3-31a)
の両辺は共に ab(3-31a)
は成立します。
次に g = q + 1
(3-32a) (q+1 )= a (b+q )+1 = a (b+q )a = (abaq )a = ab (aqa )= abag |
となるので (3-31a)
が成り立ちます。最後に g が 0 でない極限順序数のときは、(3-16),(3-30)
により
(3-32b) supg = a sup{b+q |qÎg }= sup{ab+q |qÎg }= sup {abaq |qÎg }= ab sup {aq |qÎg }= abag |
となってやはり (3-31a)
が成り立ちます。以上で超限帰納法が成り立ち、a ¹ 0(3-31a)
は証明されました。
次に任意の qÎg(3-31b)
の g を q に置き換えた式が成り立つと仮定します。
まず g = 0(3-24a),(3-8a)
により (3-31b)
の両辺は共に 1 となるので (3-31b)
は成立します。
次に g = q + 1
(3-33a) ( |
となるので (3-31b)
が成り立ちます。最後に g が 0 でない極限順序数のときは、(3-26)
により ab ¹ 0(3-16),(3-30)
により
(3-33b) ( supg = abg |
となってやはり (3-31b)
が成り立ちます。以上で超限帰納法が成り立ち、a ¹ 0(3-31b)
は証明されました。
最後に a = 0
この場合、更に b = g = 0(3-31a)
の左辺は a0 = 1a0a0 = 1 ·
1 = 1(3-31a)
の両辺は一致します。
また b と g の少なくとも一方が 0 でないなら、(3-25d)
により abag0 なので、(3-8a),(3-8c)
により (3-31a)
の右辺は 0 です。またこのとき (3-20)
により b + g ¹ 0(3-25d)
により (3-31a)
の左辺も 0 となって、 (3-31a)
の両辺は一致します。
以上で (3-31a)
は完全に証明されました。
次に b = 0(3-24a),(3-25e)
により (3-31b)
の左辺は 1 、(3-8c),(3-24a)
により (3-31b)
の右辺も 1 となるので (3-31b)
の両辺は一致します。
また g = 0(3-24a)
により (3-31b)
の左辺は 1 、(3-8a),(3-24a)
により (3-31b)
の右辺も 1 となるので (3-31b)
の両辺は一致します。
また b も g も 0 でなければ (3-21)
により bg0 でないので、(3-25d)
により (3-31b)
は両辺ともに 0 となり、(3-31b)
の両辺は一致します。
以上で (3-31b)
は完全に証明されました。