紙屋悦子の青春

5月31日〜6月4日 俳優座劇場

 

5/31
6/1
6/2
6/3
6/4

 

(金)
(土)
(日)
(月)
(火)
14:00

 

 

19:00

 

 

 

 



  

  • 作:松田正隆
  • 演出:福田善之
  • 美術:石井みつる
  • 照明:森脇清治
  • 音響:小山田昭
  • 音楽:古賀義弥
  • 衣装:新井喜一
  • 舞台監督:林まさみち
  • 演出助手:福原圭一
  • 製作担当:松本美文
  • 制作:木山潔
  • 出演者:水野ゆふ
  •     平田広明
  •     本田次布
  •     田中雅子
  •     内田龍磨

 



〜稽古場日記〜

5月6日
演出の福田善之さんから電話が入り、突然の打ち合わせ。
そうです、5月3日から「紙屋悦子の青春」の舞台稽古はじまっているのです。
が申し訳ないことに私はまだ顔を出してはいません。
それでは食事でもしながらミーティングはどうでしょうと、7時に焼肉を食べながら
という話に。
敵は?もちろん福田先生、演出助手の林さん、キャストの水野さん、内田さん。
これは木山事務所の蒼々たるメンバーです。
いつもの柔らかな口調で福田先生の話しが始まる、
この物語りは、ミュージカルではないので急ぎませんよ、と云いながらイメージを語
って戴いた。
こんな時にも以外といいヒントがポロっと出るので、聞き逃さないように飲みながら
、食事をしながらですが。
私の郷里でもある九州が舞台なので…
5月13日
今日は、私にとっては舞台稽古初日のようなもの。
めずらしく時間よりちょっと早めに稽古場に到着する。
「おはようございます」
夕方の5時からだが、何故か?それが挨拶なのです…この世界では。
音響の小山田氏も来ているし、福原さんもいる。
制作の松本さんから、「もうすぐ福田先生もいらっしゃいます」と
全員が揃うと、3日から稽古は始まっているので、さっそく通しましょうと福田先生
から声がかかり、演出助手の林さんのキュー。
この物語は、舞台が九州なので九州弁が飛び交っていますが、福岡出身の私にはなつ
かしく、なんだかうれしくなったり…。
本田さんと雅子さんがやけに上手なので、なんで?と聞くと九州出身だとか。
それはアッタリまえかなー?
出演者の水野ゆうさんと内田さんと雅子さんは、「僕の失敗」と「慶応某年ちぎれ雲」
で御一緒しているが、本田さんと平田さんは始めて。
これから、交流を深めようと思う。
演出の福田善之先生から、「ここに音楽が欲しいですね、アッここにも」
などと説明をうけながらも、稽古はスムースに進行して行く。
頭の中を白紙の状態にして拝見、さあ!明日から「紙屋悦子の青春」にいくぞ!と新
ためて心を引き締める。
リハが終わると、「ちょっと飲みませんか?話でもしながら」の誘いに二つ返事。
いつもの小料理屋”がんび”へ行く。
ビール党の私は、最後までビール!
後ろの2枚の写真がそれですね。
   
 
5月20日
昨夜書こうと思いながら、寝てしまいましたので、一日遅れの日記です。
19日、17:00からのリハーサルへ、作った9曲を持って木山事務所へ出向いた。
9曲といっても、リプライズ込みなので正確には…違いますが?
ま、そこは勘弁して下さい。
稽古場へ入るや否や、「聞きましょう」と福田先生の声に、MDを渡して説明をしなが
ら、試聴する。
結構このシーンは作曲家にとっても緊張する場面です。
何となくスタッフ、キャストの表情を見ていると、好感触かな?
オープニングから音入りでやってみようと、福田先生の合図で…ゴー!
いいぞ!   
手前味噌かなぁー? 
良かった…ちょっと安心しましたネ。
芝居もなかなかよくなって来ているし、前回のリハーサルよりも気のせいかセリフも
よく聞こえてくる。
照明の森脇氏が来ているので、私を挟んで福田先生が森脇氏と話をするので、自ずと
聞こえて来る、音楽にとっても重要な事。
良い感じの打ち合わせ!
それを聞きながら、サウンドとのバランスを考えてみる、
勿論、若干の手直しは必要ですが、今日のところは合格かなー?
スタッフとキャストのみなさん…
リハーサルが終わると、近辺の中華料理へ10人程で食事へ。
ビールもギョーザもうまかー、そして壺の中からボトルへ入れてくれた老酒が、また
格別やったばい。と皆が言っていたのです。
5月23日
今日は私の報告というより福田先生とキャストのみなさんからメッセージをいただい
たので・・・

演出家・福田善之先生
.....
「紙屋悦子の青春」の木山事務所初演は99年ですが、演出の
私にとって当時とはだいぶ異なる実感があります。
それは3年たって、その分私が年をとり、ファーストシーン
の老いた夫と妻の会話が身近に感じられることも大きいので
しょうが、同時に世界の変化もあるように思います。
「戦争」が1945年という遠い過去のこととしてだけではなく
感じられてしまうというのは、不幸なことにちがいありませ
んが・・・
水野ゆふさん
    
