記述について    5〜6年生対象                               2005年9月

 集中的に記述問題を練習する場合は、過去問集から記述系の学校の過去問をコピーして、ご家庭でオリジナル記述問題集をおつくりください。記述の設問だけをやります。穴埋めの問題がある場合は先に埋めておきます。市販の過去問の解答は大人の言葉で書かれていますから、12歳の子にふさわしい言葉遣いで書き直し、模範解答集を作ってあげてください。このように手間をかけた分だけ必ず子供の力になります。
 5年生でこれをなさる場合は、少し難しいと感じるかもしれません。時間をかけて文章を何回も音読と線引きをし、ゆっくりと内容を確認してから記述練習をなさって下さい。決して急がないでください。
 手軽に記述の練習をするには、選択肢問題の選択肢を隠して記述問題とするのがよいでしょう。キーワードは正解の選択肢のなかにあるので、それを目安につながりの良い文章へと導きます。

 
記述の練習
 ・ 短い一文を積み上げて書き、慣れてきたらつなぎ言葉を使うこと
 ・ 一文は長過ぎないようにすること
 ・ 主語と述語をなるべく近くに置くこと
 ・ 「なので」、「〜したんで」「あと」という話し言葉ではなく、書き言葉で書くこと
 ・ 「どのような気持ちですか」という問いに対しては、その感情がプラスの感情かマイ
   スの感情なのかはっきりさせて、+、−と設問の余白に書き、それに添って書くこと
   自由記述の場合は、「どのような気持ちから何がきっかけでどのような気持ちに変化
   したか」まで書くことを求められている場合が多い
 
・ キーワードは、文中に繰り返し出てくる、あるいは、言い換えてでてくる言葉である
   ことが多いので、自分が線引きした部分に注目すること

 ・ 設問に合った文末にすること(理由を聞かれているのならば、文末は〜だから、どの
   ようなことですかと聞かれているならば、文末は〜こと)
 ・ 助詞の使い方で、より質の高い文章になることを経験させてあげること

記述をもう一歩――御三家などの記述問題を解くために

@ どのような書き方をしているのか、子どもの書き方の癖を見抜き、正すこと
たとえば
  ・ 主語と述語が離れすぎている
  ・ 一文が長すぎる
  ・ 書き言葉を使っていない
  ・「です・ます」と、「である・だ」をまぜて使っている
  ・ つなぎ言葉の使い方が正しくない
A 設問からポイントが外れている場合
  ・ 設問も本文も正確に読む練習をすること
  ・ 記述の設問で問われていることに線引きをして心に留め、本文に印をつけながら読み進
   める
こと
  ・ 余白にメモをすれば、はっきり捉えられる
B 解答と照らし合わせると、キーワードが足りない場合
  ・ 子どもはキーワードをT2個選ぶと安心してしまい、それを使って強引に書いてし
   まう

  ・ 記述をするのに必要な言葉を文章中から選び、印をつけてはっきりさせておくこと

  ・ あいまいな記憶に頼らず、必ず文章に戻って確認をしてから解答をすること
C 心情の書き方
  ・ 自由記述の場合は、あっさり書くのではなく心情が変化した理由や背景も含めて書く
   こと
「それまで〜の気持ちだったが、〜をきっかけとして〜の気持ちに変化した」
   とする

  ・ 字数制限がある場合は、それに合わせて上記の文章のどこを書くか
D 意見文の書き方
  ・ まず、賛成か反対かを書き、次にその理由を書くこと
  ・ 「〜の意見に賛成します。(反対)。なぜかというと、まず〜と考えるからです。次に
   〜と考えるからです。以上の理由で賛成(反対)をします。」