.....
おさげ髪の乙女から白髪の老婆まで、時空を越えて頑張って
おります。
観に来て下さいませ、ませ!
平田広明さん
.....
初めまして、カッコイイ海軍士官さんの役です。
登場場面は少ないですが、内田さんと楽しいやりとりをいた
します。
どうぞお楽しみに!!
あっ、本田さん、早くセリフ覚えて下さいね!
本田次布さん
.....
以下の4つがあれば僕の人生は幸せです。
酒と、釣りと、たき火と・・・・・
あれ・・もう一つは何だっけ・・・?
田中雅子さん
.....
九州出身の私としては、とても楽しい舞台です。
だってセリフが九州弁なんだもの。
ご飯も食べます。空腹で観に来ると大変ですばい!
内田龍磨さん
.....
この芝居を観た方々が、帰りにおはぎを食べたくなるといい
なァ。それは何故か?
観てのお楽しみでーす。

         
5月30日
今日からは俳優座劇場でのリハーサル。場あたりに立ち合うため1時30分に池尻大
橋からタクシーに乗った。
なにか勘違いをしていたらしく、タクシーの料金が以外と高いぞっ…と思う。
が、先日まで青山円形劇場だったのが原因かな?
青山より六本木は遠かったのですネ…
2時5分前に劇場に入るが、もう全員揃っている様子。
結局、私の到着待ちのような…遅刻ではないのですヨ?
早速スタート!絵コンテで舞台美術は見てはいましたが、実際の舞台を見ると感激、
すごく良い。
照明の森脇氏、音響の小山田氏の細かな指示の抑えた声が客席に響き、演出の福田先
生と福原氏の打ち合わせの声の声が聞こえる。
私はこの雰囲気が好きだ。
何もかもがうまく絡みあて…思わず涙ぐみそうに。
明日は初日、大詰め、舞台監督の林氏のテキパキとした進行で順調な仕上がり。
しかし、演出の福田先生からさらにダメが…
プロデューサーの木山さんが6時30分現われた。
木山さんからのメッセージを紹介しましょう。
 紙屋悦子の青春に流れるテーマを一言で言葉にするならば、「断りもなく侵入してく
 る理不尽なものへの、静かな、しかし強い抵抗。この物語りの場合には、戦争という
 ことになります」
もっといろんな事を聞いたのですが、短くするとこんな言葉でした。
私は、プロデューサーの木山さんの演劇に対する姿勢がとても好きです。否、好きと
いうより尊敬と云ったほうが適切でしょう…
今日はこのあたりで! 是非観て下さい。
5月31日
客電がゆるやかに消えてゆく中、音楽が流れる。
緞帳が上がり、舞台のライトが淡く抽象的な映像を浮かべ…
初日の幕が開く。
劇場をうめ尽くす観客の呼吸が、一瞬止まったような錯角を生み出す。
舞台は静かに序幕から始り、ある時は笑い声、そして涙を産み出して終幕を向かえた。
カーテンコールを暖かな拍手がつつみ、客席に明かりがもどる。
舞台が終わった後の乾杯に程よく酔いしれて、帰路に着こうと六本木の交差点へ。
ワールドカップ・オープニングの厳戒体制だろうか?
装甲車が路上を占拠している。
今夜は平常時よりきっと安全だ、そう想いながらタクシーに乗った。
初日、有り難うございました!
6月3日
6月4日は東京楽日なのに仕事の為に俳優座劇場に行けないので、今日3日は是非と
も見なくてはと思い出かけた。
行ってみると何だか勢ぞろいのような感じ。
今日来なくては会えなかった方々が何人もいらっしていた。
初対面だったけれども小椋桂さん、小椋さんは「慶応某年ちぎれ雲」も見られたとい
う噂は聞いていたけど、本当でした。
立木さん、東演の横川さん高橋さん、俳優座の山崎さん、もちろん演出の福田さん、
演出補の福原さん、そして作詞家の宮原さん。
宮原さんはいつも一緒のスタッフなんですが、今回は歌がないので作詞が…ありませ
んデシタ。
今夜の舞台の出来はまたまた良かった。
内田君、絶好調ですね。おはぎを食べるのが特に上手?
雅子ちゃんも九州弁はネイティブ、とはいえ素晴らしい。
本田さんは相変わらず渋い落ち着いた感じが…NHKの英会話の先生なんですよ!凄い
デスネ
「昂」の平田君の明石少尉、清々しい二枚目の青年がぴったりで明石少尉といえば平
田君できまり…ダネ!
ヒロインの水野さん、純真なあの時代の乙女を演じていますが、今では水野ゆふさん
が純真な女性に見えますが…それは水野さんに失礼になるのかな?


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